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「テレビの未来」について語った爆笑問題・太田、「テレビの終末期となる現在」を受け入れる明石家さんま

爆笑問題・太田光は、「今のテレビ界」について忸怩たる思いを感じているのだという。2025年2月4日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』の中で、サンドウィッチマンに対して「バラエティについて色々話がしたかった」のだと明かし、その中で現在のテレビ界について、どのように考えているかについて語っていた(*1)。

「俺はちょっとサンドにも、ちょっと色々話がしたかったから、バラエティでね。要は、まぁどういう話をしたかっつうと、俺ができなかったなぁって思ってることがあるわけだよ、テレビ

「で、今やっぱテレビ壊しちゃったっていうか、なんつうのかなぁ…ずっと俺の中でさ、考えてることがあって。やっぱ俺が昔から言ってるような、テレビの歴史ってさ、やっぱ『夢であいましょう』から始まってさ、『おとなの漫画』だ、『シャボン玉ホリデー』だ。で、『ひょうきん族』あるいは『SMAP×SMAP』までだと思うんだけど」

「ああいう、言ってみりゃそのコントあり、歌あり、バラエティ。そういうものが、やっぱりもっと今のテレビってさ、ちょっと違うというか、それでサンドに話したんだよ」

「『あれっていつ頃なのかな?』って、自分でも考えて。で、それが俺らの歴史なんだよ。テレビがそうじゃなくした歴史なんだよ、俺らの世代は。って思ってんのね、俺は勝手に。『そうすると、俺らの責任だな、これ。今の問題は全部』って思ってんだけど」

「で、そういう意味で言うと、前に伊東四朗さんが来た時にさ、『やっぱりね、そういうコントの番組とか、あれいつ頃なんでしょうね』って話をしたじゃない。伊藤さんとか小松さんとか、『みごろ!たべごろ!』もやって、ドリフもやって、あの頃ね。で、たけしさんなんかいて」

「で、たけしさん、さんま、タモリっていう出現がやっぱデカいんだよ。つまりトークっていうことで、フリートーク何も決めずに、作り込みじゃないものって。俺は衝撃受けすぎたから」

「それをやりたかったんだけど。まぁ、言ってみりゃその辺からだんだん情報みたいなのが、テレビやる時には、健康だの情報だの。みのもんたさんとかやってて。よくよく考えてみりゃ、はしりは『伊藤家』じゃねぇかなと思って。伊東四朗のせいだと俺は思ったけど」

作り込んだバラエティ番組から情報番組へ

作り込んだバラエティ番組を制作するには、多額の予算を投じる必要がある。そして、その予算に見合う視聴率がとれるとは限らない。コスト意識が高まり、「三振か、ホームランか」という大振りの番組は作りづらく、「バットを短く持って、とにかく塁を進める」ための情報番組が増えた。

そのことを太田は嘆いており、テレビ界復権のためには作り込んだバラエティ番組こそが必要であると訴えている。だが、その一方で「情報番組」を乱立させるに至ったその責任の一端は自分たちにあり、「俺らの責任だな、これ。今の問題は全部」とも思っているという。

だが、出演者だけの問題では当然なく、無い袖は振れないという事情もある。テレビ界の広告費は明らかに減っている。2008年9月に起こったリーマンショックによる影響以後、右肩上がりだったネット広告と比べて、テレビの広告費は下がる傾向にあり、ついに2019年にはテレビはネット広告に抜かれている。

リーマンショック以前と以後で、どのような変化があったのか。その点について、オードリー・若林正恭は次のように語っている(*2)。

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