3、完成した人間の姿
~天使長は知っていた⁈~
( 聖書:創世記3章1節)
3-1 知識が豊富な天使長ルーシェル
聖書では、エデンの園でエバを誘惑してアダムまでも堕落させたといわれている蛇がいます。その正体は知の天使である天使長ルーシェルでした。(第二章 堕落論 第2節 参照)
そしてどのように人間を堕落させていったのかという事もすでに説明してきました。(1-5 天使長の誘惑 参照)
その天使長がエバに語り掛けてきた言葉に「さすが知の天使!」と思わされる箇所があります。
第一に、天使長は分かっていたにも関わらずあえて「園にあるどの木からも取って食べるなと、ほんとうに神が言われたのですか?」(創世記3章1節〜)とエバを誘惑してきた点です。
これは授受作用の原理を知っている者でしか使えない巧みな言葉でした。授受作用(Give and Take)とは力の法則であり、発展の法則です。人はやり取りする回数が多ければ多いほどその事に興味が湧いたり関心を持ったりします。この時は言葉でのやり取りでした。
もしもルーシェルがアホの天使だった場合「園の中央にある木の実(善悪を知る木の実)を食べるなと神が言われたのですか?」と率直に聞いてきたはずです。そしたらエバは「そうよ」と授受作用(言葉でのやり取り)をする事なくその会話はたった一言で終わっていたはずです。
第二に、天使長は「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」と言ってきました。
ここに重要なメッセージが隠されています。神と共に天地創造を成してきた者でしか分からない人間の本来の姿を天使長は、はっきりと(神の意図を)知っていたのであり、それをなんと言葉にして教えてくれていたのです。
3-2 人間が完成した本当の姿とは…
ではこの天使長の言葉から人間が完成するとどうなるのか、本当の姿とはどんな姿をしていたのかみていきたいと思います。
3-2-1 目が開く
まず「目が開く」とはどういう意味でしょうか。仏教でも「開眼(かいげん)」という似たような言葉があります。辞書などを調べてみると深い意味としては「物事の本質を悟ることや、物事の道理や真理がはっきりわかるようになること。また、物事のこつをつかむこと。」とあります。要は今まで見えなかったものまでもが見えるようになる…という意味です。
かつて発明王のエジソンは「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」と言われました。
Genius is 1 percent inspiration and 99 percent perspiration.
- Thomas Edison (トーマス・エジソン)
日本語で「ひらめき」と訳されているインスピレーションの箇所を正確に訳すならば、それは「啓示」もしくは「霊感」です。
天使長が言った「目が開く」とはすなわち、「霊感」が鋭くなる、「啓示」を受けるようになるという意味だったのです。またエジソンの言葉で極端に言い換えると「天才」になるんだという事になります。
3-2-2 神のようになる
次に「神のようになる」と天使長は言っています。人間が神の似姿になる…それは親である神様が最も喜ばれるものでした。
人間がもし堕落していなければ、心のような存在である神様が人間という身体をまとった男性と女性としてこの地上に降り立ち、すべての喜怒哀楽を我が子である人間と共に味わっていきたかったという切実なる願いが実はそこにはあったのです。
そう考えると天使長の誘惑によって堕落したその事件は、神様にとっては見るに耐えない、まるで我が子を目の前で八つ裂きにされるかの如く、もしくは、あともう少しで結婚して共に愛し合うはずだった愛する恋人を目の前で犯されているかの如く、胸が張り裂けんばかりのとてつもなく悲しい出来事だったのです。
「神様なんだったらそれをなぜ止めなかったんですか?」と思う人もいるかと思うので紹介しておきますが、そこには手を差し伸べたくてもそうする事ができなかった事情がありました。(第二章 堕落論 第6節 参照)
この事を知ると「神様がいるのであればどうして不幸なこのこの世界(私)をすぐに救ってくれないんですか!」という疑問もスッキリと解釈する事ができるのです。
3-2-3 善悪を知る
更に天使長は「善悪を知る」事が出来るとも言っています。知識的にはこちら(2-2-3)で紹介しましたのでここでは割愛しますが、ここでいう「善悪を知る」とは知識のみならず、すでにそれを体得している状態といえます。それは悪を行うと親である神様が悲しむんだという事が痛いほど分かってしまうので絶対に悪を行う事が出来ないという状態をいいます。
3-3 霊性の開花
このように天使長が語った言葉を分析してみると人間の本来あるべき姿が浮かび上がってきました。完成した人間は、見た目においては特に変わりないけれど、いま私たちが知っている限りでの人間の姿とは全く異なり、人類の親である神様と完全に一体となった本来あるべき人間の姿がそこにはあったのです。
天才と呼ばれる人々の多くはこのような霊性が開花していたとみる事ができます。人類にとって莫大な利益をもたらした奇跡ともいうべき業績や発見は、無限の叡智たる神との交わりをなし、インスピレーションを受けた者でしか得られないものでした。
人間は完成するまでに与えられた成長期間において守るべきルール(規範)をクリアすると霊性が開花する。
すなわち今まで現実的視点からでは見えなかったものまで見えるようになり、インスピレーションを通して多くのひらめきやアイデアが与えられ、それを具体化していく能力も本来、備わっていたとみる事ができます。
ここで復習しておきますが成長期間において守るべきルール(規範)とは1-3でも紹介した通り「取って食べてはならない」というルール(規範)です。
それは具体的にいうと「愛の関係を結ぶ」という事(すなわちSEX)でした。もっと分かりやすくいうと性欲のコントロールになります。
とはいってもこの性欲というものは人間にとって最も強い感情の一つで、とてつもないエネルギーを持っています。これを排除してしまえば人類の歴史はなかったでしょう。抑えても抑えても湧き上がってくるこの感情をどうコントロールするべきなのか、どう対していくべきなのか…次のセッションでは更に詳しくひもそれを解いて、いかに転用していくかについて学んでいきたいと思います。
3-4 最後に…
今回の内容は主に原理講論の第一章 創造原理(第2節、第5節)、第二章 堕落論(第1節、第6節)を中心に構成しました。
私たちが人生を生きていくうえで最も大切な生き方や行動に対する指針、軸というものを原理は与えてくれます。まだまだ説明不足のところも多くありますので「よく分からない」「もっと詳しく知りたい」「もう少し学んでみたい」という方は最寄りの教会をお訪ねください。その際は「このサイトを見て関心を持った」など伝えて頂ければスムーズかと思います。きっと求めていたものがそこにはあるはずです。
またご相談に関してはいつでもご連絡ください。共に解決できれば嬉しいです。楽しみにお待ちしています。
§2規範教育カリキュラム(目次)
1、本然の世界にもあった愛の試練
原理講論:成長期間(原理結果主管圏) p79〜
1-1 人間が果たすべき責任とは何か?
1-2 取って食べるときっと「死ぬ」の意味①
1-3 「取って食べる」とは?
1-4 取って食べるときっと「死ぬ」の意味②
1-5 天使長の誘惑
2、現代における誘惑
聖書:創世記3章1節
2-1 どう判断する?「恋愛」と「LGBT」
2-2 判断するときに役立つ3つのフィルターの活用術
2-3 異性(同性)から告白されたときの対処
3、完成した人間の姿
~天使長は知っていた?!~
聖書:創世記3章1節~
3-1 知識が豊富な天使長ルーシェル
3-2 人間が完成した本当の姿とは…
3-3 霊性の開花
4、隠れた能力を引き出す感情のマネジメント
原理講論:堕落論p122~
4-1 「感情のマネジメント」と「隠れた能力」との関係
4-1-1 SEXに関して
4-1-2 マスターベーションに関して…
4-2 「負の感情」に対するとらえ方
4-3 「負の感情」をマネジメントする
4-4 まとめ
5、真のお父様の学生時代(TFの志操観)
〜真の父母様の生涯路程〜
5-1 天宙主管の前に自己を主管せよ
5-2 一番難しい事は何でしょうか…
5-3 真のお父様は生まれながら全てをコントロールできた?
5-4 心と体の統一はいかにするか?