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「この世の最上のわざは何?」


楽しい心で年をとり、 働きたいけれども休み、 しゃべりたいけれども黙り、 失望しそうなときに希望し従順に平静に、おのれの十字架をになう-。

若者が元気いっぱいで神の道をあゆむのを見ても、ねたまず、人のために働くよりも、けんきょに人の世話になり、弱って、もはや人のために役だたずとも、親切で柔和であること--。 老いの重荷は神の賜物。

古びた心に、これで最後のみがきをかける。まことのふるさとへ行くために--。
おのれをこの世につなぐ鎖を少しずつはずしていくのは、真にえらい仕事。 こうして何もできなくなれば、それをけんそんに承諾するのだ。 神は最後にいちばんよい仕事を残してくださる。それは祈りだ--。

手は何もできない。けれども最後まで合掌できる。 愛するすべての人のうえに、神の恵みを求めるために--。 すべてをなし終えたら、臨終の床に神の声をきくだろう。 「来よ、わが友よ、われなんじを見捨てじ」と--。 

ヘルマン・ホイヴェルス(林幹雄 編)『人生の秋に』、春秋社、1969年。

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週刊聖書|関 智征
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