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爆笑問題、テレビ界から「干されていた」時期に逆風を追い風に変えてくれた山藤章二のNHK新人演芸大賞での評価

2024年10月1日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』の中で、爆笑問題・太田光が、1993年にNHK新人演芸大賞を受賞した当時のことについて語っていた。

爆笑問題は、1990年に太田プロから独立し、その退所が太田プロとの間に禍根を生んでしまい、結果「テレビ界から干される」ことになってしまっていた。事務所移籍問題による影響で「NHKとテレ東しか使ってくれない」状況の中、爆笑問題は太田光代社長とともに「タイタン」を設立し、1993年はまさに巻き返しを図ろうとしている時期だった。

「俺らが結局、仕事なくなって。で、復活した時に最初のきっかけがNHKの新人演芸大賞。これの審査員長が山藤(章二)さん。で、小松さんも審査員でいて。同時にやってた『GAHAHAキング』の審査委員長が高田先生で。またこの二人なんだよ、だから。恩人なんだよ、俺らにとっては」

「で、山藤さんが当時…もう当時は、落語とイロモン一緒だったから。で、『落語しか勝たん』みたいなやつがいて(笑)NHK新人演芸大賞っていうのは、大賞をとらないっていう、暗黙のルールがあったんだけど。山藤さんが強引に『これは爆笑問題に獲らせよう』って

「NHK新人演芸大賞の時は、山藤さん審査委員長で。で、もう本当は落語家が獲るってことになってたんだけど、別室の審査の中で、『これはもうね、今までの歴史とかそういうことを言ってる場合じゃない』と」

「『これ、爆笑問題がダントツで面白いから、爆笑問題にしよう』って強引に言ってくれた。山藤先生がだよ、強引に言ってくれて。で、小松の親分から『あんたはえらい!』って、表彰状もらって。そっからなんだよ」

「暗黙の了解」破りだった爆笑問題の優勝

「NHK新人演芸大賞」は、「NHK漫才コンクール」と「NHK新人落語コンクール」が「NHK新人演芸コンクール」として統合され、さらに1990年に「NHK新人演芸大賞」に名称が変更されたという歴史がある。

「NHK新人演芸大賞」からは、3年連続で落語家が受賞している。暗黙のルールとして「落語家が受賞する」と太田が語っているのは、このあたりのことを指しているようである。

太田は以前にも、2020年12月15日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』の中で次のように語っている(*1)。

「それまで、落語家がとるっていう暗黙の了解があったんです、業界には。これ、NHKと落語協会のズブズブの忖度」

「で、落語協会はあそこで大賞をとって、そうすると真打ちに近づくっていうね、そういう悪しき風習っていうんですかね」

落語協会からの反発

NHK新人演芸大賞での優勝により、落語家たちからの反発を受けたことについても、太田は語っている。2016年5月3日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』の中で、太田は次のようなことがあったと発言している(*2)。

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