雑記:京都市内の非公開寺院の墓所
京都市内の非公開寺院の中には、定期的に特別公開を行っている寺院もあり、以下はここ数年で私が訪れた非公開寺院内の墓所について紹介したい。
まずは、養源院の徳川秀忠夫人・崇源院供養塔。
養源院は七条の蓮華王院(三十三間堂)の東隣りにあり、元々浅井長政の供養のために淀殿が建てた寺で、その後に徳川家の菩提所となった寺院である。
淀殿、豊臣秀頼、崇源院の肖像画を有し、境内には崇源院の七回忌に娘の東福門院が造立した供養塔がある。
この寺院は平素は非公開で、特別公開の機会もほとんどないが、2011年に大河ドラマ「江」が放映された際に、崇源院(江)ゆかりの寺院としてタイアップで特別公開が行われた。
右京区花園の妙心寺も、多くの塔頭を有するがその大半が平素は非公開である。
ただ、毎年春秋には塔頭が特別公開されることが多く、やはり2011年に海福院の特別公開が行われた。
海福院は福島正則の開基で、境内の墓地には正則の供養塔と言う五輪塔がある。
同じく妙心寺の大法院は、松代藩真田家の菩提寺であり、境内には真田家の墓所がある。
この大法院は、2016年に大河ドラマ「真田丸」のタイアップで特別公開されたことがある。
墓所内の真田家の墓塔は宝塔形式で、初代藩主真田信之の墓(下の写真二枚目)、また幕末の松代藩士で兵学者の佐久間象山の墓(下の写真三枚目)もある。
もっとも、近世においては宝塔は徳川将軍家およびその家族にしか許されていない形式であったため、大法院の真田家墓所は近代になってから一度に造立されたものかも知れない。
他の塔頭では、玉鳳院に武田信玄・勝頼・信勝・信豊の墓と、滝川一益が造立した織田信長・信忠の供養塔があり、私は2007年の公開された際に訪れたが、現在は墓所を含めた境内全域の撮影が禁止されている(2007年時点では撮影は可能であった)。
余談ではあるが、この妙心寺を本山とする山梨県甲州市の恵林寺は武田信玄の菩提寺で、そのために玉鳳院には武田家の墓所があるのだが、現在恵林寺にある信玄の墓は江戸時代に造立されたものであり、また恵林寺の信玄の墓も現在は撮影が禁止となっている。
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