京都府内の石造物⑪:祇王寺五輪塔(平清盛供養塔)

名称:祇王寺五輪塔

伝承など:平清盛供養塔

所在地:京都府京都市右京区嵯峨野鳥居本 祇王寺


嵯峨野の祇王寺は『平家物語』ゆかりの寺として知られ、元来は浄土宗の往生院と言う寺院で、明治時代に一度廃寺になったが復興して今日に至っている。

本堂内には祇王・祇女や平清盛の木像が伝わり、また境内には平清盛の供養塔と伝承される五輪塔があるが、これは鎌倉時代後期と推定される完形の五輪塔であり、京都市内の五輪塔の中では古い部類に入る。

清盛との関連は不明であるが、清盛の寵愛を受けた祇王と祇女、そして仏御前が仏門に入った寺にある石塔であるため、清盛の供養塔と言う伝承が後世生じたのであろう。

なお、五輪塔の隣には、祇王の供養塔と言う層塔(二枚目)があるが、こちらは完形ではなく各層は乱積みであるものの、初層と二層目は鎌倉時代後期の作であろう。


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