中部地方の石造物㉙：法音寺大日堂五輪塔（伝・源頼朝供養塔）、附・平山層塔

名称：法音寺大日堂五輪塔

伝承など：源頼朝供養塔

所在地：新潟県新発田市岡田　法音寺大日堂

下越新発田市の法音寺大日堂は奈良時代の創建と伝わり、平安時代には城氏の庇護を受けて栄え、鎌倉時代になると同地の地頭職を得て加地氏の祖となる佐々木盛綱の庇護を受けた。

盛綱は源頼朝の側近であり、現在法音寺には盛綱が造立した源頼朝の供養塔とされる五輪塔がある。

五輪塔自体は鎌倉時代後期の造立と考えられ、年代的には盛綱が建てたと言う伝承には合致しないが、おそらく加地氏によって建てられたもので、あるいは氏祖である盛綱の供養塔かも知れない。

いづれにせよ、新潟県内では数少ない鎌倉期の完形五輪塔として貴重である。

新発田市にはもう一つ鎌倉時代の石塔がある。

現在は新発田市の一部となっている旧加治川村の大天城（住田城とも）は、青鬼氏の居城と伝承され、その城跡の南には青鬼氏の墓とされる層塔がある。

青鬼氏は、加地氏が入部前の平安時代に同地を支配したとされる豪族であるが、どのような豪族であるか詳細は不明で、この層塔は単に「鬼の墓」とも呼ばれる。

詳細不明な石塔であるが、新潟県下における数少ない鎌倉時代後期の層塔の事例である。

現在は三層であるが、おそらく当初は五層であったと推定されている。

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