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韓国のおばあちゃんちへ2



おばあちゃんあるある発動

おばあちゃんちに滞在して1時間ほど経ち、お義母さんがそろそろ帰ると伝えたところ、おばあちゃんは「私は体も壊しているし、次、会えるか分からない!もうすぐ死ぬかもしれないんだから一緒にご飯を食べていってくれ!」と言った。

予想通りだったのでむしろホッとした。
お義母さんは月に何度か会いに来ているらしいが、私からするとそれこそ本当にひょっとすると最初で最後の顔合わせになりかねない。そうならないことを願うが、1時間でさよならは寂しすぎる。

「わかったよ。急いでビビンバを作るから一緒に食べよう」と、お義母さんは準備に取りかかった。

私が「何か手伝いましょうか?」と声をかけると、「大丈夫!大丈夫!」と言いお義母さんは、外にあるビニールハウスの中で野菜を採り始めた。
「そこから?!?!」思わず声が出たが通じないので助かった。
よく居酒屋で料理が遅いと「材料摘みに言ってるんだよw」とか冗談を言ったりするが、ガチで摘むとこから始めたのだ。
急いで準備すると言っていたが、けっこうたくさん採っていたので、さすがに手伝った。

いろんな野菜があった
野菜を採る晴天ちゃん


野菜を摘み終わったお義母さんは、土間のような場所で野菜を丁寧に洗い、台所へ向かうと、米を炊き忘れてることに気が付いた。
「野菜を摘む前に絶対やっとくべき作業ゥゥゥ!!!」思わず声が出たが通じないので助かった。

土間?

米を炊いている間に、家の外を探索していた。
ここで別記事に書いたペニス事件が起こる。

ついにビビンバ完成

私が初対面のおじさんとペニスと言い合っている間にビビンバが完成した。
ゾウガメの甲羅ばりのバカでかいステンレスボウル。日本ではまごうことなき業務用サイズのボウル。そこにいっぱいのビビンバ。

これが韓国の食卓ってやつか~!多いな~!と感心していたらおばあちゃんが、「こんなに作ってどーすんのだい!食べきれないよ!!」と、語気的にちょっと怒っていた。どうやら韓国のデフォルト量ではなかったらしい。

おばあちゃんの家に来る前、昼食にドジョウ汁をたらふく食べているのでお義母さんも含め、みんなまだお腹いっぱいだった。
妹は「私、ダイエットしてるからちょっとでいいよ」と先手を打ち、旦那さんは「私も。」と乗っかった。
二人とも身内の孫感をめっちゃ出すじゃん!ズルい!私だって同じ時間に同じ量のドジョウ汁食べていてお腹いっぱいなのに!

私はとにかく食べた。
ここだけではなく、韓国にいる間中、お義父さんといる時も伯父さんと会った時も、言葉が通じない分、私はとにかく笑顔でいっぱい食べた。
それが私のこの旅での責務であり役割であり、唯一のできることでもあった。
「いっぱいお食べ」と言われ、言われるがまま、ひたすら食べた。
お腹はいっぱいだったが、お義母さんのビビンバは今まで食べた中で間違いなく一番美味しかった。
日本ラブ!日本しか勝たんな旦那さんが、唯一料理だけは韓国料理が好きなのは、お義母さんの作る料理が美味しかったからなんだと旦那さんのルーツを知ることができた。

おばあちゃんも一緒に過ごしたいだけでお腹が空いているわけではないので全然食べない。
旦那と妹とお義母さんが1杯、おばあちゃんが半杯、私が3杯目を食べてる時に、先ほどのペニスおじさんの家から今度はおばさんがやってきた。
「あ!オンニ!ちょっと食べていきな!」と、お義母さん。返事も聞かないまま、おばさんの分もよそい始めた。
メシア…名前は分からないが、私は心の中でオンニをメシア(救世主)と呼んだ。

きっと旦那も妹もおばあちゃんですら、そう感じていたに違いない。
「え~?」と言いつつ玄関先に腰かけたメシアはすぐにビビンバを食べ始めた。このお隣さんとの距離感、ご飯までのスピード感、日本では味わったことのないものだった。
ちなみにメシアも「こんなにたくさん作ったの?!」と言っていた。
そしてあっという間に自分の分を食べ終えて、最後はボウルに残ったものをかき集めてキレイに平らげてくれた。

おばあちゃんは94歳。次、いつ会いに行けるか分からないが、私は「と、まんなよ」(また会いましょう)と言って、手を握った。

こんなデカいボウル
ちゃんこ鍋屋でバイトしてた時も見たことないよ
너무너무 맛있었어요〜

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晴天ちゃん
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