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リアルすぎてむしろ怖かった「テレワークマナー」

たまたま目に留まった「劇団テレワーク」

 ある日Twitterのタイムラインに流れてきた、「劇団テレワーク第0回公演 『ZOOM婚活パーティー』」の文字。この状況下でことごとく土日の予定が潰れてしまっており、時間を持て余したので観てみた。まさに実験中という感じで、完成度がめっちゃ高い!という訳ではないが面白いことになりそうな予感がプンプンだった。

 そしてこの動画を発信したコンテンツスタジオCHOCOLATE Inc.は、その後正式に「劇団テレワーク」を旗揚げした。なんとなく、面白くなるんじゃないかと思って情報を追いかけることにした。

テレワークで接待をするからマナーを叩きこむ

 そして劇団テレワークの第1回本公演として4月19日(日)に配信されたのが、『最高のテレワークマナー』だった。話は新入社員2人を中心に進んでいく。急遽新入社員研修がZOOMを通して実施されることになったようで、どうやら取引先との接待に出席することになったらしい。しかも今晩。先輩の話や先輩社員の様子から不安を感じつつ、研修が始まる。

ソーシャルコミュニケーションデザイナー

エグゼクティブプレミアムマナーコーチ

バーチャル背景アナリスト

このような肩書の講師たちが新入社員にZOOMで接待を行うにあたってのマナーを叩きこんでいく。上半身しか映らないのだからそこに全力を注げとか、最初にお茶を勧めろとか、バーチャル背景を使って相手を楽しませろとか…
 少し個性的な講師による独特の教えを受けて、要領よくこなそうとする夏目と、どこか違和感を抱えて困惑する町田。そして最後に登場した先輩社員の佐久間の教えによると、発言が他人と被ってしまわないように発言前には「ネットワークいただきます!!」、発言が終わったことを示すために「オーバー!!」と大声で叫ばないといけないらしい。
 そんなこんなでなんとか研修を終えた2人の新入社員。果たして接待はうまくいくのか…?

笑えるんだけど笑えない

 講師の肩書やそこで教えられるマナーは、思わず「そんなバカな」と鼻で笑ってしまうようなものばかり。しかし、相手を想ったものだけでなく、誰のためかわからないような重箱の隅をつついたようなマナーをよく見聞きする現代の社会を考えると、あながちフィクションでもないように思えるのだ。また、考えられないようなマナーが本当に必要かのように錯覚させる要素の一つは講師や先輩社員の高圧的な態度。いわゆるブラック企業で行われていそうな、洗脳的な指導だった。大声で理不尽に怒鳴られたり、意味不明な文章を復唱させたりたりすると、次第に冷静な判断を失っていく。そんな現代の社会が、そう遠くない未来に変化してそうな様子を描いたのが今回の公演だった。

劇団テレワーク 第1回本公演 『最高のテレワークマナー』

https://www.youtube.com/watch?v=FrvWkRBhHmc
※なぜかこの動画だけ埋め込みできないのでテキストリンクで勘弁…

次の公演も楽しみにしよう。

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