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文房具

文房具の中で一番好きなものは何かと聞かれたら、迷わずこう答えます。


『うーん。なんだろうなぁ。』


一番好きな文房具なんて考えたこともありません。考えたこともない質問をされたとしてもすぐに答えることはできません。

他に考えたことのない質問、例えば「ひらがなの中で一番形の綺麗なものってなんだと思う?」とか。

そんな質問をされたとしても、
『うーん、なんだろうなぁ。』と少し考えた後で、『“え“かなぁ。』と答えるでしょう。

すると質問した相手はきっとこう言います。
「残念でした〜“ひらがな“の中に“え“は入っていませーん。」

『え、どういうこと?』

「だからこの質問は実はなぞなぞで、“ひらがな”の四文字の中で一番形の綺麗な文字は何でしょうって問題でした。だから正解は“ら”でした〜。」

『“ひ“じゃないの?』


こうなります。


人の感性なんてそれぞれですね。



「“爽”のなかでなんの味が好き?」

『あーごめん、“スーパーカップ派”だわ。』


こうなります。

すぐに答えられる質問であったとしても、答えによってはその後の会話をシャットダウンしてしまう危険性をはらんでいるのですね。



「“スーパーカップ”のなかで何味が好き?」

『うーん、あの醤油ワンタンかな。』

「私はクッキーアンドクリーム。」

『え?あ、アイスの方の話?』

「え、そうだけど。もしかしてカップ麺の方かと思ってた?」

『うん。だってアイスに醤油ワンタンなんてないじゃん。』

「わからないじゃん。だって明治エッセルだよ。並の企業じゃないんだから。」

『いくら明治エッセルだってそんな奇策打ってこないだろ。そこまで苦しんでないわ。』

「人が苦しんでるか苦しんでないかなんて他人に判断できる問題じゃないんだよ。だからあなたはいつまで経っても自分の尺度でしか人のこと判断できないんじゃないの?」

『なんで俺の話になるんだよ。今明治エッセルの話してるんだろ。』


【あのー横入りして申し訳ないんですけど、先程からお話お伺いしていたところお二人は一つ大きな勘違いをしているのかなと思いまして。“明治エッセル“をあたかも企業名のように言われておりますけれども、“エッセル”と言うのは“スーパーカップ”の方につく単語でありまして、正しくは“明治”が発売している“エッセルスーパーカップ”です。なので“明治エッセル”という単語は存在しておりません。ちなみに“エッセル”と言うのは“エクセレント”と“エッセンシャル”からできた造語であって、美味しくて正統派なアイスという意味が込められているみたいですよ。】




こうなります。




こうなるんですね。

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