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日本の男尊女卑についての考察㉛(古事記⑤出雲神話④天津神現る!②)
今回も読んでいただき
本当にありがたく思います。
前回は、天若毘古が天から授かりし
弓矢を携え、豊葦原中津国に
国を譲れと派遣されてきた。
というお話でした。
今回は、ワカヒコに詰め寄られる
オオクニヌシがどう出るか?という
場面から話は進みます。
宮で対峙する両者
先に口を開いたのは
ナカツクニの長・オオクニヌシでした。
「これは、高天原より
よくぞ、来られました。 ワカヒコ様。
我が家来アメノホヒより
聞き及んでおります。」
とワカヒコに和やかに伝えました。
アメノホヒはオオクニヌシの
家来として
そしてオオクニヌシの頭脳として
支えていました。
ワカヒコはオオクニヌシに
話し始めました。
「それならば、話は早い。
ナカツクニを我ら天津神に
悉く譲られるが良かろう。」
と得意満面の様子で
オオクニヌシを見ました。
オオクニヌシはその様子を伺い、
ワカヒコに答えました。
「なるほど、、、
しかし、我が子は未だ若く
ワカヒコ様のように逞しくは
ござらぬ。 貴方様のような
子が我にあらば、すぐにでも
我は、代を譲るべきところなり。」
そう言われて悪い気はしないワカヒコ
高天原から連れてきた従者:天佐具売
(天邪鬼のモデルとも
言われています。)
に耳打ちし相談しました。
サグメは、ワカヒコに
自分の考えを伝えます。
「アマテラス様は
こう仰いました。 自らの直族が
この国を治むるべきである。と
つまり、ワカヒコ様が
この国を統べるならば
オオクニヌシ様の申し出を
受け、後継になられるというのも
筋の違う話ではございません。」
ワカヒコは大きく頷きました。
オオクニヌシは言葉を続けます。
「ワカヒコ様、我が娘に
会ってみられてはいかがか?
我が娘、高比売
(下照比売とも伝わります。)
を気に入って頂ければ
我が娘の婿として、そして
我が息子として
ワカヒコ様をお迎えいたしたい。」
ワカヒコにすれば
千載一遇の好機、天津神として
国津神の長の娘と契りを交わせば
行く末は自らが、
この国の王となりえる。
と考えていました。
ワカヒコは嬉しさを堪え
オオクニヌシに伝えます。
「なるほど、、、。
では、タカヒメ様に目通り願う。」
すると、奥に控えしタカヒメを
オオクニヌシは呼び出しました。
タカヒメを一目見たワカヒコは
あまりの美しさに心を奪われました。
「オオクニヌシ殿、ぜひとも
我にタカヒメ様を貰い受けたい。」
とワカヒコは前のめりに
オオクニヌシに伝えました。
話はとんとん拍子に進み
ワカヒコは
オオクニヌシが娘タカヒメと
結婚し、正式にオオクニヌシの
娘婿として
また、オオクニヌシの後継者として
八年もの歳月が流れます。
その間、ワカヒコは高天原に便りは
出さず仕舞いで、天津神達は経緯を
知らないままでした。
アマテラスは
「ワカヒコは何をしておるのか。
国は譲られたのか?それとも
仕損じたか?」
とても、苛立っています。
思比金はアマテラスに
進言しました。
「雉名鳴女をワカヒコに
遣わし、仔細を伺わせましょう。」
アマテラスはその
進言を受け入れました。
ナキメは雉の姿になり
ワカヒコの住まう宮に近づいて
ワカヒコがいることを確認しました。
ナキメはワカヒコに向けて執拗に
鳴き続けました。
ナキメはワカヒコが
アマテラス様からの役目を
忘れていなければ、
必ず思いは通じるはずと諦めずに
鳴き続けました。
その鳴き声に気づいた。
ワカヒコと従者サグメが
雉を見つけました。
サグメは怪訝そうな顔で
ワカヒコに伝えました。
「ワカヒコ様、
あの鳥はとても不吉な鳥です。
あの声はとても不吉な声です。
今すぐにでも射殺すことを
強く申し上げます。」
ワカヒコは疑いもせず
弓矢を番え矢を放ちます。
矢は雉であるナキメの胸を貫いて
そのままどこかへ
消えてしまいました。
一方、ナキメの帰りを
今か今かと待っている
高天原の天津神達。
どこからともなく飛んできた
血のついた矢が、アマテラスの
足下に落ち、
その矢を拾いアマテラスは
驚きました。
「この矢は、ワカヒコに授けた
天之羽々矢ではないか!
しかも、ナキメの血が付いておる。」
その矢を
別つ神•高御産巣日に手渡しました。
すると、タカミムスビは
血のついた矢に
「ワカヒコに邪な
意思なくば
ワカヒコに当たるな。 されど、
ワカヒコに邪な
意思あらば
ワカヒコに当たれ。」
と呪文を唱えて、
天浮橋より矢を投げました。
(返し矢の術)
すると、ナカツクニにいる
ワカヒコの胸に矢が命中し
ワカヒコは絶命しました。
アマテラスの目論見はまたも
失敗に終わりました。
今度も難局を乗り越えた
オオクニヌシです。
しかし、これで終わりでは
ありません。
いよいよ最強の武神•武御雷神が
オオクニヌシに迫ります。
次回、出雲神話④天津神現る!③にて
お話を続けさせて
頂きたいと思います。
ここまで読んでいただけて
とても嬉しく思います。
また次回もお楽しみください。