風穴をあけろ!50歳まだヒットを狙うミュージシャンの軌跡⑨プロの転校生(後編の後半) SEiZI/晴志
転校生の日々も、まぁ、1年も経てばすっかり慣れて、それなりに勉強もスポーツも成績優秀だったので、友達も増えたよ。
敦賀市のマラソン大会に出るのに、毎日、朝晩と走り込んでいた。
親父が自転車で伴走して、朝3キロ。夜も3キロ。
敦賀市が主催したマラソン大会小学生の部
11位だった。
悔しかったなぁ・・・。
10位以内に入りたかったのに。
でも約500人中11位だからかなりいいほうなんだけどさ・・・。
でも実は俺は「サッカー」をやりたかったの。
でも田舎の小さな港町、そんなカッコいい(当時はサッカーは都会の子たちのもの)団体はなかったね。
それと同時に格闘技がやりたくてさ。
あの頃は「空手バカ一代」「あしたのジョー」「がんばれ元気」
入り口はたくさんあった。
「アラレちゃんの地球割」は頑張ればできる気がしてた。
友達のボクシングジムにも見学に行ったが、うちはそんなに裕福ではなかったし、まずは「勉強しろ!」って感じだったので、俺はストリートで鍛えるしかなかった(笑)。
「ジョー」が豚を殴れば野良犬相手に戦った。
「元気」が石を空に放り投げて華麗に避けるなら、俺も石を空に投げボコボコになり、動体視力を鍛えるために、雨をパンチしたり、必死でハエを素手でつかもうとした(笑)
でも何よりも実践。
とにかく、「喧嘩」をした(笑)
ブルース・リーがヌンチャクで敵を倒すのを見て
「サランラップの芯でヌンチャクを作った」
おかげで今でもヌンチャクはうまい。
ただ実戦は一度もないし役に立ったことがない。
ジャッキー・チェンが華麗な空中殺法をするのを真似て
必死でバック転やバック中の練習をした。
成果もあって「器械体操の選手」に選ばれた。
でも俺は、格闘技をやりたかったのに(泣)
なんでやねん!!
世間は、「ナメ猫」「ツッパリ」「横浜銀蝿」「カツアゲ」「リンチ」「タイマン」そんな時代になっていった。
新日と全日が割れ、維新軍と正規軍が火花を散らしていた。
体は小さかったが、とにかく運動神経はよかったので、正直、割と喧嘩は自身があった。
「俺は多分、タイガーマスクになれるな!」
小学校5年生。
また次の転校が来た。
勝負だ!!「今日から俺は!」だ、まさに。
転校初日、俺はギラギラのオーラを放ちながら廊下に立っていた。
「どっからでもかかってこいや!!」
隣のクラスのやんちゃ共が七人で俺を囲んで言った。
「お前が転校生か」
イチャモンを付けてくる。
で、一番ちっちゃい奴が俺の顔にピンポン玉を投げつけてくる。
他のやつは割と強そうだ。
おれはこのピンポン玉を投げてくるちっちゃい奴にターゲット絞って
胸ぐらを掴んだ。
と、思ったらアッという間に、周りの奴らに抑えつけられた。
みんな見て見ぬ振り。
誰も助けてくれないし、遠巻きに見てるだけ。
そこに現れた、「正義のヒーロー山ちゃん」
彼は同じクラスだった。転校初日だからすぐにはわからなかったけどさ。
彼は何も言わずに、そいつらを制し、俺の肩を抱いて、そいつらから助けてくれた。
俺、悔しいのと嬉しいのでうかつにも泣いてしまった。
すごく恥ずかしかった。
「俺、全然強くねぇ(泣)でも、山ちゃんはすっごい強い!!」
かっこよかったなぁ!山ちゃん!!
ま、その後もいろいろあるんだが・・・
話せば長いし、波乱万丈さ、いつだって。
でもあの時に俺決めたんだ。
「もう絶対に負けないし、絶対に諦めない」ってね。
その後、またまた転校するんだけど
なんと!!
「その山ちゃんに35年ぶりくらいにfacebookで再会するのさ!!」
で、金沢まで来てくれて一緒に飲んだのさ。
山ちゃんはあの日のことも覚えていてくれてさ。
去年のLIVEにも家族と来てくれた。
俺はあの転校の初日に決めたのさ。
「俺は山ちゃんのような 強くて優しい男になる」
ってね!!
俺の中で最高にかっこいい男
「正義の味方のヒーローはずっと山ちゃん」なのさ。
あとさ、転校繰り返してきて会えないと思ってたから
「SNS」すごいよね!!
SNSは風評被害や誹謗中傷なんかもあるけど、
「会いたかった人と会わせてくれる」すげぇいいこともあるんだぜ😁
今日はここらへんで、またね!
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