すわって読む。立って読む。【本を気持ちよく読む方法 その2】
こんにちは。最近、本を気持ちよく方法について考えています。
前回の記事では読書と場所との関係について考えました。「普段とはちがう場所で本を読む」ことの面白さから、美容室で本を読んでみたことについて書いています。
記事にいただいたコメントでは「お風呂」や「日当たりのいい場所」などが本を読むお気に入りの場所に挙げられていて、とても興味深かったです。
読んだ本の話はすることがあっても、どう読むかについてはこれまでにあんまり聞いたことがなくて、あらためて考えてみるとといろんな発見があって面白いです。
みんな、どうやって読んでいるんだろう。
近頃はいつもそんなことを考えています。
「こんな場所で読んでいるよ」というお声、まだまだお待ちしています。
気持ちのよい座りかた
今回は読む時の姿勢について考えていきたいです。
みなさん、本を読むときにはどういう姿勢をとっていますか?
なかなか唐突な質問かもしれません。
「いや、普通に座って読んでいるよ」という声も聞こえてきます。
こんな質問をしたのは、私自身が長時間、同じ姿勢で座っていることが難しくて、頭を悩ませているからです。
もともと落ち着きがなく、じっとしていられない性分ということもあるのですが、身体の不調も大きく関わっています。
昨年の12月ごろから左のおしりから太ももにかけて鈍痛を抱えるようになり、とくに座っているときにジクジクと痛む。病院に行ったところ、腰椎が歪んでいるということで、いわゆるヘルニアというものだそうです。
治療の過程では、体を椅子に固定されて強制的に体を上下に引っ張られるリハビリを受けたり、MRIの検査では、クリスマスソングが流れるなかで半円筒形の機械の中を通ったり、鍼灸院で鍼を打ってもらったりといった、初めての経験もたくさんできて、それはそれで面白かったのですが、完全に痛みが引いたというわけではなくて、まだまだ座るのには苦労しています。
そんなこともあって、座るということに対して少し意識的になりました。骨盤の歪みには正座がよい、ということをどこかで読んで一時期はずっと正座していたのですが、今度は足首あたりがなんだか痛むようになりました。
(余談ですが、正しい正座は座ったときに、両踵が体の中心で合わせるそうです。体の硬い私には絶望的…)
長い時間座っていても体に負担がかからずに、なおかつ、きげん良く本が読める、そんな椅子はないものか、と探していたときに出会ったのがこのニーチェアでした。出会ったと書いてみたものの、実際には前から気になっていたのをこのタイミングで購入してみたのでした。
ニーチェアのこと
ニーチェア。名前のとおりデザイナーの新居猛さんの手によってつくられた名作で、1970年から50年以上にわたって愛されているそうです。
「多くの人から愛されるカレーライスのような椅子をつくる」という新居さんの思いが込められています。
座ってみて感じるのは、包み込まれている安心感。座面部分は帆布が張ってあるだけなので、ぱっと見、破れちゃわないかとちょっと心配になるのですが、適度に沈んで体を支えてくれます。
思わず体の力が抜けていくような居心地のよさがあります。
今のところ、座り心地の良さのせいで(?)、当初の目的であった読書はあまりはかどっていません。折りたためるので持ち運びもしやすく、暖かくなってきたらベランダに出して、屋外で読書するのにも使えそう。椅子ひとつでいろんな場所が居心地のよい空間に変わっていきそうで、わくわくしてしまいます。
ここまで「すわる」ことについて書いてきましたが、「立つ」ことにも触れてみたいと思います。
立って読むこと、立って書くこと
べつに読書は座ってしなきゃいけないということでもないし、立って読む方がもしかしたら集中できるかもしれない。アリストテレスや西田幾多郎といった偉大な哲学者たちも歩きながら思索したというし。
立って読むとなると、本や飲み物を置くカウンターがほしくなる。ということで、即席ですが作ってみました。2×4の木材で作った脚と、天板は先輩がお家を新築されたときに余ったのを、もらってきたフローリング材です。せっかくなので、読書のおともにビールを(といっても微アル)。
また話は横道に逸れるのですが、飲み屋さんのカウンターでたまに見かける、一人で読書しているお客さんにとても憧れます。かっこいいなあと思うし、何読んでるかめっちゃ気になってしまうのですが、話しかける勇気はない。
今こうやって家の一室の即席カウンターで、擬似立ち飲み体験をしているわけですが、ふつふつと愉快な気持ちになってきます。お酒飲みながらの読書もいいかもしれない…
コロナで飲みに行くこともめっきり減りましたが、自由に飲みに行けるようになったら文庫本片手にふらっと酒場に行こうと思ってます。
ちなみに立って読むことをやってみようと思ったきっかけは、坂口恭平さんが『土になる』で「原稿を立って書いている」というのを読んで、その真似をしてみようと思ったからでした。なので、この文章も立って書いているのですが、これがめちゃくちゃはかどる!いろんな人におすすめしたいほどです。ただ立って書くのにちょうどいい机がないので、タンスにパソコンをのっけて書いています。高さぴったり。
今回は本を読む時の姿勢について考えてみました。
気に入っている椅子や机のことなど、教えてもらえれば嬉しいです。