ナイナイ矢部浩之が岡村隆史から「距離をとる」ことを選び、『ナイナイのANN』を降板するに至った理由
ナインティナイン・岡村隆史が失言による大炎上騒動を引き起こし、2020年4月23日、生放送であるニッポン放送系のラジオ番組『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』に臨んだ。
冒頭から、いつになく低く重苦しいトーンで岡村は「僕の発言によって、たくさんの人たち、特に女性の皆さんに不快感を与えたことについて、まずは心から謝罪させていただきます。本当に申し訳ございませんでした」と謝罪していた(ナイナイ岡村隆史、大炎上で窮地に追い込まれたまま迎えた緊迫の『ナインティナインのANN』生放送)。
慚愧の念が十二分に伝わる言葉であり、何度となく岡村は謝罪の言葉を繰り返した。20分以上なかなか切り替わりのタイミングが訪れず、どこまでこのトーンで続けるのか、とリスナーも心配になる中、そこで相方である矢部浩之が登場する。
岡村のピンチに現れた矢部
矢部は、2014年9月25日に『ナインティナインのオールナイトニッポン』を一人だけ「卒業」している。翌週からは、岡村だけが単独で『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』を続けている。
約5年半ぶりの登場で、矢部は次のように語っていた(*1)。
「やったな、お前。やってもうたなぁ。もう、もたんやろ2時間。今、こんなアクリルがあるね、ラジオはね。あ、忘れてた。カフ上げんの忘れてました、ごめんなさい。…いやぁ、もうこればっかりは」
「緊急事態よ、ナイティラインも。情けないやろ?なぁ。情けないなぁ。…これ、僕、イヤホンとか要らないんですか?ごめんなさい、久しぶりやから。ラジオのブース久しぶりやから」
「いやいや、これはもう今日はね、逆にこんな言い方したらまたね、岡村隆史の発言で不快に思われた方、勘違いされるのはね、ちょっとイヤなんですけど。なんかええ機会もらったよ。俺は思う。良い機会もらったって」
「やっぱりこの…公開説教をしよう、と今日は思ってね。正直、このコンビそれぞれあるけど、まぁリスナーの方はね、もちろん感じているでしょうけど、まぁあんまりいい感じやないやん、ナインティナイン」
「こんなもん言うことじゃないし。でも、俺なんかええ機会やなって思って、で、今日来たんですよ。…まぁなんか、本番でしか謝らへんよね。オフで絶対ないよね、俺にね。俺はもう、サッカー部の後輩でもなんでもないからね。元サッカー部の後輩やけど」
矢部の密かに抱いていた5年半の思い
矢部は登場した後、今まで岡村に対して抱いていたが、口には出してこなかった不満について語りだす(*2)。
「2010年にパッカーンして(注釈:岡村がメンタル不調で休養していた)、俺、謝られたことないのよね。表やったらあるのよ。本番中とか、人がいっぱい集まっているところでは、謝れんねん。いい顔できるから。やっぱり内弁慶なところあるやんか」
「まだ同じ楽屋でおった時に、やっぱこうたとえば、プロデューサーとかマネージャー、俺も大した人間ちゃうけど、なんかコーヒー持ってきてくれたら、ありがとうって出るのよね、普通に。で、俺は(岡村からのスタッフへの感謝の言葉を)一回も聞いたことないねん」
「もうそれは身内やからやねん、多分。甘えてんねん。その甘えが、どんどん、どんどん大きくなったが今回やとも思うのよね」
こうした不満は、コンビとしての溝を深くしていき、やがて決定的な亀裂が生じることになる。その原因について、矢部は以下のように語っていた。
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