誰一人取り残さない。
11月上旬の行事を振り返って…
気づけばもう11月中旬です。この2週間は忙しさにかまけて、「今週のことば」も勝手にお休みしてしまいました。誰が見ているわけでもないかも知れませんが…ごめんなさい。
さて、まずは11月上旬の行事を振り返って。そうです、11月に入ってやっと「学年全体で集まってもイイですよー!」となったので、毎週木曜の朝はみんなで揃うことができるようになりましたね。これは、意外と大きな進展ですよね。今年度は、集会は基本的に放送、そして実際に集まっての集会は半分ずつ分けて2回、という異例の学校生活を送って来ました。9月末にやっと初めて学年全員が揃った体育館アリーナでの学年集会を行えたものの、その後も集会は基本的に半分ずづでしたもんね。それが、やっと毎週のお勤めを全員揃って行うことができるようになったのは、とても嬉しいことでした。
今日までに、既に2回行いました。司会者席から座席を見渡すと、1つ空けて交互に組まれている皆さんの座席は、まるでチェック柄のように見えるわけです。斜めにはズラッ!と揃ってつながっていますが、そのキレイな列を見ていると、改めて「ココまで、みんなよく我慢してきたなぁ…。」と、思わずウルッときてしまいそうな気持ちにさえなります。
そのチェック柄つながりで言えば、11/6(金) に実施した文化祭の代替行事で1学年として行った「モザイクアート」。一人ひとりがしっかり参加してくれて、一つの作品を完成させることができたという喜びは、案外大きなものだったんじゃないでしょうか?一人分で見たら、A5サイズの小さな用紙にマス目が描かれ、そこに書かれた色を塗って・切って・貼って【だけ】の作業だったかも知れませんが、そんな【だけ】を全員分つなげると、あんなに大きな絵になるわけです。たった1枚が欠けてしまっていても完成しないあの作品は、本当に一人ひとりの力が合わさってこそ出来上がったものですよね。
人によっては、色塗りをしている時に「これ、鬼滅じゃね?」と言いたくなるような色合いでしたよね。そんなチェック柄を真剣に塗っていたのが、全体の中で見ると「あの辺だったのかー!」となるのも、ちょっと面白い手応えだったんじゃないかと思います。もしかすると、欠席していて参加できなかったクラスメイトがいたかも知れません。でも、その場にいない子のカバーをその場にいる子たちがしてあげられる助け合い、それが行えるのも集団の良さですよね。そうやって自然に助け合うことができる集団は、きっと何かのピンチがやってきた時にも乗り越えられるはずです。
11/2(月) に行われたスポーツ行事では、午前中は外でワイワイと運動会的な種目が行われましたね。後半は残念ながら雨で短縮となってしまいましたが、やっぱり外でワイワイやるのは気分が良いものですね。サッカー部の生徒をはじめ、多くの運動部員が重い荷物を運んだり設営・片づけを行ったりしてくれているからこそ、あんな風に楽しく行事が行えるということにも、何となく気づいてくれる学年の皆さんであって欲しいと願っています。
その午後に行われたバレーボール。まさにクラス対抗でやるバレーボールは、チームワークが示される競技だと思います。『上手な人を活躍させよう!』という雰囲気のチームよりも、『苦手な人をカバーしよう!』という雰囲気のチームの方が強かったするものなんですよね、不思議なもので。「俺によこせ!あいつに出せよ!」なんて、厳しい口調で仲間に迫ろうものなら、一気にそのチームの雰囲気は最悪に転じます。それよりも、ミスをして気まずくなりそうな仲間を「ドンマイドンマイ!大丈夫だって!」と温かく励ますことができれば、プレーしている人だけではなく応援しているクラスメイトからも『あの子って素敵だなぁ。』と思ってもらえるでしょうね。普段は見せない姿をお互いに見せ合って、各クラスでの人間関係もちょっぴり動かされた行事だったと思います。
曖昧に分かっているつもりの…「SDGs」
さて、そして今回挙げた「誰一人取り残さない。」というメッセージ性の強い「ことば」、聞いたことありますか?ピンときた人は素晴らしいです。どこかの授業で聞いているかも知れませんが、「SDGs」というもので誓っているのがコレなんです。分かりました?
そもそも、この「SDGs」って最近よく聞くものですが、本当にちゃんと分かっていますか?まずは、読み方。「エス・ディー・ジーズ」です。何の略なのかと言うと、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)です。
・SDGsとは?
持続可能な開発目標SDGsエス・ディー・ジーズとは
持続可能な開発目標(SDGs)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。
外務省ホームページより https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html
ここで紹介されている通り、国連サミットで「こういう世界を目指していこうよ!」と約束されたのが、「誰一人取り残さない」というものなのです。そのためにどんなことができるだろう?というのを、「こんな目標もあるんじゃない?」と17個のゴールを決め、それをもうちょっと細かく169のターゲットとして詳細なものを定めています。更に、それぞれの具体的な数値目標を書いた232の指標がその下にあるので、3階立てになっていると思えば良いみたいですね。
『世界のことでしょ?別に関係ないし!』と言っていられる世の中ではありません。グローバル化が進み、今では会社でも「SDGsを意識して!」ということを言われる所も多くなってきているようです。それほど、世界は身近な存在になりつつあるわけです。
そこで、ちょっと考えてみて欲しいのです。
「誰一人取り残さない」って言うけれど、今の自分にできることって、何?ということを、真剣にじっくりと。
クラスにいる時、授業中、休み時間、昼休み、部活動の時間、トイレに行った時、登下校中、立ち寄ったお店の中、近所、家の中、…などなど、色々な場面で考えてみると『あれ…、取り残されそうな人、いるんじゃない?」ってなりませんか?そう、意外と周りが意識をしなければ、取り残されることって往々に起きてしまうのです。
逆に言うと、ちょっとした一言、ほんのわずかな視線、さりげない表情など、自分にでもできる簡単な行動一つが、取り残されそうな誰かを救うことだって出来るはずだと思います。