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パラボラアンテナの向きを直す

「パラボラアンテナの向きを直して?」

こんな無茶振りありえません。が、先日、実家に帰ったら母親から注文されました。埼玉県の端っこにある実家に1ヶ月半ペースで帰り、同級生の床屋に足を運ぶ習慣があるんですけど、今回は散髪の前に済ませないと。母曰く、庭の木が伸びまくったから、近所の植木職人に枝切りを頼み、そのとき、パラボラアンテナの向きを変えてしまったと。でも、最初に疑うべきは、

「TVのケーブルが抜けただけでは?」

が、TVの裏面見ても正しい配線。TVでBSチャンネルに切り替えると、

「電波が弱い」

との表示。これは台風クラスの大雨が降ると表示されると言われ、やはりアンテナか。

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しょーがなく、屋根にのぼり、パラボラアンテナと対面。

「案外、大きいな」

そして、地上から、母、

「向こうの家の屋根のパラボラアンテナと同じ向きにして!」

川の反対側の屋根を指差すが、目の前にあるのはラジオのアンテナでなく、正確性が必要なパラボラアンテナ。遠くのアンテナ見ながら平行にしようと試してみること1分。

「こんなんでTVが映るわけない。どうしよう...。」

と途方に暮れる。カラスの鳴き声が、胸に刺さる。犬の散歩中の近所のおっさんが、何してんだろう。という冷たい視線が刺さる。

都内のマンション暮らしが長くなったため、忘れがちだけど、BS/CSのS(エス)は、Satellite(サテライト:衛星)のSだった。と、屋根の上で空を見上げ、見えないはずの衛星の方向を眺め、しばし、考える。必要なのは正確な向き。

「そうだ、スマフォでググろう」

で、すぐヒット。受信地域別の方位が見つかり、

「どうやら埼玉は、方位角224.1〜2らしい」

方位さえわかれば、コンパスの出番。これまた忘れられがちだけど、iPhoneにはアップル純正のコンパスアプリが入っている。

このアプリを最後に起動したは確か恵方巻き...。パラボラアンテナの突起パーツにiPhone乗っけて、224.2にググっと向きを変える。

「映った。凄い!」

との声が地上から聞こえる。「仰角(ぎょうかく)」が変わってなくてよかった。と安堵。そして軽い達成感。

最近のスマートフォンに関するニュースといえば、カメラが凄い。5Gに対応。AI活用ができる高性能チップなどが多いけど、ごくごく初歩の十徳ナイフ(死語?)的な素晴らしさを改めて感じた。その後、床屋でネタとして喋り、いつもの世間話をしながら、髪さっぱり。充実した日でした。

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