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おばあさんとの思い出

私のたどってきた道のイメージ|sekun #note https://note.mu/seiyakun/n/nffd94ad5c244

の幼少期の話

私がまだマサラタウンで暮らしていた頃、マサラタウンから外に出て色々な場所に行けるのはとにかく新鮮なことだった。今から思えばマサラタウンには本当に何もない。何もないことが魅力。そんな町から外に出るというだけでも胸が踊ったものだ。小学校の先生は当然その町の外から来る人ばかりなのですが、小学校の先生が少し疎外感を覚えてしまうほど閉ざされた町でした。先生が外の常識を教えてくれても、町の小学生は当時、まじめに聴いていなかったことでしょう。私もその一人でよくおこられたものでした。

さて、そんな私が町の外に出るときのほとんどはおばあさんと一緒に病院についていく時でした。おばあさんはよく病院にいっていました。私の目にはおばあさんは健康体そのものでした。それなのになぜ病院に行くのだろうと思っていました。当時のんきな私は「きっとわたしを外に遊びにつれていってくれるためにわざと病院にいってくれてるんだ」と思っていました。よくよく考えるとおばあさんは薬をよく飲んでいたので別に健康じゃなかったんだろうなって思いますが、それでも私に優しく接してくれるおばあさんの姿が今でも目に焼き付いています。

小学生の頃、おばあさんと過ごす時間が楽しすぎてずっとこの時間が続けばいいのにって思っていました。だから外に出ることは本当にたまにでよくて、その町で気楽に過ごせればいいと思っていました。

私は小学生の頃本当に運動音痴で足がすごく遅かったのでかなりバカにされていました。そして走ることが嫌いになりました。その時の経験から、何か人より劣っていることがあると、それをやらなくなってしまって、それをやらないということが、劣っていることを加速させてしまう、要するに負のスパイラル、簡単に言えばできるやつはできるけどできないやつはできないということを感覚的に学んでいました。バカにされないように何か人から評価されることを探さなければならないと強く思っていました。

小学生のころのおばあさんは今から考えれば私のことをバカにしない人物でした。勉強ができなくても、運動ができなくても、怠けていても、いつも家でごろごろしてても何も言わない。そんな人でした。傷ついて帰ってきたときは優しく迎えてくれました。

私がなりたい人物像はそのような人なのかもしれません。私はおばあさんの言うことは自然と聞いていました。いい思い出しかないのです。おばあさんみたいな人になるのが夢かもしれません。おばあさんが昔どんな人だったか全然知らないですが、私はそんな人に憧れます。楽しい思い出を提供できるような人物になりたいです。

おばあさんは私に勉強を教えてくれたわけでもなければ、スポーツ万能にしてくれたわけでもありません。しかし、私を外に連れ出してくれました。本を買ってくれました。おもちゃを買ってくれました。カツ丼やうな重を食べさせてくれました。勉強しなさいっていいませんでした。偉い人になればいいって言いました。このような思い出が私の幼少の頃の人格をつくっていったのでしょう。

偉い人になるために勉強をしました。勉強はなんでするのか?偉い人ってどんな人なんでしょうか?みんなから尊敬される人でしょうか?偉そうにふんぞりかえる人でしょうか?権力を握ってたくさんの人を扱える人でしょうか?

○偉い人をどうとらえるか

今の私は自分の指針や方向性を自分で決めて、それを忘れないように行動して、自分を生かしてくれているものに対して敬意を示し、可能な限り恩返しをしていける人だと思っています。私はまだ方向性が定まっていませんが、そのような人になりたいと思います。努力の量は全然足りていなくて甘い生活を送っています。文句ばっかり言っています。きっとおばあさんはそれでも許してくれるからです。私は許すことも大切なのではないかと思うのです。多少うまくいかなくても許す人がいなかったら、その人を追い込んでしまいます。逃げ込むスペースが必要だと思います。もちろん身が砕けるような努力をする人を否定しているわけではありませんが、自分の現状やまわりの環境の不満をぶつけるだけではなくて許していけるような精神性もときには重要な気がします。

誰しもトラウマを乗り越えるためには許されることが必要でしょう。同じことを繰り返してしまう人を見ても見捨てない人がきっと必要です。公共の精神の根幹には許せる強さがあるのではないでしょうか?おばあさんは私にとって許してくれるヒーロー(ヒロイン?)だったのかもしれません。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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