直近の医師国家試験:整形外科
解剖 ☆☆
正解はaです。腕を組む動きです。
94A50に以下の問題があります。
正解はdです。拘縮(contracture)は関節周囲の構造の異常によって関節可動域が制限される病態です。
a:Parkinson病などで見られます。関節を動かそうとすると筋収縮のために抵抗があるという所見。
b:関節の石灰化などによって関節可動域が制限される状態。
c:ALSや脳梗塞などの上位MN障害で筋緊張が亢進している状態。
e:不随意運動の1つで、甲状腺機能亢進症などで見られます。
骨折 ☆
・開放骨折は感染リスクが高いため可及的速やかにデブリドマン、創洗浄、創外固定が必要です(汚染が軽度なら内固定も可能)。
・骨折の合併症
(A) 出血:骨盤骨折は1L以上の出血を起こすため特に注意が必要です。
(B) 脂肪塞栓症候群:脂肪滴が塞栓となります。DICの合併、呼吸不全などによって致死的。
(C) コンパートメント症候群:筋区画の内圧上昇による動脈、神経損傷(後述)。
(D) Volkmann拘縮:前腕屈筋群の壊死による拘縮。コンパートメント症候群がリスクです。手関節は屈曲、回内して指は屈曲する(後述)。
(E) 偽関節:骨癒合が途中でストップした状態。舟状骨、大腿骨頸部、脛骨中下1/3の骨折で見られやすいです。
(F) 骨化性筋炎:骨折後に筋肉内に溜まった血腫が骨化する病態。
正解はdです。
・開放骨折から6時間経っているため感染リスクは高いです(golden periodは4.5時間)。さらに内固定も感染リスクです。
・創部は発赤、腫脹、疼痛が見られ急性炎症が示唆されます。
・X線では脛骨遠位部に骨膜反応(もやもや)があり、骨髄炎に至っている可能性があります。
・対応は創部を切開開放し、膿が溜まっていればドレナージ、壊死組織はデブリドマンが必要です。
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