通訳案内士試験の教材について
通訳案内士試験は、外国語、日本地理、日本歴史、一般常識、通訳実務の5科目あります。
書店をのぞけば、結構何冊か目につく本が売られていますね。この手の本は、電子書籍としてはほとんど出版されないので、ぜひそこを各出版社にお願いしたいところであります。だってもし訂正があったら本そのものをアップデートしてくれたら、こちらにダウンロードしたものも自動的に更新されたりするでしょう(フォーマットによりますが)。
まずは売られていないもの、無料で勉強させていただける教材から、いくつか意見を挙げてみたいと思います。
ハロー通訳アカデミーさんという学校がリアルで存在してましたが、現在はそこの植山先生が無料でさまざまなデータを公開しておられます。おそらく結構多くの方が使われているかもしれませんね。
ハロー通訳アカデミーさんの資料についての感想をお話しすると、まずデータ量が膨大で、果たしてここまで必要なのか…と思えてしまいます。
例えば、Microsoft社のワードやエクセルといったソフトウェアがありますが、毎年のようにバージョンアップし、もはや一般の人が使いこなせないほどの機能が入ってしまっています。だったらもう少しシンプルにして値段下げてよ…と思いませんか?Microsoftの本意は分かりませんが、Windows 95から98, 2000, Me, Vista, XPとどんどん膨れ上がってきたものを、Windows 10で一気にシンプル化しましたよね。その人にとって必要なものは自分でカスタマイズして取り入れていく。そうしないと、自分の必要のない機能が元でバグを起こす可能性だってありますが、それって全く意味がありません。
ハロー通訳アカデミーの資料は、とても優れていて、植山先生の思いも込められているのですが、いかんせんデータ量が多いため、完全に読み切ることは難しいのではないかと思います。また、ユニバーサルデザインではないので、読みにくい方もおられるかもしれません。
改善点としては、過去問題の解説は省く。過去問題の生データは、必要な人が別にダウンロードすれば良いのだと思います。モノクロですから、カラー印刷必要ありませんしね。
それから日本歴史に関する資料ですが、もし今から1年間時間があるのであれば、良いかもしれません。ただ、この資料は「歴史をしっかりお勉強しましょう」という資料なので、1ヶ月を切った時期に手を出さない方が良いと思います。すでに1年後の通訳案内士試験を目指すとか、秋に行われる日本史検定2級を受けるおつもりであれば間に合うかもしれませんが、7月下旬に公開となっても、今年の試験にはとても間に合わないと思います。
要は、地理もそうですが、すべてのことを噛み砕いて、ちゃんと学んで覚えて、試験に臨むのならばこれほど良い教材はないかもしれません。ただ、時間がもう限られてきている時期には向いていないと思います。
世間にある試験対策の本や資料のように、ここが出る、理由はこうだから…というシンプルなものに生まれ変わってくれると嬉しいですね。
あと、確たる証拠がないことについて、個人的信条や考えが解説欄や動画に出ているのはよろしくないのでは…と思います(リアルな対面授業の時に講師の先生がぽろっと発することとは違い、ネットだとデジタルタトゥーとして未来永劫残りますから…)。その関係者が見ている可能性もあるのでは…と思いビクビクして拝見いたしました。
続いてユーキャンが出している通訳案内士試験対策の本です。いくら販売数が少ないとはいえ3000円近くするのはなかなかの…ですね。で、2年前のエディションとそんなに大きく変わっていないので、これはちょっと…。ああ、だから電子書籍化しないんでしょうかね。
ユーキャンの本は、外国語以外の試験4科目についての解説です。シンプルにまとめられていますが、コレは先ほどのハローと違ってシンプルすぎますかね。この本は逆にもうあと3-4日で本番っていう時の追い込み確認用かなと思ったりします。
内装がどうも昭和チックなので、編集長さんとかは古い方なのかなと思います…。もう少し覚えやすく、見やすくしたほうがいいかな。というのも通訳案内士試験に行くとわかりますが、結構ご年配の方が多いんですね。ご年配の方にこの文字サイズの本はなかなかハードルが高い気がします。
そのユーキャン以上、ハロー未満(→但し、これは好みの問題なので、ベストではないと思うが)的なものとなると、三修社の全国通訳案内士試験シリーズかもしれない。「歴史」でいうとそう思います。詳しすぎず、かといって各時代の説明が簡素すぎずというレベルです。ただ、毎年出ているわけでもないので、今年はこれが出そうというようなものは載っていません。
歴史の試験を毎年のものを見てみると、割と地理的なものや時事的なものと連動している場合があるので、例えばこれは2年ほど前からハローさんが指摘されている来年の新紙幣トリオが出そうな気がしますよね。
なので、どの資料を使うのかはもちろん人それぞれではありますが、見やすさ、内容のちょうど良さ、最新情報の取り入れ度を考えるとどれも当てはまりません。私が思うに、ユーキャン「だけ」では合格しません。しかしハロー「だけ」だと内容量の多さから覚えきれないと思います。
昨年はCOVID19関係のことがあって受験申し込みさえできませんでしたが、一昨年は外国語以外(泣)は合格しているのでそのように思います。
今私がやっていることは、とにかく覚える量が多く、しかもどこが出るかいまいち掴みきれない日本史をざっと全ての時代で振り返っています。高校日本史Bの参考書と山川の教科書、一問一答を本当に緩めにやっています。
日本史で思うのは、この教科書や参考書の重要ポイントだけが出るわけではないということ。私が驚いたのは2021年の問題で佐賀県の人物を選ぶ問題だったんですが、佐賀県といえば、佐賀にそんなに詳しくなくても鍋島とか思い浮かぶ名前がいくつかありませんか?その名前がOUTでしたし。
なので教科書そのまんまはダメですね。ある程度地理と連動しないと。
今年も地理は免除になるので、その分午後の歴史を頑張らなければ。少なくとも、高校生が難関大ではない大学受験でやる日本史のレベルはわかっておかないといけません。
今年受験される方で、歴史が最も不安な方、私はまだ鎌倉時代に入ったところです。大丈夫です。いまだに源氏と平氏やってますから。でも、とにかく歴史の流れを覚えましょう。あとは、何度もノートに目を通すのが一番良いと思います。
頑張りましょう。ライバルとかじゃないですもんね。誰でも合格点に行けば受かる。それでも何年も受からない人もいるのですから、あと2週間ちょっと、頑張りましょう。繰り返し目を通しましょう。何度も見たら覚えます。覚えられないものはもうパスです。そういうのありますもんね。何回辞書見ても覚えられない単語とか。そういう系統はもうスルーしましょう!
私の日本史ノート、一部お見せします。合格したら全部出そうかな。