だれもみてない
私は某ハイトーンボイスバンドが大好きだ。出会ったのは4年ほど前。それまであまり好まなかった彼らの音楽。ある日突然魅力的だと感じてしまった。まだまだ浅い歴史である。
そんな私が愛する彼らであるが、最近売れに売れている。売れることは彼らの喜び。彼らの喜びは私の喜びでもある。当然のことだ。しかし私は抱いてはいけない心を抱いてしまった。このままさらに売れてしまったらさらに「好き〜」って言うやつが増えてしまう。別にアンチにわかでは無いけれど。有名になって大衆向けバンド(例:前前前世なバンド)に成り下がらないでくれ。曲調よ変わらないでくれ。軽々しく好き!と言わないでくれ。
私には僕らは完全無欠じゃないバンドが1番好きだけど某ハイトーンボイスバンドも好きな糞友達が居る。そいつに緑色アイコンSNSのBGMで某ハイトーンボイスバンドの曲を使われたり、鳥のSNSでの投稿をRTしたり、映え狙いが多そうなSNSで書き込まれたりするのが死ぬ程嫌いである。「ふざけんな!!殺してしまうぞ!!!」なんて本気でキレてしまう。いつしか頭がトんでしまっていたことは分かっている。ただ、ただ、好きなのに、某ハイトーンボイスバンドを1番好きではない糞寄り道野郎は死に晒せ!と思ってしまう。彼らの幸福を応援できない私は塵芥以下である。
言ってしまえば、彼らの音楽は変わってしまった。過去の作品はどちらかと言うと尖ってて毒々しくて嫌ってほど生々しい現実を感傷的な激しい音楽に描き上げていた。しかし今ではすっかり丸みを帯びた、ポップで薄っぺらな音楽になってしまった気がしてならない。「は?何言ってんの?そんなことないわ」って言われる覚悟は出来てる。そのうえで言っているのだ。この変化は大衆向けバンドに成り下がりかけている予兆なのではないかと恐れ慄いている。目覚まし時計な朝番組で取り上げられたりコーナーを持ったり、白い犬の会社のCMソングになったり、J波のラジオをやったり、売れて来ている。確実に。これ以上彼らから尖り、毒、生々しさ、痛々しさ、現実、を奪わないでくれ。幸せになって欲しいけど、幸せになってしまうなよ。
こんな戯言は、
だれもみてないから言えることだけど。