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【翻訳+α】Take Over PV 解説&解釈
いよいよ決勝戦が迫る『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会、Worlds 2020。開催前に発表されたテーマソング「Take Over(継承の時)」のPVは、例年通り小ネタ満載です。少し出遅れましたが、Shakarez氏の解説をベースに、PV中の小ネタを紹介します。
オッケー、「Take Over」内の小ネタで私がネタ元をわかったものをスレッドで解説しましょう。
ほとんどわかった人もいると思います。去年の「Phoenix」ほどわかりづらくはありませんからね。
自転車で競争する2人と、それを眺めるフードを目深にかぶった人物、という場面から動画は始まります。(フードの人物の)シャツにはT1のロゴがあるので、彼の正体についてはすぐにピンと来るはず。
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T1:韓国1部リーグ「LCK」の参加チーム。昨年までは「SK Telecom T1」というチーム名で、韓国の通信会社SK Telecomが抱えるeスポーツチームのLoL部門だったが、2020年から米企業との合弁企業に運営が移った。Worldsの歴史では合計3回(内2回は連覇)の優勝経験を持つ名門
フードの人物が連れている猫が自転車の前に飛び出し、主人公は転倒してしまいます。
私は繁体字中国語を読めないので看板に書かれている文字をチェックできないのですが、自動車のナンバープレートにチャンピオン名が書かれています(レンガー、ブラウム、ルブラン、グラガス)。
※繁体字などの看板ネタについてはあきのあまき氏のブログが詳しいので、多くは割愛します
こちらも参考にどうぞ:All(?) the Easter eggs from Take Over in one place. : leagueoflegends
フードの人物は主人公に手を差し伸べ、チップのようなものを渡します
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主人公はフードの人物を追って路地に入り、「大魔王(The Demon King)」という店の前へ導かれます(「不死の魔王」の二つ名を持つFaker選手が由来)
Faker:T1のミッドレーナー。2013年にデビューし、SKTの3回の優勝時はもちろん、今もT1で現役を続ける伝説的なプレイヤー
※「大魔王」ロゴの左にあるチキンは2015年のSKT優勝時インタビューで「賞金は何に使いますか?」と聞かれたFaker選手の答え「チキンをしこたま食べるか、貯めておくかです」に由来。そもそもフライドチキンは韓国で非常にポピュラーなファーストフードでもある(参考)
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※「大魔王」ロゴの右にあるブロッコリーもまた、2015年のSKT優勝直後にステージでブロッコリーを食べたことに由来(決勝前のインタビューで「優勝したら表彰式でブロッコリーを食べます」と宣言していた)。つまりこの店の本業は、フライドチキンとブロッコリーを供する飲食店なのかもしれない。ブロッコリーを食べるシーンはWorlds 2016テーマソング「Ignite」でもネタにされている(2:36~)
主人公が店内に入りチップを挿入すると、バーチャル世界へと誘われます
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主人公の最初の相手は? カサディンを操るシーズン1の世界王者、xPeke選手です。
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xPeke:スペイン出身で、ヨーロッパの伝説的なプレイヤーのひとり。シーズン1はFnaticに在籍して初めてのLoL世界王者となった。2013年、シーズン3のWorldsではカサディンでのバックドアで何度もチームに勝利をもたらした。その後は自分のチーム「Origen」を立ち上げてヨーロッパのプロシーンを席巻した。
主人公は敗北します。フードの人物はチップを拾い上げて手渡すと、フードを脱ぎます……こうして彼がFaker選手だということがはっきりします(ここまででわかっていなかった場合ですが)
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主人公はバーチャル世界に戻り、xPeke選手を打ち負かします
次の相手は? シーズン4世界王者のMata選手が、シグネチャーピックのスレッシュで登場します
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Mata:2014年に地元韓国で開催されたWorld Championship優勝チーム「Samsung White」でサポートを務めた。その後もベテランとして中国や韓国の名門チームで活躍する。2020年は中国の「Royal Never Give Up」でコーチを務めている。
主人公がMata選手に打ち負かされると、古典的なアーケードゲームのようにステージ1のxPeke選手からやり直しになる、ということに気づきますね。歌詞もちょうど「Run it back, run it back, run it back now(まだやれる まだやれる まだやれるんだ)」のフレーズを終えたところです。
2回目の挑戦で主人公はMata選手に勝ち、次に進みます。
3人目の相手は? ザヤを操るJackyLove選手(シーズン8世界王者)でしょう。壁にiGのロゴがあり、地面に刺さった羽根を呼び戻すスキルが描写されています。
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JackeyLove:韓国開催だった2018年のWorld Championship優勝チーム「Invictus Gaming」でADCを務めた。優勝時の年齢は17歳。2020年はTop EsportsのADCとしてWorldsに出場する。
4人目の相手。Samsungの誰でしょうか?左側にSamsungのロゴがちらりと映り、相手チャンピオンはガリオのようですね? エイトロックスのようにも見えますが、近づいてきた時にガリオだとわかります。地面に写る影は、王冠をかぶっています。
たぶん、Worlds 2017でガリオをプレイしたSSGのCrown選手です。
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Crown:中国開催だった2017年のWorld Championship優勝チーム「Samsung Galaxy」のミッドレーナーだった。2018シーズンまで韓国1部リーグでプレイした後に渡米した。ビクター、シンドラ、オリアナなどのプレイで知られる。現在は韓国2部チームに所属する。
5人目の相手。ケイトリンを操るTPAのBebe選手です。Taipei Assassinsのロゴが武器に刻まれています。TPAはシーズン2のWorld Championshipで優勝しました
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Bebe:2012年のWorld ChampionshipにLMS代表チーム「Taipei Assassins」のADCとして出場、優勝した。この年から強豪と名高かった韓国代表チーム「Azubu Frost」と決勝でぶつかることとなったTPAは、徹底的に集団戦を避けて3勝1敗で優勝を決めた。プロ選手としては2014年に引退し、現在は配信者。
6人目の相手はジャーヴァンⅣの武器で描写されているのでAmbition選手かと思えますが、槍が飛来する場面で左側にSKTのロゴがあるので、Bengi選手になります(SKTはシーズン3世界王者)
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Bengi:2013年・2015年・2016年のSKTのWorlds優勝時全てでジャングラーを務めていた。Faker選手をひたむきに支えるプレイで知られる。2017年に引退後はコーチに転向している。
さあ、最後の相手です。主人公は打ち負かした敵たちの武器を全て集めました。彼の前に立ちはだかるのは、リー・シンを操るFPXのTian選手、昨年(シーズン9)の世界王者です。
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Tian:2019年のWorld Championshipで優勝した「FunPlus Phoenix」のジャングラー。2015年のMSIで憧れのClearlove選手を見て、プロになることを決意したという。
主人公は集めてきた武器をTian選手に対して使いますが、やられてしまいます
最後にはTian選手に負けてしまう主人公は、武器を全て捨てなければなりません。武器を捨てても、経験は消えないのです
Drakos氏のツイートと解釈も素晴らしいです(訳注:後述)
リー・シン同士の1v1です(第5試合はブラインドピックに戻らないかなあ)
※かつてのLCKでは、Bo5が2-2になると最後の1試合はドラフトピックでなく、ブラインドピックで行われる制度があった。この制度から、Faker選手とRyu選手のゼド同キャラ対決などの名場面が生み出された。現在は廃止されている。
Tian選手に勝った後、主人公はスタジアムにて、冒頭で自転車競走の相手だった女性と相対します。主人公のチップが青色なのに対して、彼女のチップは赤色です(青・赤はサモナーズリフトでの各チームの色)。彼女もまた、課された試練を潜り抜け、次なる敵として主人公の前に立ちはだかったのです
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動画の最後では、Faker選手がスマートフォンから、おそらく彼らの戦いを見ているのでしょう
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途中でこれを入れ忘れたのでおまけです。Faker選手が見ている配信には、LoLコミュニティの有名人たちが多く登場し、主人公を応援します
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brTT(ブラジル)
Sneaky(北米)
Wolf(韓国)
Clearlove(中国)
Imaqtpie(北米)
Jovirione(ブラジル)
Rakin(ブラジル)
Narkuss(フランス)
Madlife(韓国)
Uzi(中国)
Toucan Celeste(フランス)
Phreak(北米)
チャットで自分自身に関連した文句を残していっています(「rexpeita」、「this is peak league of legends」など)
Drakos氏の解釈
Shakarez氏が言及したDrakos氏の解釈についても、ツイートの翻訳をつけておきます。長年の観戦ファンなら、彼の意見にきっと共感できるはずです。
これが意図された物語なのかはわかりませんが、私から見た「Take Over」の解釈を述べていきます。
プロになりたいという若者の前に、偉大な先人たちが立ちはだかります。先人たちを打ち負かすとともに、彼らから学んでいかなければなりません。とてもシンプルな筋立てですが、私には大いに共感する理由があります。
この物語は、あらゆるプロの物語だと思います。LoLは進化を続けるゲームです。パッチノートやゲームの変更点はもちろんそうですが、プレイヤーも上手くなろうと努力しているのです。
「オブジェクトにフォーカスしたゲームプレイ」が発展途上だった頃を知っています。進化の末に、誰もが取り組めるプレイになったのです。
Diamondprox選手とカウンタージャングル。ひとたび立ち現れたそれは、ずっと存在しています。
InSec、それは過去にハンドスキルの頂点のひとつでした。リー・シンプレイヤーであれば必須の動きになっています。
Mata選手によって再定義された視界コントロール。ワード設置を上手にやれているのなら、おそらく彼のテクニックが源流です。
Faker選手はかつて、そして今もGOATです。たとえWorldsに参加していなくとも、彼のプレイを見たという理由でLoLをプレイしている人間が、私たちの中には一体何人いると思いますか? Uzi選手、Rookie選手、Caps選手? 私たちは皆、誰かの背中を追っています。プロになろうとしているのならなおさら、こうした先達から学んでいるのです。
※GOAT:Greatest Of All Timeの略。その分野で最高の人物を指す。
この歌が好きになれなくても、描いている物語、少なくとも私の解釈は好きになってほしいと思います。これは私がLoLを愛する理由の核心、ゲームの進化を表現したものだからです。
最後のシーンで主人公はTian選手に勝利します。このシーンが私は一番好きです。
なぜなら、全ての武器、全ての技術はここまでの道筋で学んだからです。主人公はそれらを捨て去ります。Worldsに優勝するために、最強になるために、伝説になるためには、進化せねばなりません。Mata選手やxPeke選手、InSec選手やRookie選手そのものになることはできません。LoLの進化の中で、さらなる跳躍を遂げなければならないのです。
まあ、私が騒いでいるだけなんですけどもね。私たちが今いる場所に至る道筋を考えると、ひどく感情的になってしまうんです。
参考・関連リンク:
Shakarez氏のTwitter
Leaguepedia
Worlds 2020に合わせて発売されたスマートフォン「OPPO Find X2」のプロモーションで、LPLのスター選手たち(SofM・TheShy・JackyLove・Doinbの4選手)をフィーチャーしたこのPVもとてもカッコいいので、ぜひ見てみてください!
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