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毎年、渋谷でコスプレしていたハロウィン

渋谷のキャバクラで働いていた頃の話。

私のコスプレは店内限定だ。

キャバクラでは季節ごとのイベントを必ず行う。どこのキャバクラに勤めている時も季節のイベントは開催された。

お店がイベントをやることで来客を促す口実になるのだ。

デフォルトコスチュームがチャイナドレスの店。

キャバ嬢たちは「今日はいつもと違う格好だから見にきてね!」と、お客様に声をかけやすくなる。

この季節のイベントと言えばハロウィンだ。しかし、私が勤めていた店ではハロウィンのコスプレ需要が驚くほどなかった。

50代が若手に分類されるような年齢の客層。そもそもそーゆうの好きじゃない年代が来ているのだ。

ハロウィンのイベント期間だと知らずに来店したお客様は、「なんでコスプレしてんだよ!俺はチャイナドレスが好きなんだよ!チャイナドレスを見に来てるんだよ!」と毎年誰かしら文句を言っていた。

そもそも、この店の制服であるチャイナドレスもコスプレと言えばコスプレ。
年に1回しか使わないコスプレ衣装をわざわざ自腹で購入し、そこまで文句を言われたら誰得の悲しいコスプレである。

私は毎年、その年に使わなくなったお笑いの…いや、ウケなくて封印したお笑いの衣装を店のハロウィンに回していた。
ミニスカポリスでフリップネタをやった年はミニスカポリスになり、筋肉メイド喫茶ネタをやった年はメイド服を着た。
インスタに載せているので良かったらいいねしてほしい。

女芸人なら、一度は女子学生ネタをやったことがある人間も多いと思う。
もちろんセーラー服も数多のネタで活躍してきたので、当たり前のように店で使用した。

他にも、ミュージカルキャッツのようなヒョウ柄全身タイツや、手作りの女ターザン衣装(これもヒョウ柄)もあったが、さすがにそれはやめておいた。

ネタで使ったものはたくさんあるが、キャバクラで使えるかどうかはまた別の話だ。

そう考えると、ミニスカポリスネタをやった時なんかは、“この衣装はキャバクラのハロウィンで使えるかも!”と、潜在的にキャバクラ主体で考えていたのかもしれない。

店長も芸人だったので、どこかの地下アイドルが着ていたコスプレ衣装を大量にもらってきて配っていたこともあった。

キャバクラなので暗黙の了解でセクシー系のコスプレが求められていたが、中には着ぐるみのコスプレをするキャバ嬢や、ウィッグまで用意して本気アニメコスをするキャバ嬢もいた。

周りがコスプレだらけだと、会話には困らなかった。

自分が着てるコスプレの説明や余談。
周りのコスプレに関しての話題。
だいたいそんな話をしていたら次の子にバトンタッチする時間になっている。

長く接客する場合も、そこから派生してハロウィン恒例の渋谷スクランブル交差点の話題。
「こんなコスプレ見かけました。」
「定点カメラでずっと眺めてました。」

そこからまた派生して、
「日本っていつからこんなハロウィンが流行り出したんですかね~?」
「15年前は六本木で外国人の方しかコスプレしてなかったのに~」

そこからまたまた派生して、
「ってか、バレンタインって子供の頃からありました?チョコもらいました?」
「私、バレンタインに元カレと待ち合わせしてて~」と、別のイベントの話題へ。

ハロウィンがあるだけで会話が無限に広がっていく。

お客様が求めているかどうかは別として、以前も書いたが、毎回天気の話をするよりはいいと個人的には思っている。

ちなみに、20代の頃に働いた別の店では、週末コスプレたるイベントを開催しており、その中の1つにYシャツDAYというイベントがあった。
アニメや漫画で見かける"男性のYシャツを1枚羽織る"みたいなやつが当時は流行っていたのだろう。私は背が高いので、パンツが見えないようにバカでかいYシャツを羽織った記憶がある。
現実の世界でこのサイズのYシャツを着るとなるとお相撲さんくらいだろうというくらいのビッグサイズをわざわざ用意してもらったのだ。
173センチのお尻までしっかり隠すYシャツはそんなもんだ。

ハロウィンと同じ理由でサンタコスも需要はなかったが、夏の浴衣イベントは毎年なかなかの反応だった。

QJWebにて連載のコラムにてフルver.読んでね!

しかしながら、2019年には「ハロウィンを渋谷の誇りに」とスローガンを掲げていたのに、2024年には「渋谷は、ハロウィーンをお休みします」になるのだから、未来はわからないものだ。

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晴天ちゃん
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