日本の文化を世界と共有するためのインタープリターの重要性と養成プログラム
インタープリターが求められる時代
日本の文化、歴史、生活の魅力を世界に伝えるためには、インタープリター戦略が欠かせません。これまで、様々な地域では、多言語化に注力し、成果を上げてきましたが、これから必要となるのは熟練した「インタープリター」です。
インタープリターを養成する
インタープリターは、異なる言語や文化の間のギャップを埋める重要な役割を果たします。彼らは言語能力だけでなく、文化的なニュアンスや歴史的な文脈にも深い理解と知見を持っています。
「インタープリター養成プログラム」では、世界から訪れる人たちに日本の豊かな文化遺産を効果的に伝え、理解を深めてもらうために必要な知識と技術を身につけることを目指しています。
日本の文化多様性と伊勢神宮の魅力を世界に伝えるインタープリテーション戦略
2023年度、伊勢神宮を擁する伊勢市では、観光庁観光再始動事業の一環として「インタープリター養成プログラム」の開発と実践に取り組みました。
日本の文化多様性と伊勢神宮の魅力を異なるバックグラウンドを持つ世界の人々にどのように伝えれば良いのか。事業では、そのノウハウを『インタープリターの基礎知識とスキル』、『日本文化の多様性と伊勢神宮のインタープリテーション』と題した2冊のテキストブックにまとめました(事業ではセミナーも実施)。
2つのテキストブックを通じて学べること
『インタープリターの基礎知識とスキル』では、インタープリターとは何かに始まり、インタープリターの歴史やその役割について説明した後、世界遺産登録の現場においてどのようにインタープリテーション戦略が活用されてきたのかをビフォーアフター形式でわかりやすく紹介します。
『日本文化の多様性と伊勢神宮のインタープリテーション』では、まず、外国人に関心が高く、よく尋ねられる日本文化のトピック(日本人の宗教心、富士山、和食)についての知見を深めます。そして、伊勢神宮の魅力についてインタープリットできるよう学んでいきます。
見えない価値を伝える
2023年10月、単月の訪日外国人数が2019年の実績を上回る252万人を記録しました。観光立国は、コロナ禍を越えて再び成長に舵が切られました。しかし、単にコロナ前の状況に戻すだけでは、オーバーツーリズムの問題やインフラにかかる負担など、地域住民との軋轢が再燃することになります。
日本、そして地域の歴史・文化・生活の価値を理解し、その魅力が未来に繋がっていくよう支えてくれる。そんな地域と観光客の関係性を築くためにもインタープリターの役割は重要さを増しています。相手の視点に立って、興味関心を高め、しっかりと、そして楽しく、魅力を伝えていくためのインタープリテーション。是非、皆さんにも興味を持って頂けたら幸いです。
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