☆バンコマイシン
・細胞壁のペプチドグリカンのD–アラニン同士の結合をターゲットにして細胞壁合成を阻害します。
⇨ペプチドグリカンの構造がD–アラニンーD–アラニンではなく、D–アラニンーD–乳酸などに変化していると、バンコマイシンが結合できないため耐性菌となります。
・消化管吸収はほぼされないやめ、CD腸炎で用います。
・MRSA感染症の第1選択です。
・副作用:聴力障害、腎障害
・急速に投与するとred man syndromeを起こしうるため緩徐に投与し抗ヒスタミン薬の予防投与を行います。
≪注≫red man syndrome:IgE非依存的にマスト細胞からヒスタミンの脱顆粒を起こし、その結果血管拡張による発赤、低血圧、頻脈を起こします。
・TDMの対象で、AUC24/MICを400〜600とします。
≪注≫AUC:Area under the curve=濃度時間曲線の曲線下面積
MIC:minimum inhibitory concentration=最小発育阻止濃度