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正しさよりも楽しさを追う生き方

昨日、音楽仲間であり飲み仲間である「縄文さん」と「ぱうるさん」と、飲み会をしていた。新年会というつもりで集まったのだが、「今年もよろしく」って言ったっけか。言ってない気がする。どうだったっけ。酔っていたから覚えていない。

さて、最近、Youtubeで動画をアップし始めたという縄文さん。下記のような動画をアップしていた。雑に紹介すると、板橋付近を歩きながら、スーパーのまいばすけっとを探し歩いている動画である。どうやら、スーパーのまいばすけっとが、板橋付近に多いと思われる、ということだった。

飲みながらその解説をしてもらう最中、わたしはふと思いついたことを口にした。

「板橋付近にまいばすけっとが多いかどうか、お店のHPで店舗数を調べたらどうか」

マジレス、ではないが、そう思ったのだ。板橋付近にまいばすけっとが多いかどうかは、板橋付近を歩いているだけではわからない。①板橋付近に多いことと、②他の地域にはそんなにない、の2点を確かめなければ、そのことを確認できないはずだった。当然である。自分の家の周りにコンビニはたくさんあるが、それは自分の家の周りにコンビニが特別多いことを意味しない。どの地域にもコンビニは多いからだ。

「わかってねぇな〜!」

酒を一口煽りながら、縄文さんは何やら嬉しそうに反論した。そういうことじゃねぇんだなぁ、と続ける彼は、わたしがそう反応しても嬉しそうである。

わたしとしては、「ある地域に店舗が多いかどうか」という疑問が浮かんだ際には、まずインターネットで情報を集め、グラフでも書いてみれば一目瞭然だと、まず思いつくのはそういう思考だったのだ。まあ動画のネタにもなるしという思いもあったのだろうが、実際に歩いてみるというのは、わたしの発想としてはなかった。

そういう生き方も、それはそれで素敵だなと、素直に思ったのだ。

おそらくだが、実際に歩いてみて、「板橋付近にまいばすけっとが多いかどうか」という疑問が定量的に解決されることはないだろう。だが、縄文さんの動画の趣旨は、たぶんそこにはない。彼にとって重要なのは、「歩いて探す」というプロセスそのものなのだと思う。

縄文さんの語る様子は実に楽しそうで、その表情に触れていると、数字やデータでは表せない何かが、確かにそこにある気がしてくる。たとえその動画が「まいばすけっと探し」というニッチなテーマであろうとも、彼の声や歩く姿、街の音や風景を通して、視聴者は板橋という街の新しい一面に気づくのかもしれない。

「わたしも、そういう視点で何かしてみたいな」と、ふと思った。「ただやってみる」という感覚。結果ではなく、プロセスそのものを楽しむこと。縄文さんと飲むと、そういう何かを思い出させてくれるから不思議だ。

その話を聞いて、わたしは少し胸が熱くなった。少しではあるけれど。何かを始める理由なんて、案外そんなものでいいのかもしれない。ただの興味、本能的な好奇心、誰かと共有したいという気持ち。それが巡り巡って、動画という形になり、また別の誰かに影響を与える。

酒も進み、次第に話題は脱線していったが、この一夜の飲み会を経て、なんだかまた自分も何かやってみたくなった。縄文さんのように、難しいことを考えすぎずに、ただ始めてみる。そういう生き方も悪くない。

「さて、今年は何を始めようか。」

心の中でそう呟きながら、次のお酒をおかわりした。

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さいすけ
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