あのコロ、なんて阿呆なんだ
京都旅5日目、関仁 です。
昨夜にホテルから借りてた漫画を1時くらいまで読んでいたので、朝の寝起きが悪く、ダラダラしながらチェックアウトギリギリまで部屋に居ました。
いつもよりも大分、遅いスタートでしたが、ホテルに荷物を預けて、いざ参らむ!
と歩いて10分もせずに、二条城の前へ。入場券が大人1030円と知り、意外と高いなー、中学生の修学旅行でも見学に来たんだよなー、辞めようかなー。とちょっと思いましたが、金に糸目は付けない!と思い切って入場。
お堀を越える時に、いざ東大手門を下から見上げるとその大きさに驚き、更に二の丸御殿に入る前の唐門(細かい造りで、節々の金色が眩く、赤や青、緑で塗られた獅子や龍などがこれまた鮮やかで、つい見入ってしまうほどの門)を前にした時、これは凄い!とふたえ越えてみつえにならんと上まぶたが奥に奥に入って行くのを感じました。ちょっと痛いくらい。
しかし、それだけでは終わりませんでした。
二の丸御殿を舐めてました。鶯張りしか覚えてませんでした。
外様用の部屋だったり、大政奉還を発した広間だったり、様々な部屋があり、その部屋ごとに壁の絵や装飾が異なり、天井の造り込みにも工夫があり、「その時代にしては凄い工夫だね。」どころでなく、現在においても巨匠の技であり、見惚れてしまいます。
そのため歩みが亀のようになり、足元の鶯は間の抜けた声を上げてました。
それでも綺麗な鳴き声です。
中学生の集団が連れてきた鶯は、私の鶯を越えて行きます。たぶん、5グループくらいは通路の先に飛んで行きました。
それを見て、嗚呼、私も修学旅行で来た当時は、「何で虎の絵? 家にカッコよさなんて求めないけど。木の枠で形づくってる部分があるんだ。へー。わあ、床が鳴るのは面白い。単に古いからじゃないんだー。」と思ってたことを思い出しました。
嗚呼、それなら中学生より大人の方が3倍も拝観料が高いのも頷ける。
何なら、1030円で躊躇した私が馬鹿でした。
はっきり言って、それ以上の価値がありました。確実に。
中学生のあの頃の阿呆な自分の記憶だけで、二条城をスルーしなくて良かったです。←
その後、庭園を見ているとガイドのお姉さんと中学生が二の丸御殿の床下を外から覗いてました。
よく聞こえませんでしたが、ガイドさんは「武士の時代だから出来た技術。今は出来ない。」と言っていたように聞こえました。
きっと鶯張りの話をしているのかな。
そう思いながらも、そのグループに、ぬらりひょんのように、さも最初から居ましたとでも言わんばかりにこっそり着いていきたいと思いました。
私の興味のひとつは、教育です。
そして今、仕事として興味があるのは、物質的なモノでない商品を供給することです。
その二つが、合わさった姿が目の前にあることに気付きました。
一日限りの教育とは言えないほどの関わりかもしれませんが、思いを寄せる京都の魅力を学徒・学生に伝えていく。そして、旅行の思い出として彼らに残って行く。
その形が、すごくいいな〜、と思ったのです。
ホテルマンとしての安らぎや体験を売る仕事もいいな〜と思ってましたが、それよりも私にとってはグッと来る仕事に感じました。
その後は、道中にあった黄金の鳥居を構える御金神社に立ち寄り、手を合わせ御朱印も授かり、目的地だった、喫茶マドラグに行き、しばし待ってから入店。NHKのパン旅で見て以来、念願のコロナのサンドイッチとアイスコーヒーを注文。
店員さん「◯番、コロナでーす!」
私「ぶふっ」
水を飲もうとコップに手をかけた時で良かったです。口に含んでからでは、◯番テーブルにフキンを持って来てもらう所だった。
アイスコーヒーはさらっと出て来て、コロナのサンドイッチも、間も無く出て来ました。
それが、タイトルの写真です。
玉子焼きが厚くてやわくて、あっつあつで。
木村拓哉さんみたいに指で潰そうものなら、玉子焼きがするっと逃げ出しちゃうので、一口でかじるのは困難。
それでもサンドイッチの名を持つ彼を手掴みで食べない訳には行かない!と試してみたものの、二つ目からはフォークで崩しながら大人しく食べました。
テレビ曰く、なぜ「コロナ」サンドイッチかと言うと、コロナという飲食店が出していた、たまごサンドイッチを、そのコロナさんが閉店する際にメニューとして受け継いだかららしいです。
そのオーナー同士の粋な行動を聞いただけでも、食べたくなる理由になりますよね。
そして、シェアして食べるくらいが丁度いい、そのサンドイッチをお腹に収めた後、街を散策。途中で気になる神社とパン屋を見つけて足を踏み入れてから、ホテルへ荷物を受け取りに行き、地下鉄で本日の宿へ。
鴨川沿いで大分、北のほうの宿なのですが、久々の畳部屋です!
大浴場もある旅館なのです!
それなのに、ビジネスホテル並みのお値段!
3度の京都旅行でも来たことのないエリアだったので、これまた散策。
住宅街ですが、大学生が住むようなアパートもある。
蕎麦屋で鴨南蛮そばと梅酒の蕎麦湯割りを頂き、雨が止むのを待ってから帰宅。
帰路でレンタル自転車が置いてある駐輪場に立ち寄ると、そこのおじさんから、色々な話を聞けました。
円通寺の魅力、団子を買いに来る幽霊の母親の話し、東寺の五重塔のてっぺんが今いる辺りと同じ海抜(それくらい京都は坂になってる)などなど。
そして何より印象的だったのは、
「70年以上、京都で生きてるけど、京都は心から良いと思う。まだ見に行ったことのない場所が沢山ある。」という言葉。
嗚呼、1週間じゃ見て回れないよね。なんか喉につっかえてたものが落ちて行った気がします。
今日は、そんな旅の思い出を抱きながら、旅館の中庭の池に、雨が打つ音を聞きながら、眠りに就きたいと思います。
おやすみんしゃい。
2022/5/30
せきひと