豊かなまちづくりとは by 新越典子 / 呉工業高等専門学校(広島) #住み続けられるまちづくり
はじめに
#せかい部 ×SDGs探究PJ (住み続けられるまちづくり)で学んだことをもとに、これからの街づくりにおいて大切なことを建築学生の視点から考える。
探究テーマ「住み続けられるまちづくり」の各プログラムを通して学んだこと
〇課題のありか〔10/12(月)〕
第一回のプログラムでは、主に日本と海外の街づくりと日本の田舎が抱える問題について学習した。まず、日本のほうについて説明する。日本では少子化高齢化が大変進み、このままだと2100年までになんと明治時代にあたる3500-5000万人にまで人口が減少するというふうに考えられている。また、イオンモール(ショッピングセンター)の営業には、週末のまとめ買いをする主婦やサラリーマン、平日の放課後にデートを楽しむ学生、部活帰りの学生の集まりなどで最低7万人は必要とされている。しかし、地域の過疎化が進んでしまうと、経済の経営が難しくなるため、地方にあるこれらの施設が営業を終了せざるを得なくなるので、山間部などに住む住民たちにとって買い物することがさらに難しくなるのではないかと心配した。過疎化が促進する地方の解決策としては、お金を稼ぐことができる仕事や職業(企業)を地域に増やすこと、地域内での絆やつながりを強めること、結婚した女性が赤ちゃんを出産した後にその地域で教育を受けるのに十分な環境が整っていることなどが地域の街づくりに求められる。また、地方のお年寄りなどにも優しいAIを作成して活用する「地域のデジタル化」もこれからの過疎化が進む地域の解決策の一つに挙げられる。ただし、それには膨大な費用がかかることと、インフラを整備するのに時間がかかってしまうことが大きな課題となっている。例えば、とある地域の小中高の学校の教育方針の一環としてデジタル化が取り入れられて一人一台タブレットを活用しながら授業を受けるようになったが、それを実現させるのになんと500億円の費用が費やされた。私は、これらを学んだ時に街づくりは地形・気候・経済・教育・住民などのいろいろな状況が複雑に絡み合って構成されていることを知り、何を最優先するべきなのか考えてもわからなかったが、まず過疎化が進む地方の人口減少を阻止するためには、若者が都会に住まなくてもいいと思うような魅力がそれぞれの地域に存在することが大切であると考えた。田舎にしかない近所のおばあちゃんとの付き合い、自然豊かな地形でとれる新鮮な野菜や海鮮類、出産した女性と赤ちゃんに優しい医療制度や金銭面の補助、住空間の提供、安定した給料のある仕事の確保など、何でもいいが、それらの魅力が多ければ多いほど、若者たちも地域にIターンもしくはUターンしたくなるだろう。
この他にも東京は世界の中で最も人口が多く、人口密度も高い地域である上に、海面に近いところに位置し、狭い地形であるため、地震や津波などの自然災害のリスクが世界で一番高いといっても過言ではないくらい危険であることを学んで、大変驚いた。しかし、東京の地形についてもっと学び、どうすれば地震などの自然災害が発生した際により対処できる街づくりにするべきか、建築物の構造の視点だけでなく、都市計画の視点からも将来、学習を続け、貢献したいと思った。
海外の街づくりについては、英王室領ジャージャー島とリトアニア共和国の二つを具体的に学んだ。人口が10万人ほどの富裕層の集まるジャージャー島は高齢者率が高く、彼らの孤独と健康が課題になっている。そこで登場したのが、若い女性たちの郵便配達員とiPadによるサービスだ。毎朝、彼女たちが島の住民たちに簡単な5つの健康などについての質問をして直接データで送信するというシステムだ。高齢者の孤独を解決するのに名案であると考えた。それによって、街づくりが形成されるのも斬新な近未来的なものだと考えた。リトアニア共和国で、若者が他国に流出することが課題となっている。北海道の面積ほどの大きさで、バイオテクノロジーが世界一で医療も充実していて、国民のほとんどは大学院卒で3か国語以上話せるそうだ。しかし、物価が日本と比べて1/3と安いがゆえに給料も少ないのが課題で多くの若者は出稼ぎに出国してしまう。フィンテックと呼ばれる金融テクノロジーで新産業の企業を促して若者の流出を阻止しようと取り組んでいる。個人的には、この国には飲み屋が多く、高身長な美男美女が多いのが印象的だった。
〇 世界の農村を復興・活性化×世界農業遺産〔10/29(木)〕
このプログラムでは、東アフリカの街づくりと日本をつなげて学習した。東アフリカの牧畜をメインとする田舎のほうでは、家畜(の数)そのものが人生を表すほど価値のあるものとなっていて、彼らは幼少期から家畜と共に育ってきたため、十分な教育を受けていない。そのため、成人して社会進出した際に都市に出る青年の多くは、スラム生活を送らざるを得ない状況になっている。しかし最近は、きちんと高等教育を受けたのにもかかわらずスラム生活を送ってしまう状況になる人々が増加していることが課題である。そのため、これからの新たなゴールとして、きちんと高等教育を受けたうえで牧民として豊かな生活を送れる人々を育成することが重要となっている。この講義で出た日本で豊かな街づくりを実現するために大切なことに対する自分の意見を述べたい。有機野菜をはじめとする食材を地産地消することが地域社会の経済と人とのつながりなどの循環を豊かなものにし潤うことにつながると考える。しかしこれをさらに細分化すると、土地に余裕のある家庭でそれぞれが何かしらの野菜を栽培して自分たちで食べれば、よりいいものになるのではないかと考える。
〇 ポートランドのまちづくり〔11/07(土)〕
私が最後に受講したこのプログラムでは、全米で最も住みやすいといわれているポートランド市について学習した。オレゴン州は富山県と友好連携していて、そこに位置するポートランド市ではかつてマウントフッド・フリーウェイ計画と呼ばれる都市計画が計画されていたが、町の住民の熱意溢れるデモにより、1976年に停止された。
ポートランドがどうして世界で一番住みやすい街であるといわれているのか、私自身の意見も交えながら二つの意見を述べていきたい。
一つ目は、徒歩圏内に主要な施設が整っていることが挙げられる。徒歩圏内であることにより、町の住民の運動を促進することにつながり、エコで優しいサスティナブルな街づくりにもなると考える。二つ目は、住民一人一人が自分獅子の住む町に興味関心を持っていることが挙げられる。彼らは、“neighborhood association”を好み、町の中での生活で何か不満や不便に感じた身近な課題を集まって話し合うそうだ。日本の私が住む地域で、町に対する生活のしにくさを住民同士で集まって改善していくことを想像するのが難しかった。しかし同時にこのような行いが街を通して地域の住民が一つにつながっているのではないかと考えた。
まとめ
住み続けられるまちづくりを構成するためには、様々な視点から考えて街づくりを形成していくことが重要である。私はその中でも、豊かな街づくりを形成するために最も重要なことは、住民同士が強いつながりを持ち、それぞれの住みたいまちがあり、それらが実現されていけば、どんな環境でも地形でも、豊かな街づくりになるのでないかと考えた。つまり、「人による繋がり」それが豊かな街づくりを実現するうえで最も大切なことではないのだろうか。
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呉工業高等専門学校(広島) 新越典子
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