【筋トレ解剖学】かっこいい腕を作る効率的な鍛え方【上腕二等筋・上腕筋・腕橈骨筋編】
今回のnoteは、より筋トレを効果的に行うための、簡単な解剖学の知識を紹介するシリーズです。
今回取り上げる部位は、上腕二頭筋(力こぶ)をはじめとした腕の前方にあたる、肘を曲げることで鍛えることができる部位を解説していきます。
解剖学と言うと難しく感じてしまうかもしれませんが、筋トレを効果的に行うために必要な部位だけを解説しているので、ワンランク上のトレーニングができるようになるため、参考にしてみてください。
筋トレをする上で、特に覚えて欲しいポイントは、
絶対に覚えて置いて欲しい内容
このように、強調しているので、解説を読んだ上で、まずは、この範囲だけを覚えて、筋トレに活かしてみてください。
1、腕の骨格
筋肉は、骨と骨を繋ぎ、伸縮することで体を動かします。
そのため、筋肉がどこの骨とどこの骨を繋いでいるかを確認することで、その筋肉の機能をより深く理解することができ、効果的なトレーニングをすることが可能になります。
それでは、まずは腕の骨格から確認していきましょう。
腕は、上腕にある上腕骨が1本と、前腕にある橈骨(とうこつ)と尺骨(しゃっこつ)という2本の骨でできています。
骨の名前は、必ずは覚えるという必要はありませんが、ここで覚えて欲しいことが、2つあります。
1つ目は、上腕骨は肩甲骨についていること。
2つ目は、前腕をひねる動作は、前腕の2つの骨のうち、尺骨を軸に、橈骨が動くことによって行われること。(尺骨は関与しない。)
この2つを、なんとなくでいいので覚えたら、次に力こぶを作る筋肉を確認していきましょう。
2、上腕二頭筋の構造と機能
力こぶの大部分を締める筋肉です。
この部位を鍛えることで、力こぶを大きくすることができます。
上腕二頭筋は、長頭と短頭と2つの房があるため "二頭"筋といい、どちらも肩甲骨から橈骨を繋いでいる筋肉です。
橈骨についているということは、先ほどのポイントにあったように、前腕をひねる動きに関与してるということが推測できます。
・上腕二頭筋の機能
※可能であれば、筋肉の画像を見ながら、実際に体を動かしてみて、筋肉が収縮や、関節が画像のような動きになるか試してみましょう。(こうすることで、自然と起始停止を覚えることができます。)
・肘関節の屈曲
肘を曲げる動作です。上腕二頭筋が縦に収縮すると、肘が曲がるのが想像できると思います。
・前腕の回外
上腕二頭筋は橈骨の内側についているので、上腕二頭筋が収縮すると、内側から外側にかけて、前腕を回す動きになります。
実際に、肘を曲げた状態で前腕を回外をさせると、上腕二頭筋が動くのがわかると思います。
前腕が回外している状態だと、上腕二頭筋は、肘を曲げる力を強く発揮しやすることができます。
重要なポイントなので、覚えておきましょう。
・肩関節の屈曲の補助
気をつけの状態から、腕を前に挙げていく動きです。上腕二頭筋は、肩甲骨から始まっている筋肉ので、実は、肩関節の動きにも関与しています。
文字だけだとわかりづらいですが、肘が伸びている状態で、上腕二頭筋が収縮するとどうなるかを想像すると、肩関節が屈曲するのが理解しやすいと思います。
この肘関節の屈曲・前腕の回外・肩関節の屈曲の3つが、上腕二頭筋の機能にです。
上腕二頭筋のポイントまとめ
上腕二頭筋は、肩甲骨から橈骨(前腕の動く方の骨)についている。
上腕二頭筋の機能は、肘関節の屈曲・前腕の回外・肩関節の屈曲
特に、前腕を回外している時に、肘を曲げる力が強くなり、回内すればするほど弱くなる。
3、上腕筋の構造と機能
上腕二頭筋の下にある筋肉で、腕の外側で確認することができます。
この部分を鍛えることで、力こぶ全体のボリュームを大きくしたり、横から見たときのボコボコとした立体感を出すことができます。
上腕筋は、上腕骨と尺骨を繋いでいる筋肉です。
上腕二頭筋との違いは、肩甲骨ではなく上腕骨から始まり、橈骨ではなく尺骨についているという点です。(非常に重要。)
尺骨についているということは、つまり、前腕のひねりに関係しないということです。
・上腕筋の機能
上腕筋は、上腕骨から始まっているので、肩関節の動きに関与しません。
また、尺骨についているので、前腕のひねりにも関与しません。
なので、
上腕筋の機能は、肘を曲げるのみ。(肘関節の屈曲)
と、非常にシンプルな筋肉です。
4、腕橈骨筋の構造と機能
腕橈骨筋は、鍛えることで前腕を発達させ、腕全体を太くたくましい印象にすることができます。
肘を曲げることで鍛えることができる筋肉なので、上腕二頭筋や上腕筋と同様の種目で鍛えることが可能です。
腕橈骨筋は、上腕骨から橈骨ついている。
橈骨についているということは、もうお分かりですね。
前腕のひねりに関係しているということが推測できます。
・腕橈骨筋の機能
腕橈骨筋の機能は、肘関節の屈曲、回内位から安静位までの前腕の回外、回外位から安静位までの回内で、安静位(力を入れていない状態)の時に、1番力を発揮しやすいです。
回内は、回外の逆の動きで、前腕を内側にひねる動きです。
この辺は筋トレのためであれば、そこまで詳しく覚える必要はないので、
腕橈骨筋は、肘を曲げる。(肘関節の屈曲)
特に、前腕のひねりが自然な状態の時に、より力を発揮する。
と簡単に覚えておきましょう。
ここで、覚えて欲しいことをまとめると
・3つの筋肉全てが、肘関節を屈曲させる機能を持っているので、基本的には、肘関節を屈曲させるトレーニングをすることで、3つ全ての筋肉を刺激することができる。
・前腕が回外していると、上腕二頭筋が強く働く。
・前腕が回内すればするほど、上腕二頭筋の力が抑えられ、上腕筋が働きやすくなる。
・前腕が自然な状態とき、腕橈骨筋が一番働きやすい。
となります。
これを踏まえた状態で、最後に、力こぶを鍛える基本種目をいくつか確認してみましょう。
きっと、「なるほど、そういうことだったのか!」と、種目に関する理解が深まると思います!
5、解剖学的知識を踏まえた上で、基本種目を確認してみる。
解剖学的な知識を簡単に覚えたら、上記の筋肉を鍛える基本種目を確認してみましょう。
それぞれの筋肉の場所や機能を、思い出しながら確認することで、どの筋肉を狙っているのか、なぜこのようなフォームなのかが理解できると、より効果的なトレーニングを行えるようになります。
・ダンベルアームカール
一番基本となるのは、ダンベルと使ったアームカールです。
手のひらを向かい合わせにして、両手にダンベルを持ち、手首を外側に捻りながら、肘を曲げてダンベルを持ち上げます。
ダンベルカールは、肘関節の屈曲、前腕の回外、若干の肩関節の屈曲と、上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋全てを機能を網羅しているので、この1種目で、これらの筋肉を満遍なく刺激することができます。
基本種目かつ効率的な種目ですので、何か1種目を行うのであれば、この種目をまずはやり込んでみましょう。
・ハンマーカール
ハンマーカールは、常に前腕が安静位(手のひらが向かい合わせ)の状態で、ダンベルアームカールを行います。
前腕が回外していないので、上腕二頭筋の力がやや制限され、通常のダンベルアームカールに比べ、上腕筋や腕橈骨筋を強く刺激することができます。
満遍なく鍛えたいなら、ダンベルアームカール
上腕筋や前腕を鍛えたいなら、ハンマーカール
と使い分けましょう。
・ストレートバーを使ったバーベルカール
ストレートシャフトを使ったバーベルカールは、前腕が回外させて(手のひらが正面を向いて)行うので、上腕二頭筋を強く刺激することができます。
ただし、かなり強く回外する為、手首や肘に負担がかかる為、痛みや違和感があるときは、次に紹介するEZバーやダンベルで行いましょう。
・EZバー(Wバー)を使ったバーベルカール
EZバーを使ったバーベルカールは、手のひらがやや、内側を向いていて、ストレートバーで行うのに比べ、前腕が安静位に近いので、上腕筋や腕橈骨筋も刺激しやすいのが特徴です。
また、ストレートバーに比べ、手首や肘にも負担が少ないです。
上腕二頭筋をより刺激したいのなら、ストレートバー
上腕筋、腕橈骨筋も一緒に鍛えるなら、EZバー
というように、使い分けましょう。
・インクラインダンベルカール
インクラインダンベルカールは、肩関節が伸展(屈曲の反対)している状態がスタートポジションになるので、上腕二頭筋がストレッチされている状態で、肘を屈曲させます。
そのため、立位の状態よりも広い可動域で、上腕二頭筋を鍛えることができます。
・コンセントレーションカール
コンセントレーションカールは、上腕二頭筋の機能である、肩関節を屈曲させた状態で、肘を固定して行うので、通常のダンベルカールよりも、より収縮させることが可能な種目です。
インクラインカールやコンセントレーションカールは、ダンベルカールやバーベルカールをある程度やり込み、成長が止まってきたら、メニューに加えてみましょう。
種目の選び方は、自分の力こぶをみた時に、どの部分を強化したいのかによって決めてみましょう。
6、まとめ
いかがだったでしょうか。
解剖学を知ることで、少しでも力こぶを鍛えるそれぞれの種目の特徴や、より効果的に行うポイントわかっていただけていれば幸いです。
そして、次回の腕のトレーニングが楽しみになっていただけたのなら、嬉しいです。
また、解剖学では、骨や関節の動きに、それぞれ名前がついています。
無理に名前を覚える必要はありませんが、知っておくと、今後筋トレについてのインプットをする時に、非常に役に立つと思いますで、できるだけ覚えるようにしてみましょう。
名前からどんな動きかが簡単に想像できるものが多いので、実際に、ご自身の体を動かしながら、読んでいただければ、自然に覚えられると思います。
今後も、解剖学をはじめとした、筋トレやボディメイクのための情報を発信していきます。
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