介護の終わりに(22)
「介護」という単語を聴いて、最初に思いつくのはおそらく「下の世話」だろうと思う。
とはいえ、いろいろあるのだ。ほんとうにいろいろと。人の認知のバラエティに驚かされる。
義母は、確かにトイレの失敗もしていた。それは、私もきつかったし、夫もかなりこたえていたと思う。
しかし、義母はトイレの失敗は少なかったと思う。毎回毎日起こらなかった。
もっと言うと、私が忘れているのかもしれない。
義母は、トイレの失敗というよりも、紙パンツをトイレに捨てることがあった。
仕方ないのだ。わかっている。
そういうときは、私がトイレを何とかする係に立候補した。そうでないと、ぐちぐちと言っているうちに、義母を怒り倒してしまいそうだったからだ。
夫は、義母に穏やかに失敗を伝える係だった。この係は夫に向いていたのかもしれない。この係の仕事が、功を奏することはあまりなかった。つまり、失敗した原因を解明して、義母に伝えても次回以降の改善にはならないのだ。
でも夫はそれで、許せたから、この係には向いているのだ。
さて、私。
同じような経験をする人がいるかもしれないので、書く。
介護を始める、とくに「下の世話」をするときの必需品は、これだと私は思う。
Amazonなら、「キュッポン」でも検索できる。でも、正式名称は「ラバーカップ」という。これを買うべきだと思う。
これをトイレに使用し、取り除くべき紙パンツを取れる位置に引き出すのだ。
認知症の人たちで、よほどの重症の人は別だろうけれども、最初からトイレに手を突っ込んで汚物を取る、紙パンツを奥へ押し込むという人は多くない。義母もその一人。
もちろん、ゴム手袋は長いものをはめる。
こういうのがいいと思う。色じゃなくて、長さ。レビューもかなりよいし。
このようなものを使って、水を吸って重くなった紙パンツを回収する。
この時、バケツがあったほうがいい。
これが使いやすいと思う。丸型より角型。
そうだった、そういう苦労があった。思い出した。