『あちこちオードリー』が他の「お悩み吐露系」番組とは一線を画す理由
2024年8月28日放送のテレビ東京の番組『あちこちオードリー』で、ニューヨーク・屋敷裕政が、オードリーがきっかけで「悩みを吐露」するコンセプトや企画の番組が増えたことについて語っていた。
「昨今、吐露ブームになってて。なんかこの間も俺ら、2 days別の番組で吐露させられ て。で、どっちにも見取り図さんいたんですよ(笑)多分、やっぱ『あちこちオードリー』のこの感じを、ウチでもやってくださいが結構…そうは(直接的には)言わないですけど」
「だから多分、悩みを聞きたがる深夜の番組とか多くて。で、もっと言うと、たとえばめっちゃ旬な人とかが悩んでることとかって、事後報告っていうか、回想シーンで喋るのが普通やったじゃないですか。『あの時、俺らめっちゃキツかったわ』みたいな。『レッドカーペットの時、本当キツかったよね』ってはんにゃさんが言うみたいな」
「お悩み吐露系」番組の変遷
過去のブレイク芸人などが、時を経てその時の苦労や悩みなどを語るということは「一発屋芸人」の過去を聞くような文脈の中で以前から行われてきた。だが、昨今ではその様相が異なっている。
この「お悩み吐露系」番組の変遷について、屋敷は次のように語っている。
「あれ(悩みを打ち明けること)がオモロすぎて、もう現在進行形で旬の奴からその話を聞きたなってるんですよ(笑)だから今、旬ですみたいな芸人に『本当は今、辛いでしょ?』を、旬なまま喋らそうとしてんですよ」
「これ、全部オードリーさんのラジオのパクリなんですよ(笑)で、それを裏で喋るのがラジオやってオモロかったんですけど、それがもう今、バケモンになっちゃったから、オードリーさんが。もうみんなオードリーさんやりたくて、それをやろうとしてて」
「で、俺らのYouTubeに至っては、売れてない奴に吐露させるっていう(笑)本当に、何の需要もない『あちこちオードリー』みたいなことをやってて(笑)『お前ら、キツイやろ?売れてなくて』って(笑)『いや、売れたいっすよ』っていうのをやってるんですよ」
オードリー若林の自問自答
屋敷は、オードリー、特に若林正恭が過去のことではなく、「現在進行形」で抱えている悩みを打ち明けることが特筆すべき点であると指摘しているように思われる。そして、それこそが過去の「お悩み吐露」系番組と『あちこちオードリー』の大きな違いでもあるということだろう。
「現在進行形」で悩みをいくつも打ち明けるということは、その分、日々、悩みを抱えて向き合い続けていることの証左だろう。この自問自答を繰り返し、試行錯誤しながら進んでいく傾向について、放送作家・オークラは「ミレミアム世代こそ生き様芸人」と指摘しており、オードリーや山里亮太ら2000年デビュー組に共通している特色であると指摘している(*1)。
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