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歴史に残る教会をつくり世界平和を祈る



レンガ積みの童話

 レンガ積み職人が登場する童話があります。同じようにレンガを積んでいる3人の職人に「何をしているのですか?」という質問をすると、3人それぞれ違う答えが返ってきます。ある人は今日のレンガ積みのノルマに愚痴を言い、ある人はレンガを積む仕事で家族を養っていると言い、またある人は歴史に残る教会をつくることを誇らしげに語るのです。
 この童話は、私たちの日々の仕事をレンガ積みに例え、目的や意義の捉え方によって仕事のやりがいが変わることを教えてくれます。

 3人とも同じようにレンガを積んでいるわけですが、その先に見ているものが違います。私たちの日々の業務は、当月の目標達成に苦慮するものなのか?取り組む意義を実感できるものなのか?メンバーが仕事のやりがいを感じならが日々の業務に向き合うために、目的や意義を明確にするビジョンを組織内で共有することが重要になってきます。


高い視座

 メンバーがやりがいを感じて日々の仕事に向き合うために、仕事の目的や意義を常に実感できるようなビジョンを明文化します。組織で一緒に働く仲間にとって魅力的なビジョンであるためには、会社のアイデンティティにもとづきつつも、高い視座から語られる必要があります。今回は、高い視座から物事を捉えるポイントについて考えます。

 1つめは長い時間軸の思考です。100年先を考えるには、100年という時間軸での世の中の変化を知らないと発想できません。そのためには歴史を学び、人類の歴史は100年という時間軸でどのような変化を経てきたのかを考え、今後100年という時間軸でどのような変化が起こり得るのか?未来予測と壁打ちをすることが有効になります。

 2つめは多様な思考です。今後のビジネスを考えることは経営や経済の話にとどまらず、技術の発展や環境問題も強く関係してきます。また、地政学的な視点や哲学・宗教的な考えも重要になってくるでしょう。そういう意味で、特定の思考に限定することなく多様な思考をめぐらすことが有効になってきます。

 3つめはメタ認知力です。長期的視点、多様な思考を実現するには、独りよがりな思考や断定的な事実認定にとどまることなく、常に自分の考えを相対化し、多様な考えが存在することを意識する必要があります。

 長い時間軸で多様な思考を踏まえ、個を相対化し、人類の普遍・大義に思考を巡らせることで高い視座に至ることができます。正解を得たり、学術的な正論はさておき、組織人として視座を高めることの有効性をこの場では伝えたいです。


 私たちの日常は、結局はレンガ積みの日々です。ただ、そこにはノルマのもとにレンガを積み、達成できなければ詰められるだけの組織もあるでしょう。レンガ積みの技術を洗練する一方で、意義をあまり考えない組織もあるかもしれません。しかし、願わくば世界平和の目標を掲げ、日々の業務において目標へと着実に近づいている実感が得られる組織でありたいものです。
 そのためにも高い視座からビジョンを語り、価値観として組織に浸透していくことが重要です。どんな未来も、コツコツとレンガを積む日常の先にしかないのです。


後輩 竜野が思うこと
 改めて日々の業務の意味を考えさせられました。目の前のタスクをこなすことに精一杯になって、その先のビジョンを見失っていないか。メンバーに問いかける以前に、恥ずかしながら、自分自身に問わなければと思いました。

 まず私がやるべきは、日々の業務が大きな目標にどう繋がっているか理解し、自分自身が確信するために、高い視座を得ることです。そうして初めて、個々のメンバーによる日々のレンガ積みの意味づけが「人から与えられた作業」になってしまわないよう、仕事に誇りを持てるような環境づくりができるのだと思います。私たちの「歴史に残る教会」を築いていけるよう、メンバーと共に成長していきたいです。

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