なぜ千原ジュニアは中学3年間の引きこもり生活から脱却して芸人を志したのか?
千原ジュニアは、中学時代に不登校となり、自室に引きこもる日々を送っていた。当時の様子は『14歳』という自伝的小説にも書かれており、また、テレビ番組で繰り返し話しているのでご存知の方も多いだろう。
なぜ引きこもることになったのか。その原因について、千原ジュニアは次のように語っている(*1)。
「学校、行ってなかったんです。…凄い進学校やったんですよ。イジメられてはいないですけど、進学校で、合わなかったんですね」
中学一年生の2学期には、すでに引きこもり生活となった。出口のない日々の中で、少年だった千原ジュニアは苦しんでいた。その一端を覗かせるエピソードの一つとして、陣内智則が行った千原ジュニアの実家の自室ロケについての話がある。
「僕ね、一回、ジュニアさんが住んでたという部屋に行ったことあったんですよ。ジュニアさんいなくて、僕ら後輩だけでロケに行ったんですよ。ほんなら、ジュニアさんの部屋には、蹴って壁に穴があいた跡が残ってるんですよ。ホンマに怖いんですよ」
学校に通うこともなく引きこもる千原ジュニアはやはり異質であり、近所の人々に奇異な目で見られていた。そのことに耐え切れなくなった母親は、父親と離れて暮らしてくれることを提案したが、それを奇声を上げつつ暴れて拒否したというエピソードもある。思い余った母親は、息子の精神状態を案じ、精神安定剤を食事に混ぜて食べさせたこともあったという。
心の拠り所だった『笑っていいとも!』
ずっとパジャマを着て過ごし、タバコなどを買いに出かける時もパジャマであったため、近くにある病院の患者と間違われることもあった。ネットもない時代、唯一の救いはテレビあり、ぼんやりと番組を見ながら日々を過ごしていた。
そのことについて千原ジュニアは、次のように語っている(*2)。
「14歳のときに引きこもってて、何してたかなって思ったら、『笑っていいとも!』を観てたな、と。こんな明るい世界があんねんなって思ったら、その20年後、34歳でレギュラーになるんですよ」
昼の時間帯は、やはり中学生が観たいと思える番組が少なく、いつもワイドショー番組『おはようナイスデイ』や2時間ドラマの再放送を観た後、空き時間で入浴して『笑っていいとも!』を観るのが日課になっていたという。
そんな 『笑っていいとも!』に千原ジュニアは、上記の通り引きこもり生活を送っていた時期から20年後、2008年4月にレギュラーになる。そこから番組出演を行う際、千原ジュニアは次のように思っていたのだという(*3)。
「『いいとも』はずっと見てた。誰が言うてたんか、『たまに学校休んでいいとも見れる思って見たら、テレフォンショッキングのゲストが全然知らん歌舞伎俳優で損をした』みたいな、あるあるみたいなんを言って、ドカーンってウケてんけど、毎日見てたからなぁみたいな、俺は」
『笑っていいとも!』出演時の心境
『笑っていいとも!』に出演していた時、やはりかつて自室に引きこもりながら見ていた番組に対しては思うところがあったようである。その時の心境について、次のように語っている。
「だからホンマに、我ながらそこから20年して『いいとも』のレギュラーになった時に、『もしかしたらどっかで学校行かずに引きこもって、見てる奴がおるかも分からん』ってずっと思いながらやってたもん。頑張れよっていう意味で」
「『いいとも!って。『部屋に籠もっててもいいとも!』って言うて。『いつ一歩踏み出したっていいとも!』って」
ここから先は
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?