雑記:博多湾の元寇防塁
福岡県福岡市内には「蒙古襲来」の通称で知られる「元寇」のうち、二度目の弘安の役に際して、執権北条時宗が博多湾沿いに築かせた石塁が現在も点在している。
そのうち、福岡市西区今津にある元寇防塁は、最も残存状態が良好である。
今津の防塁は日向、大隅の御家人に普請が割り当てられたと言う。
現在防塁の周辺にはフェンスが張られ、近づくことは出来ないが、フェンス越しにもその迫力は十分伝わってくる。
防塁の先の海岸からは、後漢時代の金印が発見されたことで有名な志賀島や能古島を望むことが出来、ロケーションも良い。
西区生の松原にある防塁は、竹崎季長の「蒙古襲来絵詞」にも描かれているもので、現在の石塁は復元されたもので当時のものではないが、往時の石塁の規模を知ることが出来る。
福岡市早良区西新にある西南学院大学のキャンパス内にも、防塁の遺構が二箇所ある。
一箇所は、キャンパス内教室棟の中庭にあり、こちらは基礎部分以外は復元であるが、石塁を間近で、また二階に登れば真上から見ることが出来る。
この西新の石塁は前方に土塁が築かれ、二重構造だったことはわかっている。
二箇所目は体育館の裏に出土した防塁が保存されている。
なお、福岡市の吉塚駅にほど近い元寇史料館(福岡県警の向かい)では、元寇の際にモンゴル軍の兵士が来ていたと言う甲冑や武器が展示されている(史料館は常時開館はしておらず、見学希望の場合は管理している日蓮上人銅像護持教会に予約が必要)。
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