冷えた期間のあと、チームの関係回復のためにすべきこと
縁の下のマガジンの最初がこのノートでいいのかはわからない。しかし、縁の下プロジェクトとして、今日とても大切なプロセスを経験したので、それを記しておくことにするのである。
このノートでは、「冷えた期間の後、チームの関係を回復するためにすべきこと」というテーマで書くこととする。
0.縁の下プロジェクト解散の危機
縁の下プロジェクトは、今日解散の危機に陥った。それは、メンバー全体のモチベーションが下がっていたことに起因していた。
縁の下プロジェクトは、メンバー三人の内二人が卒論で忙しい時期だったために一旦休止期間を取っていた。その影響でしばらく会わなかったことから、みんなのプロジェクトに対するモチベーションが下がっており、プロジェクトを今後どうするかを話し合うことになった。
この時に構造として起きていたことは、
①長い期間会わない
②互いのプロジェクトへの熱が冷める
③モチベーションが上がらない故に参加しづらい
④モチベーションが低いゆえに、雰囲気がどこか後ろ向き
⑤なんだか居心地が悪くチームとしての成功体験が詰まれない
⑥モチベーションがさらに下がる(②に戻る)
というループを繰り返していたことにある。こうした事態故に、プロジェクトをもうモチベーションを保てておらず、チームとしての方針に悩んでいた。
1.そもそもプロジェクトに意義を感じているか
こうした状況でまず重要であったのが、「そもそもプロジェクトに意義を感じているか」という、ビジョンとミッションを見た上での気持ちの共有である。
人の状況は変化する。そうした中では、以前は自分にとって必要だと思っていたことも、そうではなくなっていることもある。この部分を確認することは何を置いても必要だと思う。
これを通して、正直に自分達が思っていることが出てきた。
「やろうって思ってたけど、みんなはそうではなさそうで残念」
「必要性は感じつつも気持ちが正直向いていない」
「時間がない中で、本物さと効率性の間にいる」
という話がメンバーからでてきた。そして、みんなの話をしていくなかで、それぞれ、このプロジェクト自体が大事なものではある、という認識はずれていないことがわかった。
2.モチベーションの源泉はなにか
意義は感じているということは、実際に行うMTGやその過程がモチベーションを下げる要因になっているようであった。
「心理的安全性が低くて、あまり次も来たいとおもわなかった」
「MTGをだらだらやることは無理」
以上のような語りから見えてきたのは、それぞれがミーティングで大切にしたいものが違うということであった。
互いにミーティングで満たしたいものが違うということがわかった。そこで問われたのが、「なにが達成されるとコミットのモチベーションが上がるか」というものだった。
これはつまり、「MTGでなにを大切にしたいのか」という意味である。これを通して出てきたそれぞれのモチベーションの源泉は、
「心理的安全性、新たな学び」
「進んでいく感じ、本質に紐づいていること」
「実際にターゲットの役に立っていること、目的との紐づき」
というものだった。
それぞれ、MTGを通して感じたいものが違うことが可視化され、互いの大切にしたいことに気づいた。これだけ違うと、それぞれが次もコミットするモチベーションが湧くMTGが異なるということになる。そりゃあ、モチベーション下がるよね、だって大切にしたいことがあんまり満たされないんだもんね、と合点がいった。
3.どうすればMTG後にハッピーであれるか
「どうすればMTG後に各々がハッピーであれるか」。つまり、「互いの大切なことを包含するために何ができるか」について考えることは、非暴力コミュニケーションでいうところのニーズと呼ばれるものである。
この問いから自然に出てきた語りが、
「俺にはないけど、他の二人がもっているものを達成できるように考えよう」
「最初に自分の期待をいうのがいいんじゃないか」
「最後にハッピー度合をいうのがいいんじゃないか」
といったことであった。それぞれが、各々の大切にしたいことを尊重しようとする姿勢の先に、こうしたものが自然に出てきたことがとても嬉しかった。
そして、これらのことを今回のMTGから導入することにした。
そうして迎えた最後のチェックアウトでは、それぞれがハッピー度合を確認したが、その顔は先ほどとは打って変わって晴れやかだった。
上の語りにもあるように、それぞれの大切にしたいことが明確化されたこと、自分の大切にしたいことが達成されるということが感じられた、そしてなにより、自分の言ったことが受け止められ、対話をしながら進められたことが、ポジティブな感情に繋がった。
4.おわりに
この度は、縁の下プロジェクトへのモチベーションがそれぞれで下がっていたことで、解散する危機に陥った。よって、最初に「プロジェクトへの意義を感じているか」という率直な気持ちを語った。そして、それぞれがプロジェクト自体への意義は感じていたことがわかったため、進め方、MTGのプロセスを改善することとした。「モチベーションの源泉になるものはなにか」という問いについて考えた。そして違いが分かったうえで、「それを満たし、どうしたらMTG後にハッピーであれるか」ということについて考え、できることを考えた。
今回は、それぞれの「大事にしたいこと」を言語化することの大切さを改めて実感した気がする。それを知ることで、
①どうMTGを進めると互いが次も参加したくなるかを考えることができる
②MTGが来たいものに変わる
③MTGにポジティブに参加する
④よりよいMTGになる
という冒頭とは逆のループが始まる。これが、チームの関係を回復する大きな助けとなった。そして、この「互いのモチベーションの源泉」や「大切にしたいこと」を言語化するのは他の場面でも転用可能なものであると感じる。是非、試してみて欲しい。
一方、こうしてよいチームの関係を築けた背景には、
①本音を話せる関係
②互いの価値観を尊重したいという思い
③そもそものプロジェクトに意義を感じているどう本音を話せるか
が必要であった。こうした、「本音を話せる関係の作り方」「価値観を尊重する関係の醸成の仕方」「意義を感じるプロジェクトミッションを作るには」というテーマも投稿していければと思う。