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「優しい子になって欲しいのに…」他の子によく手を出してしまう。どうすればいい? 1/2【サイン編】

今回のテーマの【「優しい子になって欲しいのに…」他の子によく手を出してしまう】は、2部構成でやっていきます。前半は、「手が出る」についてみていきましょう。後半は「優しい子になって欲しい」についてです。

第一回の質問ワークは、「手が出る」ケースだけでなく様々なことに対応できるようなエッセンスを含んだ一生モノのワークです。ちゃんと取り組めば、必ず何かが変わります。

さらに、これを使いこなせばお子さんの気持ちを理解する感度が上がり、深いところでお子さんとつながれるようになります。使えば使うほどに!もっといえば、ここを極めていくと子どもたちがどんどん、自ら育とうとする力が開いていき、自分で考え自分で動く姿が出てくるキッカケになるかもしれません!

それだけ重要なワークですので、まずは1度トライしてみましょう。

手を出す子ども。揺れる大人。

おもちゃの取り合いで。場所の取り合いで。私の膝の取り合いで。ヤキモチで。あるいは何もしてなくても。何かあると、すぐ近くにいる他の子に手を出したり、引っ掻いたり、噛んだりしてしまう。家庭だけでなく、保育園でもあるあるな光景です。

見ている大人は、心が揺れますよね。「あぁ…」「どうして…」「やめてー!」に始まり、あまりに続くと「私の何がいけないんだろう…」と大人側が自分を責めたりすることも、あるのではないでしょうか。

どうして??と考えても、そうそう簡単に理由は見つかりません。簡単ではないから、さらに大人は戸惑い、大きく揺れていきます。そう、揺れるのです。揺れることは悪いことではありません。木が、風に吹かれてしなやかに揺れることで強く根が張るように、人間も揺れるほどに、土台が強くなっていきます。大人は辛いけど!

これだけは、心の片隅に置いておいてください。
手を出すことは、良いことではないけれど、
手をだすお子さんは”悪い子”ではない。

なぜなら、手を出すことに必ず理由があるからです。
重要なのは、手を出す本当の理由を大人が分かってあげられるかどうか。分かろうとするかどうかです。これから細かくお伝えしていきます。

質問①
まずは、すぐに手を出すお子さんを見て、あなたの気持ちがどう揺れているかを味わい尽くしましょう。どんな感情、どんな想いが湧いてきますか?どんな感情も、意味があって生まれています。ありのまま受け止め、「そうかそうか」「つらかったね」と気持ちくんを分かってあげましょう。

まずはお子さんの気持ちを感じてみよう。

叩く。押す。ひっかく。噛む。髪を引っ張る。
この行動の裏にあるお子さんの想いとはなんでしょう。

おもちゃの取り合いや場所の取り合い等でよく起こることですが、果たして本当にそのおもちゃが欲しいのでしょうか。本当にその場所にいたいのでしょうか。

まずは、お子さんの気持ちを感じてみましょう。

質問②
お子さんの立場で考えて、そのシチュエーションでお子さんが手を出したときの気持ちを、感じられるようであれば感じてみてください。怒り?悲しみ?それとも?どんな気持ち・感情があるでしょうか。

子どもたちの出す『サイン』

今回の一番大切なところです。ここさえ押さえれば大丈夫!他のあらゆることに応用が効きます。どういうことかというと、手を出す以外にも、大人を困らせる行動やいたずら、元気のない感じ、自信のない感じ、長く続く大泣きやぐずりなど、ほとんどのことに使えます

これもいつかちゃんと書こうと思っていることなのですが、子どもたちは大人が幸せになるようにと願っています。言い方を変えると、

「子どもたちは、大人を育てようとしています」

親であっても、保育者であってもです。実際にそう話すお子さんも最近は増えてきているので、この解釈はそう大きくズレてはいないと思います。

で、大人を育てるために、大人に何かを気づかせるために、大人にとってちょっと難しいことやわかりにくいことを子どもたちはやってくれるようです。これを『サイン』と読んでみましょう。

サインを出すことで、子どもたちは「そろそろ気付いてね~」「あ~、いまこれについて向き合うところだよ~」と、教えてくれている。そんな感覚です。1つのサインを大人側が乗り越えられたら、例えば「手を出す」ということに関しては一旦終わり。そしてまたしばらくして、ちょっと難しい別のサインを出してきたりします。これは、乳児期から青年期くらいまでずっと続きます(大人でも、ある)

「そんなわけないじゃん!」と思われる方もいらっしゃると思います。そうですよね、僕も未だに分かりきっていません(笑)ただ、分からない方もしっくりこない方も、そのままで大丈夫です。なんとな~く、「これはサイン・・・なのかな。なにか伝えようとしてくれてるとしたら・・・」くらいに捉えると、面白い気づきがあるかもしれません。

サインを読み解く

さて。今回のケースでは「手を出す」というのがお子さんの『サイン』と捉えてみましょう。仮にこれが何らかのサインだとしたら?ひょっとするとお子さんからのメッセージだとしたら?という視点で考えてみてください。

『サイン』に対しての解釈に正解はありませんし、人によって捉え方が違います。何が正解なのかはだれにも分かりません。正解を探すというより、「お子さんのことを分かるために、事実や自分自身と向き合う。考える」という感じがよいと思います。たとえ分からなくてもいいのです。分かろうとすること、考えようとすることが、大切なのです。

質問③
「お子さんがすぐに他の子に手を出す」ということが、大人たちへの何らかのメッセージだと考えてみましょう。
そのメッセージで、お子さんは我々大人に何を伝えようとしていると考えられるでしょうか。あなたはいま、何に気がつく必要があると感じますか?思いつくかぎり書き出してみてください。

・大好き               
・つらい
・わたしを見て、わたしの声を聴いて  
・甘えたい、さみしい
・怖い
・環境的なもの(狭い、暗い、音、ザワザワ感、におい等)
・わたしを信じて           
・大丈夫だよ
・頑張りすぎないで。自分を大切にして 
・自分(大人)を傷つけないで
・過去の○○についてのメッセージ    
・あるいはもっとシンプルなもの
・あなたの幼少期に関すること     
・未来へのイメージに関すること

などなど。想像もつかなかったような何かに気がつくかもしれません。
さて、あなたはどう感じますか?

行動してみよう!

あなた自身の気持ちに寄り添い、お子さんの気持ちをイメージし、さらにお子さんの行動からのメッセージについて考えていただきました。

さて。何がみえてきたでしょうか。
あらためて、今のあなたはどんな感じでしょう。どんな気持ちが溢れてきたでしょう。お子さんに伝えたいことなど、何か浮かんだでしょうか。

次に、具体的な行動を考えていきます。
それは、「手を出さないようにするための行動」というよりも、もしかしたら「お子さんの本当の想いを分かろうとするための行動」と表現した方が心地良いかもしれません。

あなたに出来ることから。自分を犠牲にしない範囲で。あなた自身の心とからだを大切にした上で。あなたにできそうな行動、何があるでしょうか。

質問④
あなたがお子さんの立場にあるとして。先ほど想定したお子さんの本当の想いを、あなた自身が抱いています。

さて。あなたがご両親に求めることは、どんなことですか?どんな言葉をかけて欲しいですか?どんな気持ちや価値観で関わってほしいですか?
質問⑤
ここまでで、お子さんの本当の想いをあなたなりに読み解いた上で。
あなたができる具体的な行動はなんでしょう。どんな小さな一歩でも構いません。行動に移してみましょう。

まとめ

お疲れ様でした。

この”サインと向き合う”は、やればやるほど深化していきます。今まで気がつかず見逃していたような小さなサインを意識できるようになっていきます。

「子育ては親育て」とよく言われますが、サインはまさにあなた自身を育ててくれる宝物でもあります。そしてお子さんも共に、自ら育つ力を伸ばして大きくなっていくのです。まさに『共育』ですね!

まずはトライしてみてください。場合によっては、どれだけ考えてもたどり着かない感覚がしてくるかもしれません。それでも、何度も何度も向き合う。考える。やってみる。気負わずに、自分を大切に、まっすぐに。すると、子どもたちは変わります。戻ります。案外、「え、こんなことでよかったの・・・?」と拍子抜けしたりするかも??

ぜひ何度もワークを実践していただけたらと思います。


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執筆者は、森のようちえん『さんさんぽ』を主催している
保育士さんたこと、ひがしなおやです。

・自分のことが大好きな子に。
・ありのままのその子に。
・自分事で考え、自分で決め、自分で動く子に。

そんな願いを込めて、ちょっと変わった保育を実践しています。
『さんさんぽ』は横浜市近郊にて、平日毎日開催を目指し園児募集中です。
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森のようちえん『さんさんぽ』
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自分の内側から”答え”を導くセッション ライフ・デザイン・メソッド
ファシリテーターもしています。
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