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直近の医師国家試験:産婦人科

大原則:若年女性を見たら妊娠注意 ☆☆

113A49
24 歳の女性。不正性器出血を主訴に来院した。月経終了 2 日後から少量の出血が始まり 10 日間持続したため来院した。月経周期 40~90 日、不整、持続 5 日間。身長 162cm、体重 74kg。体温 36.5 °C。脈拍 72/分、整。血圧 122/68mmHg。呼吸数 18/分。内診で子宮は正常大で軟、圧痛を認めない。外子宮口に少量の血液を認める。両側付属器に異常を認めない。
この時点での検査として適切でないのはどれか。
a 妊娠反応
b 腹部造影 CT
c 経膣超音波検査
d 性ホルモン検査
e 子宮頸部細胞診

正解はbです。若年女性では妊娠は除外が必要です。この否定なしに造影CTはNGです。

112B36
36 歳の女性。悪心と嘔吐とを主訴に来院した。1 週間前から微熱、悪心および全身倦怠感を自覚してい た。今朝一回嘔吐した。既往歴に特記すべきことはない。月経周期 30~60 日、不整。最終月経は記憶し ていない。3 週間前に市販のキットで実施した妊娠反応は陰性であったという。母親は糖尿病で治療を受 けている。身長 159cm、体重 49kg。体温 37.0 °C。脈拍 72/分、整。血圧 102/58mmHg。皮膚は乾燥し ている。腹部は平坦で、圧痛を認めない。
まず行うべきなのはどれか。
a 腹部 CT
b 妊娠反応
c 脳脊髄液検査
d 上部消化管内視鏡検査
e 経口ブドウ糖負荷試験

正解はbです。現時点での妊娠は考えなければなりません。

参考
109H26:23歳の女性。0回経妊0回経産婦。腹痛を主訴に来院した。1週前から悪心(以下略
若年女性で悪心はつわりの可能性もあります。妊娠反応を忘れずに。

婦人科診察 ☆

・問診⇨視診⇨内診の順番です。
・視診は外から見てヘルペスや外陰癌、潰瘍の有無、クスコを用いて膣内病変や帯下の観察を行います。
・内診は双合診で、子宮の大きさ(正常で鶏卵大)、卵巣や卵管を触れるか、Douglas窩に硬結や圧痛はあるかを調べます。

113B14
婦人科診察の双合診で正しいのはどれか。
a 砕石位で行う。
b 正常卵管を触知する。
c 外陰部視診の前に行う。
d 膀胱に尿を溜めて行う。
e Douglas 窩は外診指で触診する。

正解はaです。内診台で砕石位で行います。
b:正常では卵管も卵巣も触知しません子宮は鶏卵大です。
c:視診の後に内診です。
d:膀胱を空にしてから行います。
e:内診指(膣内に入れた手)で触診します。

110H13に類似問題があります。

110H13
成人女性の婦人科診察時の双合診で正しいのはどれか
a側臥位で行う
b外陰部視診の前に行う
c  膀胱に尿をためて行う
d Douglas窩は内診指で触診する
e 正常卵巣は外診指で触知できる

正解はdです。
a:砕石位です。
b:後です。
c:空にします。
e:正常卵巣は触知できません。

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