背伸びの効果
カフェか、部屋か。
唐突ですが、皆さんはカフェに行きますか?
私は、時間に余裕があれば、たまーに行くこともあります。家族をもつ身として、「はい!よく一人でカフェしていまーす!」なんてことは口が避けても言えませんが、時々ならばチャンスをもらえる時に行ってみて、読書をしたり仕事をしたりすることがあります。そして先日も、諸事情が重なってそんなチャンスが巡ってきたので、こうしてカフェでカタカタと文章を考えながら過ごしています。
詳しい場所までは言えませんが、今まさに私は、ほどほどに高い所から街並みを見下ろせる席にいます。実は数十分前に歩いていた時、地上から見上げてみたら『あっ、あそこにカフェあるんだ!』と気づいたので、上がってみたわけです。しかも、時間も時間なので店内はとても空いている上、お店の中で一番奥のベストな位置に空席があるじゃないですか!これまで利用したカフェの中でも、ベスト3に入るほどの位置で陣取れた座席だと思います。今日は、贅沢にもそんな座席から街並みを見下ろしながら、考えたことを綴ってみます。
ちなみに、ハッキリ言ってしまうと、今ココに足を運んでわざわざカフェで仕事をするなんてことは、ただの【カッコつけ】だとも言えます。なぜなら、仕事をするにしても読書をするにしても、家よりも自由が利いて環境が整っている場所はないわけです。それなのに、あえて自宅ではなく「カフェで仕事をしよう!」なんて想いは、自己分析をすれば【カッコつけ】です。そう、今回のテーマはそれです。
ちょっとした【背伸び】
それで、冒頭の「ことば」。誰が言ったわけでも歌ったわけでもないのですが、今回は純粋にふと私自身が思い立った「ことば」です。そもそも、【背伸び】とは…
「背伸び」
1 からだをまっすぐにして、できるだけ背丈を伸ばすこと。つま先立って伸び上がること。「―して棚の荷物を取る」
2 実力以上のことをしようとすること。また、自分を実際以上に大きく見せようとすること。「―して大人のまねをする」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
ココでは特に、2の意味にあたると思います。我々は生活している中で、色々な場面で『ちょっとだけ、背伸びしちゃおっかな…』と、いつもの自分よりカッコつけてみたり、若干の見栄を張ってみたり、贅沢してみたりすることってあると思います。ありますよね?
・あまり着たことのなかったデザインや色の服を着てみる。
・できるかどうか微妙なレベルのことを、思い切って堂々とやってみる。
・いつもは400円で済ます昼食を、1500円の豪華定食にしてみる。
きっと誰にでもある話だと思います。でも、そのちょっとした【背伸び】って、どんな効果があるのだろう…?と考えたこと、ありますか?
さっきの話に戻すと、私がリラックスできて環境も整っている自宅ではなく、あえてお金を払ってまでカフェで仕事をしようと思った、自称・カッコつけの行動。これもまさに、【背伸び】の一種だと思うのです。
いつも通りではない場に行って、ちょっぴり緊張しつつも慣れた顔して足を運び、空いた席に座って仕事をする(フリをする?)だけ、それで充分なのです。周りにいる人たちがどんな会話をしているのか、どんなことをして過ごしているのかは分かりません。でも、自分もその場にふさわしい人になれるようにちょっとだけ【背伸び】をして、しばらくの間をその姿で過ごしてみる。それだけで、何となく自分に良い刺激を与えられる気がします。
この話は、きっとオシャレをすることや街へ出かけることにも通じることだと思っています。【いつも通り】の生活がダメだということでは決してないのですが、雰囲気とかスピード感とか、そういう類の何かしらが鈍ってしまうのが心配になります。
例えば、学生時代を東北地方の田舎の村で過ごしていた私にとって、就職活動で出向く東京の街は、洗練されているステキな人ばかりがいて、いつも眩しすぎるくらいでした。就職活動を終えて夜行バスが東京を出発する時、車内から見かけたサラリーマンがメチャメチャかっこよく見えて、今から東北地方の村へ戻る自分があまりにちっぽけな存在に感じて…毎回切ない想いで帰ってきていた、そんな思い出が蘇ります。でも、その頃に感じていた『東京って、やっぱ違うなぁ…』という、その違いって、まさに街の雰囲気とかスピード感とか、そういう類のものだったわけです。
今は、職場と家との往復で毎日が終わってしまうのが【いつも通り】ですが、そのまま毎日が続いていったら、きっと何かが鈍ってしまうんだろうという心配があるんですよね。だから、時々でもイイので【背伸び】をするのが大切だと、そう信じているわけです。
いよいよテストが始まります。高校生の勉強場所にもなりがちなカフェで、また次回の【背伸び】をする日を楽しみに頑張りたいと思います。