京都府内の石造物③:安寿楽院五輪塔

名称:安寿楽院五輪塔

伝承など:なし

所在地:京都府京都市伏見区竹田内畑町 安寿楽院


近鉄竹田駅のほど近くに、現在は小さな寺院になってしまったが、平安時代末期院政期の鳥羽離宮の栄華を偲ぶ安寿楽院がある。

現在の境内から一旦出外れてしまうが、安寿楽院西方の老人ホームのあるあたりが元々の本堂があった場所とされ、その地に大型の五輪塔が建っている。

鎌倉時代中期の弘安十年の銘文を持ち、三メートルを超える堂々たる姿には圧倒されるような迫力がある。

鎌倉時代の大型五輪塔が近畿圏には多いが、実は無銘のものが大半であり、そうした点でもこの安寿楽院の五輪塔は基準塔として貴重である。

なお、安寿楽院には他にも平安時代末期の石仏があり、釈迦三尊・阿弥陀三尊・薬師三尊の三基が伝わるが、そのうち安寿楽院境内にあるのは釈迦と薬師三尊で、阿弥陀三尊は現在京都国立博物館の敷地内に移設されている(三枚目が京都国立博物館敷地内の阿弥陀三尊)。


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