オードリー若林と東野幸治がかつて語っていた「天下を獲る番組MC論」と現在求められるMC像
「番組MC」とはどのようにあるべきか。その問いに対して、オードリー・若林正恭はかつて、2022年10月26日放送のテレビ東京系列の番組『あちこちオードリー』の中で次のように語っていた(*1)。
「俺はある種の…天下とるっていう言葉はちょっともしかしたら古いかもしれないけど、自分のお笑いの教科書強い人が、結局芯をとるじゃない。それは、教科書を押し付ける力だと思うの、現場に」
「強い人が、その時代の天下をとるんだと思う。お笑いのルールを、自分のルールにしちゃう人。それはね、やっぱりね、共感力が高すぎるとできないなとは思ってる」
時流に乗る、時流に合わせて適応していくのではなく、「確固たる自分のお笑い」からブレることなく成功する人が「天下を獲るMC」ではないかと若林は指摘していると思われる。
「笑い=強さ」論
この発言に対して、東野幸治は呼応する形で2022年10月28日放送のABCラジオの番組『東野幸治のホンモノラジオ』の中で次のように語っていた(*2)。
「『笑いって、なんですかね?』って、素朴な質問として。『なんですかね?』って質問されて。で、その時にコント赤信号のリーダーが『いや、笑いってね、強さだよ』って言って。ああ、なるほどって思って。俺、凄い覚えてて」
「だから、自分が面白いって思うことを人が何を言おうがやり続ける強さ。だから、『今、この笑いが流行ってるから、笑いに移り気』って気持ちも分かるけど、それじゃあ弱い、と。だからやっぱり売れてる人はみんな、自分の笑いがあるから強い、と」
東野幸治の「MC論」
東野は、ブレない芯の強さ、それこそが「笑い」であると語っていた渡辺正行の言葉を引用し、同調した形である。だが、その一方で、かつて『あちこちオードリー』で語っていた自分の「MC論」はまさにその逆のものだった、と東野はさらに語っていた。
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