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風穴をあけろ!50歳まだヒットを狙うミュージシャンの軌跡⑲サービス精神と反骨精神(7話まとめ) SEiZI/晴志

サービス精神=誰かに喜んでもらうため頑張る。
反骨精神=誰かや何かを見返すために頑張る。

今回はまとめ。

確かにどちらも「成長する」という意味では効果はあるよね。
自分の体験(自分史)を見てもそんな気がする。

「誰かに喜んでもらうため頑張る」ってことは、
俺たちミュージシャンなら主体はお客様、オーディエンス。
そのみんなが楽しんでもらえるようになライブをする。
ライブはファン(お客様)のもの。
(昔はファンと言っていたが今は何様だと思うのだ。お客様だろ!と)

ミュージシャンじゃない人は「例えば」を考えてみてよ。
「両親を喜ばしたいから勉強やスポーツを頑張る」
そういうことなのかな?

プロミュージシャンになってから、もちろんそう思ってやってきてたが、
結局は・・・
誰かや何かを見返すために頑張る。
だったような気がしてならない。
「どうだ!俺、すごいでしょ!!??」的な気持ちというか
「ほら!?見たか?お前には無理だろ?ざまぁみろ!」とかそんな感じかな?
未熟だったなぁ・・・。

誰かに喜んでもらうため頑張る」
ってことを自分に落とし込めたのは
この10年の東北の活動に間違いなく原点があると思う。

ずっと東北に通い続ける中で、たくさんの経験やドラマがあった。
結局、みんなと約束した「売れる」ってことはまだかなえられていないけれど・・・。それだけは悔しいなぁ・・・。

いわゆる、ライブハウスやライブバーでのライブっていうのは
ある意味、かなり限定される音楽好きな人たちが来てくださるわけで
ある程度の演奏が出来れば評価は得られる。
が、意外と見落とし勝ちなのが、それこそTVにでも出ない限り
子供たちやおじいちゃんおばぁちゃん、ライブに興味のない人達には届かない。

無料の野外イベントなんかは、ランダムにいろんな人に見てもらえるが
「一期一会」がホントに「それっきり」それだけで終わってしまうことが多い。

仮設住宅に通うことで、
意外にも自分たちの音楽が受け入れられることを知れた。
逆に薄っぺらい上辺だけの歌や人間はすぐに淘汰される。
見透かされるのだ。
それもものすごく理解できた。

俺たちはとにかく思いつく限り出来ることをした。

募金や支援金はもちろんだが、全国をライブで回ってる俺たちだ。
東北のことを全国のみんなに生で伝えていこう!と思った。
テレビではやらない、リアルな声や問題や現状を伝えよう!と。
そのあたりは、また今後も書いてゆくつもり。
本当にテレビなんかでは取り上げられない事を俺たちはたくさん知ったよ。

以前にも書いたが、旅を続けていると全国の人たちが「今、東北はどうだ?」と聞いてくれるようになってきた。
「俺たちに何か出来ることはないか?」
その言葉に答えるように始めたのが
「復興地の子供たちに、みんなが使わなくなった楽器を持って行ってプチROCK教室をやろうぜ!プロジェクト」だ。
(命名は俺(笑)わかりやすいかな?と)

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全国ツアーを回る中で、使わなくなった楽器、壊れた楽器を集めてメンテナンスをし(ボランティアでメンテナンスをしてくださるリペアの人も増えた。すごくありがたい)俺たちが直接、東北の「音楽に興味がある子供たち」にそれを届けて、さらに「その場で子供たちに弾き方を教える」のだ。

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子供たちが音楽を始めるきっかけになれば・・・と。
70本くらい持って行ったかな?ギターやベースだけでなく、ドラムセットや
音響機材なんかも寄付した。

俺のハイエースはいつも、全国から集まった楽器と
東北に持っていく楽器でいっぱいだった。

中には
「なんで新品じゃないんだ?」
「新品の楽器送ってやればいい!」って声もあったが
それじゃ意味がないのだ。

「復興っていう意味」楽器も復興させるのだ。
そして、楽器を託してくれた人と子供たちを俺たちが直接つなげる。
そして、その場で子供たちと一緒に演奏するのだ。

これは俺たちにしかできないでしょ?

その流れで始めた全国の東北を応援する人たちと仮設住宅のみんなとの「交換日記」これも5冊くらいになって行った。

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俺たちが初めて石巻に行った日に出会った、津波で母親を亡くした当時小学校6年生だった少年。彼の話はどこに行っても曲間のMCで話した。

その話を聞いた大阪の居酒屋のおやじさん(勝詩兄さん)が作詞作曲した
「Dereウルトラマン」
居酒屋さんのおやじさん(勝詩兄さん)といっても、元メジャーで活躍してた立派なミュージシャン。
「俺たちはなかなか直接東北に行くことが出来ないから、通い続けてるお前らが、この曲を全国で歌ってくれ!著作権なんてどうでもいい!お前らに託す!」と。俺たちはこの曲をソーセージのバージョンにアレンジした。
でも、この親父さん、数年後に突然、天国に逝ってしまったんだ。
俺たちは、棺の横で泣きながらこの曲を歌った。
そっか「勝詩兄さん」はウルトラマンになったんだ!!この時に初めて気づいた。
「この声が届きますか?あなたを呼ぶ声が!」

「Dereウルトラマン」俺たちの本当に大切な曲になった。
震災後の東北の映像と共にぜひ見てほしい。(あの頃を思い出したくない人はスルーしてくださいね)

津波で母親を亡くした当時小学校6年生だった少年のことと、この曲と「勝詩兄さん」の話はまた改めて書こうと思っている。

俺たちは全国でたくさんの熱い思いを受け取って東北に通い続けた。


「東北を一生懸命応援し続けるお前らだから、俺たちはファミリー上げてお前らを一生懸命応援する。だから絶対ブレんなよ!!」
俺たちがHOMEにさせていただいてる「横浜蒔田Abeem」マスターから出会ってすぐに言われた言葉。

そんな言葉たちが俺たちを突き動かした。

中には心無い言葉や「誹謗中傷」「風評被害」もそりゃあったよ。
俺たちはそんな奴らを「得意の言葉」で笑い飛ばした。
シンガーソングライターなんだもん!そんなのは一蹴だよ。

「偽善者」→「悪者よりましだろ?お前よりは求められてるよ」

「売名行為」→「ミュージシャンの仕事は売名行為だ。売名行為のできないミュージシャンはミュージシャンじゃない。家でオ〇ニーでもしてろ!しかも、ホントに売名したいなら家族4人しかいない仮設住宅に行くかよ!?」

「みんなで幸せになる、なんてできっこない」→「”そんなの分かっていながらみんなが幸せになることを見つけよう!”って歌ってるじゃん」

「東北の前に家族だろ?」→「俺の家族に不満かどうか聞いてみたら?」

ま、やっかいな奴らもいたけどね・・・。
いろんな考え方、あるよね!って。
壮ちゃんが言った。
「俺たちには発信機能は付いてるけど、受信機能は付いていない。チャンネルを合わすのはあなた。嫌ならほかのチャンネルへ」

でも、これって核心かもね(笑)

俺たちは被災した当事者じゃない。
だから「家族や家や大切なものを失った人たちのリアルな悲しみはわからない」
でも、この10年間、何百人もの悲しみを俺たちは直接聞いてきた
東北の人たちは我慢強い。
「うちだけじゃないから。みんな大変だから」と最初の2年くらいは、みんな震災当時の話はしなかった。

俺たちが通い始めて5年位したころかな?
みんな、急に当時のことを話すようになった。
俺たちのことを信用してくれたのだ。

その頃が、一番すごく辛かった。
俺は人知れずずっと泣いていた。
「ものすごい数の悲しみを聞いた」

当事者の口から直接語られる当時の話は、TVなんかでは伝わらないリアルなものがある。

東北での活動のことは書ききれないし
これからも何度も自分史に書くだろうな、と思うよ。

熊本震災があったときに、ちょうど九州ツアーを予定していた。
震災直後は「音楽」どころじゃないし「邪魔」なだけだ。
まずは復興作業が優先。
俺たちは九州ツアーを延期した。
ところが、だ。

俺たちの東北の活動を見ていた人たちが
「逆に今だからこそ、来てくれ!歌ってくれ!そして全国に伝えてくれ!」と。意外だった。
俺たちは九州ツアーを決行した。
こちらでも「音楽」や「エンターテイメント」が人が生きる糧になることを体感した。

さて・・・

サービス精神=誰かに喜んでもらうため頑張る。
反骨精神=誰かや何かを見返すために頑張る。

でも、「反骨精神」に対して「サービス精神」ってなんか違うんだよな。
「〇〇精神」4文字熟語で何かないものか・・・。

結局、どっちでもいいのだ。(ここにたどり着くとは思わなかったが・・・笑)

ただ、「誰かのために頑張ること」のほうが、いろんな派生が生じる事はあるかもしれない。

そして、それは、「人のあたたかい心」で派生するということ。

反骨精神では「それ」はあんまりないかな?。
俺はそう感じてる。



結果、
「これからも誰かの力になるような、

誰かの背中を押してあげられるような
そんな歌を歌っていきたい」
と思うよ。



さてさて・・・

ソーセージ”B-sideStory”の一環で始めたこの「自分史」
間違いなく、振り返りと確認作業になってる。
そして、これから、どこに向かって行けばいいのか指標も見えてくるんじゃないかな?と思う。

「B-side Story」ソーセージ3人のそれぞれのミュージックビデオを発表しよう計画「第二弾!!」

平野壮「ヒーローになりたかった少年の唄2021」(2021.07.04)MV公開しました。

壮がかつて所属していた3ピースバンド
「がきおやじ」の代表曲である『ヒーローになりたかった少年の唄』。
ファンも多いこの楽曲が、歌詞もリズムもこの時代に向けたメッセージと共に生まれ変わりました。
歌、音、リズム、歌詞、映像と世界観、全てに注目していただきたい渾身のMusic Video。
是非とも、4K映像でお楽しみください

ロックバンド ソーセージ” B-side Story"第ニ弾となる映像作品
『ヒーローになりたかった少年の唄2021』

第一弾の映像作品 セイジの『風穴』と共に見ていただけたら!
第三弾の映像作品には N@音のMVが8月1日に発表になります!
そちらもお楽しみに😁

ロックバンド ソーセージのHPです。
俺たち、こんな奴らです(笑)よろしく!!






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