YouTube恋愛ドラマが計1600万回再生!役者&広告会社代表の和田崇太郎さんと語る「エモいエンタメ」の作り方
【広告プランナー・セカイ監督のクリエイターとの対談企画】
今回は、YouTubeチャンネル「しゅくろーから夜ふかし」で恋愛ドラマを制作し、広告制作会社「株式会社バイブハート」を設立した和田崇太郎さんをお招きしました!
脚本や監督、さらには自身も演者を務めるなど、恋愛ドラマづくりの隅から隅までコミットする和田さんですが、今回のインタビューで「届ける」こと、すなわちマーケティングへの徹底ぶりを知ることができました。
たった5本の動画で1600万回以上の再生回数を誇る和田さんの「そこまでやるんだ!」というこだわりを余すことなく話して下さったので、クリエイターを志す人や始めたばかりの人には特におすすめのインタビューとなっています!
サムネイルは「家の玄関」と同じ!
セカイ監督:僕とそうたろーは「しゅくろーから夜ふかし(通称:しゅくかし)」というYouTubeチャンネルを一緒にやっていて、普段から話しているから、「何を改まって」と言う感じはあるよね(笑)。
和田さん:今までのインタビューの中で一番緊張しているかも(笑)。
セカイ監督:その「しゅくかし」で本気の恋愛ドラマを出していて、5本で1600万回以上(2023年9月時点)再生されているんですけど、実は僕は全く関わっていなくて、そうたろーが脚本から演出、監督まで基本全部一人でやっているんですよ。YouTubeの長編ドラマで、かつ5本でこの再生数は本当にすごい!
和田さん:そうなんですよ、結構頑張っています。
セカイ監督:今回は、その恋愛ドラマの制作について色々聞いていきたいと思います!
セカイ監督:クリエイティブコンテンツって、大きく分けると「どうすれば届くか?」というマーケティングの視点と「どうすれば面白くなるか?」というクリエイティブな視点と両方必要で、そのバランスがないと伸びないと思っていて。しゅくかしの恋愛ドラマに関しては、どうやって考えていったの?
和田さん:まずコンテンツの中身よりもマーケティングやね。100%マーケティング。マーケティングをしっかりやって、まずは伸ばすことを心がけているね。
セカイ監督:「どうすれば観てもらえるか?」ってところだよね!めっちゃわかる。具体的にはどんなところを意識しているの?
和田さん:企画とサムネイル。この2つが全て。「こういうものを作りたいんだ」というのはもちろんあるけど、やっぱり観てもらえなかったら意味ないから、自分のこだわりだけで作ることは諦めて、パイを取れるように徹底的に工夫するかな。
セカイ監督:まずは観てもらうために、作品の外側(≒タイトルやサムネイル)を整えるのは大事だよね。サムネイルを作る基準は何?
和田さん:「トレンド」と「普遍的に強いニーズ」は意識するね。例えば3年前だったら目新しかったけど今は溢れかえっているものがあったり、「谷間、赤ちゃん、動物」はどんな時代でも普遍的に強いニーズがあったり。ちなみに、キスサムネは今もなお強い印象。
セカイ監督:そうなんだ。
和田さん:でも、普遍的なものでもサムネも他と似通っていたら観られないから、そこにちょっと目新しいデザインを付け足すことも大事。あとは、クオリティが高そうに見えるかどうか。
セカイ監督:なるほど、「玄関を見ただけでこの家に入りたいと思うかどうか」ってことだよね。ちなみに、サムネ用の写真は毎回どのくらい撮ってるの?
和田さん:300枚ぐらい。
セカイ監督:マジ?そんなに撮ってるの!?
和田さん:めちゃくちゃ撮ってめちゃくちゃ厳選する!サムネは命やし。
動画の公開後「数日」が勝負
セカイ監督:実際俺も、顧客の広告動画を作る時はまずサムネイルから考えるね。企画の大枠はあった上で、サムネイルから考えてそれから脚本を考えるようにしているかな。サムネイルとタイトルを作った上で企画の中身を詰めていくから、それ即ちマーケティングから考えていることになっていると思う。
和田さん:まずは興味を引いてパイを取ることが重要で、その中で「パイを広げる」工夫もするかな。例えば「セフレとの修羅場が訪れる人」というテーマでも心当たりのある人は観てくれると思うけど、もう少し広げて「修羅場が訪れる人」にしたらより多くの人に届くじゃん。とはいえ、大きなパイを狙いすぎてもフワッとしちゃうから、その辺りは結構意識して調整するね!
セカイ監督:パイの大きさを考えるんだ。
和田さん:そういう細かいことは結構やるね。あと、公開してから2、3日は結構地獄。
セカイ監督:それどういうこと?
和田さん:公開して数日はサムネもめっちゃ変えるし、タイトルもめっちゃ変える。4、5パターンずつぐらい用意しておいて、1時間ごとの再生数等を確認してその組み合わせを都度都度変えながら、ハマる組み合わせを探し続けるみたいな感じやね。
セカイ監督:いつもやっているよね。俺もTikTok等で、動画をあげて数日経っても全然伸びてなかったら、削除して見出しを変えて出し直す、ってことは結構やるかな。
和田さん:1時間ごとの再生数がちょっと変わっただけでも、数日とか1ヶ月単位だとかなり違いがあるから、そこのこだわりは大事だと思っていて。ちなみに、僕調べでは恋愛ドラマ系の第1位が「純猥談」で第2位がAbema TV、第3位がしゅくかしなんだけど、企業系でAbema TVが唯一上位に上がってきているのは「動画数の多さ」と「サムネイルの質」が理由だと思う。
セカイ監督:サムネを頑張っているところって少ないから、そこを頑張るだけでもだいぶ違う気がする。
自分のエゴが作品に反映されているか?
セカイ監督:クリエイターとしてのそうたろーのこだわりも聞いていきたいな。
和田さん:ここまでの話と被るけど、一つはやっぱりマーケティングかな。YouTubeという媒体に合ったコンテンツ作りを心がけていて、とにかく展開の早さが大事。映画が好きな人が映画のテンポで作ったりしているけど、それではYouTubeでは観られないし。「この表情めっちゃいいから本当は5秒使いたいけど、YouTubeに合わせて2秒しか使わない」みたいなことは結構やるね。本当はやりたくないけど。
セカイ監督:そうなんだ。でも俺は、TikTokとかYouTubeとかを結構観るから、そうたろーのドラマのテンポ感は結構好きだな〜。
和田さん:僕自身も「これはこれで面白い」と思って作っているから全然OK。もう一つは「自分のエゴをしっかりと入れる」ことで、具体的には「自分がイラっとしたことが反映されているかどうか?社会に対して言いたいことはあるか?」ということ。例えば「セフレがいる人生もいいよね、美しいよね」というドラマが流行っていた時期に、当時僕は「本当はもっとドロドロしてて気持ち悪いでしょ」と石を投げたくなったんよね。こんな風に、自分が日々感じているイライラを作品に反映するようにしている。
セカイ監督:中には実体験をもとにした作品もあるよね。だからこそ、忖度なしでそうたろーのドラマはグッと来るものがあるんだと思う!俺はコメディ系は強いけど、そうたろーみたいなエモ系があんまり得意じゃなくて。でも、これまでやってきた「広告をエンタメ化させて”観たい”と思わせる」ことを「”観てよかった”と思ってもらう」まで昇華させるのが今一番やりたいことだから、そうたろーの力を借りて広告を作りたいと思っている。だから今日この場に呼んだんだよね(笑)。
和田さん:そうなんや(笑)。ぜひやりましょう!
コンテンツが溢れているからこそ「設定」に惹かれる
セカイ監督:これから作ってみたいものとかあるの?
和田さん:やっぱりドラマで、中でも企業のドラマは作りたいな。ブランディング動画なのか何なのかはわからないけど、ストーリーがあって体温が乗っかる企業ドラマが作れたら最高やん。
セカイ監督:それめっちゃ観てみたいなあ。
和田さん:自分で言っちゃうけど、ドラマに心の声が入っているの結構好きなんよね。映画の方からしたら超邪道らしいけど、広告とかショート動画には向いているし、それが刺さることもわかったから、そういう企業ドラマにチャレンジしたいな。
セカイ監督:今後「企業ドラマは来る」と俺も思っていて。例えばAppleとかがドラマを出して、大手の会社がドラマコンテンツを作ってYouTubeで配信したら、実はサービスの宣伝動画でした、みたいな。レゴブロックの映画も、子供に純粋に楽しんでもらうために作ってるんだろうけど、それ自体が強い宣伝になっているし。商材を伝えるためのストーリーを描くことこそ「広告をエンタメ化する」ことだと思うから、企業ドラマもやっていきたいね。
和田さん:それに、つまらない会社なんて一つもない。社長や社員さんに話を聞いたら素敵な一面がどんどん出てくるし。感情の種が必ずどこかにあると思っているから、いいドラマも作れる気がする。
セカイ監督:間違いない。
和田さん:逆に聞きたいんだけど、「面白い」動画を作るのってめっちゃ難しくない?例えば舞台だと、それまでの間も含めて笑わせられるけど、YouTubeだと観る人によって気分も環境も違うやん?
セカイ監督:俺がやっているのは「設定が面白いから観たくなる」だと思っていて。コンテンツの面白さはもちろんだけど、「どういう設定だったら観たくなるのか?」をしっかり設計して作っているかな。舞台にしても、その人自身の認知度が高ければ「あの人が出るなら観に行く」という層がいるけど、そこにまだ辿り着いていない場合は「観たことない設定だから観に行ってみたい」と思ってもらうことが大事だしね。キャスティングにしても、キャストありきで設定を考えるのではなく、面白い設定を考えてからキャスティングする人を決めるようにはしている。
和田さん:確かに、そういう舞台って結構面白いんだよね。僕が一番好きな劇団がいつも設定にこだわっていて、会話劇を一つとっても「この設定で会話したら何が起きるんだろう?」とワクワクさせてくれる。
セカイ監督:そうそう。だから、会話劇のその手前にある「この設定は観たことない」を用意してあげることが大事だよね。コンテンツはもう溢れかえっているから。
マーケティング脳を身につけることがクリエイターの第1ステップ
セカイ監督:話は変わるんだけど、奈良の横顔チャンネル(奈良出身の幼馴染2人で運営するYouTubeチャンネル)はどのくらいのペースで撮影してるの?
和田さん:マジで適当。休みが合う時に撮ろう、というか「奈良横を撮るのを口実に遊ぼうぜ」くらいの感じ。
セカイ監督:あのチャンネルもいいよね。エネルギーを感じるというか。
和田さん:一応収益化はできているけど、しゅくかしの方でマーケティングとかゴリゴリにやっているので、こっちは収益は気にせず楽しくやろう、ということに落ち着いた。
セカイ監督:それめっちゃ大事だな〜。観てもらうための努力って結構面倒くさいことが多いし、本質的にやりたいことではない方が多いから、数字を気にせずに楽しいことをやる余白も大事だよね。
和田さん:昔営業をやっていた時、クリエイターの人たちが週末に公園で絵の具を投げて遊んでいたりとかして、全然意味わからんかったもん(笑)。でも、今ならちょっと気持ちがわかる。
セカイ監督:そういうクリエイターの人って後からマーケ脳を身につける人が多いから、マーケから離れたくなる時もあるんだろうね。逆に、クリエイター脳を後から身につけるって結構難しくて、クリエイターから入っている人は両方の視点で観られるから、その点ではポジティブとも言える。だからこそ、クリエイターの近くにマーケ脳の人がいると強いんだろうね。
和田さん:一人にしろチームにしろ、絶対両方必要やしね。代理店にクリエイターとして入った人も、3年くらい経ったらエゴを切り捨てることを覚えて成長しているし。マーケ脳を身につけていくことが、クリエイターの第一ステップなんやろうね。
セカイ監督:ミュージシャンにも「この部分がTikTokで切り取られたら伸びそう」と考えて作る人もいるしね。そういう売れる努力をしっかりとやり切ってから、好きなことをやっているんだと思う。一回軌道に乗るまではエゴ全部捨てて届けるぞっていう。
和田さん:本当にそこは大事。だけど、エゴが0なのもつまらないし、10〜20%くらいのエゴをどう組み込むかも、クリエイターとしての見せ所やね。
今回のインタビューの様子はYouTubeでもご覧いただけます。
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セカイ監督は「オモシロイ広告専門の映像屋」として、ユーモアとシュールさを前面に打ち出した広告動画を制作しています!
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3. 他には真似できない圧倒的な企画力
時代的に何が求められていて、どんな企画がウケやすいのか。トレンドや親しみのあるフォーマットを取り入れながらも、意外性のある作品制作に定評アリ。
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