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スペインの幼稚園見学の記録(3園)

今年の5月から始まったせかい旅ヨーロッパ編

スペインの最初の1週間で、3つの幼稚園に1日参加、見学、施設見学をさせてもらった。


1つ目は、友達の息子(1歳半)が通う幼稚園。

ファームのなかにある小さな幼稚園

親子の自主保育から始まり、いまは先生2人で7人の子ども(1歳から〜5歳)を預かっている。

ファームにある建物の一部を保育室として、外にはあそび場があり、週1でファーム内の森の中に行くアクティビティもある。

この日はお休みがいたから超少人数。しかも雨だったから1日室内。


カタルーニャ語まったくわからないんだけど、子どもと先生の表情見てればなんとなくわかる。先生の話し方が一方的ではなく対話的なのも感じた。

言葉わからないけど楽しく遊んでたら、1人の子が絵本を読んで欲しいと私に渡してきた。
私はそれを日本語と英語、効果音出しながら読むと"もう1回読んで"と動作で伝えてくれた。
4歳くらいの子だから言葉伝わらないとつまらないかなと思ったら、意外にも楽しんでくれたみたいで私も嬉しかった。


ここの先生は元々公立の幼稚園(幼稚園と言うけど、生後8ヶ月とかから受け入れてる)で働いてたみたいで、そこでは1-2歳児13人に対して大人1人の配置だったそう。3歳児は30人に対して1人。ヘルプの先生は学年またいでフリーで動くからずっといるわけではなかったと。

"保護者にうちの子はどうだったかと聞かれても、何もトラブル起こさなかった子のことは全然見れない状態で、たぶん元気だったよ。とかしか言えなかったよ。この配置を決めた政府の人たちは、現場を知らない人だね。"と、日本でもこういう話聞いたことあるなと感じた一言だった。

ここの面白いなと思ったのは、ランチ制度。
毎日保護者が交代で全員分のランチを作っている。

毎日お弁当を作るより、月に2,3回がっつり作る方が、負担少ないよね、と保護者と先生と話して決ま理、もう数年この制度でやっているみたい。
メニューのベースは決まっていて、
月曜日 米とたまご
火曜日 豆
水曜日 野菜と卵
木曜日 パスタ
金曜日 幼稚園自体がお休み

日本の給食と比べると、これだけ?と感じてしまうけど、ここはスペイン。
このベースのものにそれぞれの家族がパンやフルーツを追加して子どもの分、先生の分を用意している。

ちょうど私が幼稚園行った日は、私の友達家族がランチを作る日だった。
豆料理に、野菜パンケーキ、フルーツ、カット野菜を用意していた。
友達曰く、他の家族が用意するのは、自分たちが子どもに与えないようなジャンクなものが含まれていることもあるけど、作ってもらえるだけでありがたいよね。と話してた。

もちろん、アレルギーがある場合は事前にその共有はするし、急なお休みになる時はすぐに先生や他の保護者と連携して、解決していると先生が話していた。
保護者たちの働く環境にフレキシブルさがないとこのシステムは難しそうだし、この小規模さだからこそできることかなと感じた。


ここは、現在定員割れをしていて子どもや親にとってはありがたい極少人数制だけど、経営としては、なかなか大変だそう。(現在子ども7人、定員12人)だから、預かる月齢を下げて乳児も受け入れるようにしてる。それでもなかなか集まらないのは立地的なのもあるだろうし、外への発信の仕方なんだろうな〜と友達は話してた。


2つ目は、友達の甥っ子が通う園

こんな美しい幼稚園は初めて見た

甥っ子の通う幼稚園がとても素敵だからYukakoにぜひ見てほしいとわざわざ調整してくれたこの日。

(1歳半から6歳まで19人に対して大人3人)


インターンや見学で来る人が多く、見学する人は保育に参加せず見学に徹底してほしいと事前に言われていた。
現場の立場からしたら、この事前のリクエストめちゃくちゃ重要。
その日の保育や先生と子どもの関係性が外から流動的に来る大人たちに振り回せられるのは、結構大変。

ここも前園と同じく、全てカタルーニャ語。
英語が話せる先生がいたから、保育後に少し話を聞くことができた。

そして、この日は遠足の日。
毎週いろんなところに行くらしい。
公園で集合して、集落のなかを歩き出す。



その集落がまた綺麗なこと。何百年とあるこの集落のなかを子どもたちが自由に歩き回れる(車通りがほぼない)環境最高!
マンホールの穴覗いたり、水場の水で遊び、近所の人からおはよう!と声をかけられると先生たちは立ち話。
その間子どもたちは好きなように集落歩き回る。
(え、こんなに野放しにして大丈夫なのかな、と内心ひやひやしてたけどこの日は見学だから何も言わずただ見てみた)

最初の目的地に着くと、各々朝のおやつを食べて教会前の原っぱで遊びだす。



1時間くらい遊んだあとに荷物をまとめて歩き出す。
この次の動きをするときに、先生が全体に声かけるわけでもなく、近くの子に声をかけるとそれを見た他の子たちも動き出すような流れで、お互い見合ってるんだな〜と感じた。
もちろん超マイペースな子もいた笑

森へ行く道のりも子どもたちにとっては発見の連続で、食べられる草花を楽しみ、カエルを見つけると大騒ぎ。


一歳半から自分の荷物を持ち、自分で歩く。

森では水たまりもあって思いきり遊んだあとは雨が降る予報があったから移動してランチを食べるスペースへ。

ランチはお弁当持参だったんだけど、オーストラリアのお弁当より野菜多めな健康的なものが多い印象だった。
ここの幼稚園来る時点で親の健康への意識やオーガニック利用率も高いから、他のスペインやカタルーニャでのお弁当全てがこうではないと思うけど、豆を煮たやつやパスタ、スープなど持ってきてる子が多かった。

ランチを終えて広場で子どもたちが走り回ってるとき、先生と少し話すタイミングができた。
そこで、「遠足に行くことで安全面で1番気をつけてることって何?」と質問した。
すると、
「んー落ち着いていることかな。(stay calm)私たちはここに何度も来ているし、子どもたちも知っている。ここが安全なのはわかっているから、私たちは落ち着いて子どもたちがその日何を発見するのかを一緒に楽しんでるよ。」と話してくれた。ほえー

お迎えの場所は、"いまこの辺にいるからここお迎えで!"とWhats Appでお知らせが来るんだと✉️
ゆるい笑

もっと質問攻めしたくなったけど、限られた時間だから、何を質問しようとぐーーっと考えて、最後に「保育で一番大切にしていることは?」という質問をした。

すると、即答で「autonomy and relationship」と答えてくれた。
日本語にすると、自主性と関係性。

「道を歩く時、森の中で遊ぶ時、どんな時も全ての手段や方法をこちらから出すことはしない。
それぞれ自分のことができるようになってほしいからね。
ここでは1歳半から森に歩いて行く。自分のリュックを背負ってね。
そういう小さなことから自分でできるようになってほしいと思っているよ。
荷物を運ぶ関係で大きめのベビーカーはあるから、どうしても疲れた時や今日みたいな雨が降りそうで急がないといけない時は、何人か乗せて大人が走ることもあるよ。笑
おむつに関しても、それぞれのタイミングがあるから、強要させることは絶対しない。みんなのタイミングがあるから、その時を待つようにしているよ。」と、autonomy に関する説明をしてくれた。

relationshipに関しては、先生たちと子どもたちの関わりを見ていればわかる。
具体的な会話の内容は理解できなかったけど、シチュエーションから想像できる会話の内容、先生の子どもに向き合う姿勢、子どもたちの反応から、そこに関係性があるのは見えた。

そして、関係性は先生と保護者の間にもある。
お迎えの時間になって次々に保護者が来て、先生たちと立ち話。
その雰囲気が、自分が東京で働いていたところとは全然違った。

もちろん、細かいやりとりの中では大人の事情や複雑なことが起こることもあると思うけど、とても良い関係性がありそうだなと、見てて思った。

もうここまでだけでも、たくさんの刺激を受けて収穫がたくさんあったと感じたんだけど、友達のお姉ちゃん(甥っ子のお母ちゃん)が、ここの園舎もとても素敵だからぜひ見に行こう!と連れて行ってくれた。

そして、これがまた驚くほど良かった。


この園舎は、いわゆるアパートの共有スペースの場所にある。

子どもたちがいるときは、幼稚園だけの場所として使われるけど、それ以外の時間はここの住民の人たちの場所。
奥の部屋では、夕方に陶芸教室が開かれているそう。


鶏もいる園庭。決して広い空間ではないけど、空間分けされている。

まず驚いたのは、ここの場所に鍵がかかっていないところ。
え、先生たちいないのに園舎入っていいの?!
友達のお姉ちゃんは、息子の忘れ物を探しに教室の中まで入って行った。
一部施錠されている部屋があったから、そこに大切なものは保管しているんだと思う。


保育室は、二つに分けられていて、ここはお弁当を食べるスペース。
食べる空間と遊ぶ空間が分かれているのは個人的に好きポイント。


身体を動かせるような遊具が多い。
それぞれがどのくらい自由に遊べるのかはわからないけど、きっと自由にできるんだろうな〜。


コーナー分けされた遊びスペースもいくつかあった。


おままごとの道具もプラスチックなものではなく、リアルで使うものの小さめサイズが置かれていて、さらに個人的好きポイント。


これは、月ごとに変わるデコレーションテーブルだそう。


アートも楽しくできそうな環境だなと感じる壁だった。


ここでの外遊びも絶対楽しい


地域の中にあるからこそ、いろんな素材が集まりそう

ここでの一日保育もぜひ見学したいと強く思うほど、とても興味深い園舎だった。


スペイン語やカタルーニャ語がわかればより一層理解が深まり、詳しく話を聞くことができたと思うけど、遠足と園舎の見学両方を通して、こんなに美しいと感じた保育施設は初めて出会ったかもしれないと思った。

ただ写真映えするとか、そういうのではなくて、環境、人間関係、地域との繋がり、それぞれがどれも美しかった。

とても残念なことに、ここの園舎を来年出ないといけないそう。
賃貸で借りていて、大家さんが一階部分をお母さんのために使いたいそう。
今新しい園舎になる場所を探しているけど、まだ見つかっていないそう。
これはとても残念だけど、仕方ない、、、無事に今と同じようにそれ以上に良い環境が見つかることを願う。


3つ目の幼稚園は、友達がオーガニックショップ行くけど、一緒に来る?そこに森の幼稚園のフィールドあるから、それも見れたら面白いかもね。と誘ってくれた。もちろん行かない理由がないので着いて行った。

いくつもの機能がある場所にある森のようちえん



オーガニックレストラン
オーガニックショップ

ようちえん、オーガニックショップ、レストラン、ワークショップスペース、畑とこんなにたくさんの機能がある場所に通う子どもたちはきっと毎日刺激的だろうな〜

園舎から歩いてすぐのところには森があって、そこでいつも遊んでるみたい。





ここの場所は最初、在来種のカメを守るための活動から始まったそう。
そこから政府や企業と連携して事業拡大させて、今もカメの活動しつつもようちえんやお店の経営もしてるとのこと。




教室内は見れなかったけど、入り口のところだけでも飾りなどかわいかった〜!


ここはちゃんと教室に鍵かかってた笑


アート可愛い


ここにも月毎のデコレーショデコレーションテーブルがあった。春っぽい(5月)

写真の数から子どもの数は9人?
友達から聞くと、ここは3歳から6歳までのグループだから、友達の息子(一歳)を通わせることが今はできないそう。
本当ならここに通わせたいんだけどね〜と言ってた。

トイレは、レストランやショップの人たちが使うところと一緒だし、ここにいる子どもたちは、常に先生以外にもいろんな大人と会うことが多そう。他の仕事をしている大人が同じ敷地にいるのは、また面白い刺激になりそう。


遊びスペースがとても開放的
森にいるよ。何かあったら連絡してねと書かれたメッセージボード。遅刻してきた子宛てかな


ここは友達家族とぐるっと歩いただけだから、保育についてはわからなかったけど、環境的にとても面白そうな場所だった。


友達宅にあるトラクターで遊ぶのが日課だそう


スペインで過ごした最初の1週間に、3つも幼稚園行けたのは、旅としてとても好調なスタート。

何よりも友達家族のおけでしかないので、本当ありがたいことです。
息子くん、甥っ子くん2人とも可愛すぎて、たくさん遊べて楽しかった。

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