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【選評】第2回青春短歌甲子園

募集期間 2020年7月16日〜2020年8月15日
応募総数 88人245首

1位 鳴瀬しま

おはようと言い合うだけの関係を壊してやるよ裏庭で待つ

スマホネイティブ世代の恋愛はLINEのトーク画面で進行し、告白や別れ話をクラスのグループLINEで行う例もあるのだとか。裏庭や体育館裏に呼び出しての告白は決闘のようで、ごっこ化していく昨今の恋愛事情に風穴を開ける爽快さがあります。挨拶を交わす程度の仲なのに、無謀を覆すほどの覚悟が決まっている。熱い青春のエネルギーが充溢した一首です。

2位 春原シオン

「悪いけど、私は愛を信じるよ」部活を辞める先輩は言う

引退の時期でもないのに、男がらみで辞めていく先輩。挨拶もないフェードアウトが常ですが、この先輩は自分の選択に自信を持っている。だからこそ額に入れたいほどの名言が生まれたのでしょう。
記号はほとんどの場合に短歌の雰囲気を損ないます。この歌は「」がプラスの働きをしている希有な例。基本的にはセリフ調でも「」は不要です。

3位 青葉あい

色鬼の「白!」でシャツには触れたけどほんとうは手を握りたかった

色鬼の白でシャツには触れたけどほんとうは手を握りたかった
記号なしバージョンはいかがでしょうか。表記の印象に左右されながらも、怒濤のエモーションに押し上げられてこの順位とさせていただきました。2位のシオンさんの歌と合わせて参考にしてください。幼稚園の先生によると色鬼は現役バリバリの遊びだそうです。「色の白いは七難隠す」とも言いますし、色鬼の白で手を握られたら嬉しいでしょうね。

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