存在とは、相違である/基礎科学としての、存在論哲学の証明
・基礎文献
・本文
存在とは、相違である。
例えば、異なる左右の空間に位置する、ということ以外は、それを成立させる要素・条件が、まったく同一である2個の[リンゴA・B]があるとする。
このそれぞれが存在できるのは、両者の空間的位置までもが同一ではない、という相違関係が結ばれているためである。
これがもし、空間的位置までもが同一で、両者が重なり合っているのであれば、それはすなわち、1個のリンゴしかない、という状態と同一なのであり、それらは差別化されえない。
つまり、左に[リンゴA]が在るとして、その空間的位置を、右の[リンゴB]と重ね合わせる操作を行えるのなら、その[リンゴA]は消失してしまう(存在できなくなる)ことになる。
そのように、左の[リンゴA]を成立させる要素・条件が、右の[リンゴB]のそれと共通度が100%になるように操作されてしまうのなら、それは[リンゴA]が[リンゴB]と同一の存在へ変えられてしまう事と同義なのであり、すなわち、この際には[リンゴA]はその固有性を失い、[リンゴB]と相違する1個のものとして、存在できなくなってしまうのである。又これは、[A・B]が逆の場合でも然りである。
この理論構造は、万物が、[相違関係を内含する{全体}における、相違化(=固有化)した{部分}のそれぞれ]としてしか、存在できない事実を明示するものである。
つまり、存在とは相違である。
以上。
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