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[聖書と映画 1 ]「天使の贈りもの」 ークリスマス映画の中の目に見えない助け手、天使ー

1.牧師夫人を演じるホイットニー・ヒューストン

2012年、惜しまれつつも亡くなったホイットニー・ヒューストン。

世界の歌姫とも呼ばれたその歌声は、全世界を魅了しました。ホイットニー・ヒューストン出演の映画というと「ボディーガード」を挙げる人も多いのですが、より彼女の歌の魅力が出ている映画が「天使の贈りもの」だと思います。

原題は「The Preacher's Wife」=説教者の妻(牧師婦人)。主人公・牧師夫人ジュリアを演じるのが、ホイットニー・ヒューストンです。

彼女の歌声を聴くことができるのなら、毎日でも教会に行きたい。そう感じさせる歌唱力です。本当に惜しい人を亡くしました。

映画の舞台は、荒れ果てた市街地にある聖マタイ教会。

教会の牧師ビックスは、教会での説教や貧しい人の訪問、保護観察の少年の世話など多くの仕事の重圧で、夫婦関係もギクシャクしています。しかも、クリスマスの寒い中、教会のボイラーも故障します。

教会の立ち退きの話もあがる中、教会の存続に奔走し、牧師は疲れ切っていました。

苦しい状況の中で「大変です。神様、助けてください!」と牧師が祈ると、神は祈りに応えて、人間に扮した天使ダドリー(デンゼル・ワシントン)を贈ってくれます。

天使ダドリーが、人間たちも気がつかないように影でサポートしていくうちに、牧師自身も、夫婦関係も、教会を巡るトラブルも、良い方向へ変えられる、というクリスマス映画です。


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2. 目に見えないところで助けてくれる天使


天使ダドリーは、牧師夫妻の気づかないところで、そっと手助けをしてくれます。

車のエンジンがかからない時にビックス牧師が祈るとエンジンがかかったり、牧師夫婦が出会ったころのときめきを思い出すために、わざとハプニングを起こしたりします。

また、事件に巻き込まれて犯人にされてしまった教会の若者を牧師が信じ切れない時には、「話し相手の目を見て」などアドバイスをして、天使ダドリーは人間関係をとりもちます。

ラッキーと思えることや、見知らぬ人の親切でピンチを切り抜けたこと、夫婦の絆が深まるハプニング。その「偶然」を天使ダドリーはアレンジして、私たちの気づかないところで、助けてくれるわけです。


映画予告編(英語)。映画では、「Who Would Imagine A King 」「Joy to the World」などクリスマスのスタンダードな曲をホイットニー・ヒューストンが歌う。


3. 偶然の背後にある神の計らい


映画のラスト、クリスマス礼拝では、牧師のメッセージと、牧師夫人のリードによる聖歌隊のゴスペルが、教会メンバーを一体化させます。

役目を果たした天使は、牧師夫妻の息子エレミヤ(ジェレマイア)と握手をして、そっと去っていきました。

子供は天使ダドリーを覚えています。一方、大人たちは「ダドリーって誰?」と天使の存在を忘れます。「天使の使命が終わったら、人間は天使を忘れる」というルールがあったのです。

映画のラストには、こんなことばが出てきます。

息子「空気は見えないけど、吸わずにはいられない。 神様も見えないけど、信じずにはいられない」

父「それが、信仰というものさ!」

神様は、空気みたいに目に見えないので、ふだんは存在を意識しません。でも、自分でも気づかないうちに助けてくれるのが、創造主なる神です。

たまたま出会った人との意気投合や見知らぬ人の親切、思いがけないタイミングで聞いたことばの背後に、神様の計らいがある。

その事実に静かに思いを馳せながら、クリスマスの時期、感謝を捧げる時間をもってみませんか。

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