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日本の男尊女卑についての考察㉞(古事記⑥ニニギ降臨外伝①え?マジっすか?!)

今回もどうぞよろしくお願いします。

今回は、邇邇芸ニニギ天照アマテラスの命により
高天原タカアマガハラより
豊葦原中津国トヨアシハラナカツクニ
派遣される途中からの
お話をさせていただきます。

ニニギはアマテラスより
三種の神器を授かり
天児屋アメノコヤ布刀玉フトダマ天宇受売アメノウズメ
伊斯許理度売イシコリドメ玉祖タマオヤ
の五柱を従え、
天八俣アマノハチマタという別れ道に
さしかかりました。

その別れ道には巨躯きょくの男神が
一人立っていました。
ニニギはアメノウズメに男神の
誰何すいかを尋ねるように命じました。

ウズメはその男神に
「我ら一行は、アマテラス様の
命を受け、天孫ニニギ様が
ナカツクニを統べる為に
向かう最中である。
男神よ。どちらのお方か?」
と尋ねました。

その大きな体の男神は
畏まって答えました。
「我は、国津神・猿田毘古サルタヒコ
申します。 このハチマタで
居れば、必ずや天津神様が
通られると思い待って
おりました。」
と言って、ニニギに
平伏しました。

ウズメはサルタヒコに
重ねて尋ねました。
「我らがここを通るのを
待っていたと言われましたね。
その真意とはなんでありましょう?」
まだ、サルタヒコを警戒している
ウズメでした。

「ニニギ様が我ら国津神の王と
なられたので、出迎え
高千穂タカチホ(宮崎)へ
ご案内せねばと思いたちまして
罷り越して御座います。」
と平伏したまま
サルタヒコは答えました。

ウズメは仔細をニニギに
伝えるとニニギは大いに喜び
直接サルタヒコに声をかけました。
「サルタヒコよ!
大変に殊勝である。
では、高千穂までの案内を
そちに任せようではないか。」

サルタヒコは大いに喜び
ニニギ一行を迷うことなく
高千穂に案内しました。

高千穂に到着し
サルタヒコも胸を
撫で下ろしました。

ニニギはサルタヒコを
そばに呼び話しかけました。
「サルタヒコよ。
其方は、高千穂に
住まう。国津神か?」

サルタヒコは
畏まって答えました。
「いえ、我は、伊勢(三重)の阿謝加あざか
住まう国津神にございます。
この度は、ニニギ様を
お迎えする為に罷り越しました。」

ニニギは閃きました。
「伊勢とな?これは丁度良い。
これから、伊勢に参って
アマテラス様を奉る支度を
整えばならぬところであった。
サルタヒコは伊勢の国津神なら
好都合、我ら一行よりも
先に伊勢に戻って
アマテラス様を迎える手伝いを
してはもらえんだろうか?」
とサルタヒコに伝えました。

サルタヒコはニニギに
さらに畏まって答えました。
「そんな大役を我に授けて
いただけるならば喜んで
お手伝いをさせて頂きます。」

ニニギはサルタヒコに
安堵の表情を浮かべ声をかけました。
「非常に助かる。サルタヒコよ
ではウズメを其方に付けるゆえ
ウズメを伊勢まで
連れていくが良い。」

サルタヒコは溢れんばかりの
涙を浮かべて平伏しました。

ニニギはウズメを呼び出し
これからのことを説明しました。
「ウズメよ。高千穂に着いて
早々ではあるが、伊勢に向かって
貰いたい。 丁度、サルタヒコが
伊勢の国津神ということなのだ。
其方を連れ
伊勢に同行させる手筈を整えた。
ウズメは伊勢に於いて
アマテラス様を迎える支度を
整えるのだ。」

ウズメは畏まって了解しました。
さらに、ニニギは
ウズメに話しかけます。

「この度の恩をサルタヒコに
返さねばならぬ。どのように
返すべきか・・・。そうだ!
ウズメは独り神であったな?
サルタヒコはどうだろうか?」

サルタヒコは平伏したまま
答えました。
「我のような醜男しこおに添い遂げる
女御など居りはしません。
独りに御座います。」

ニニギは笑顔になり
言葉を続けた。
「ウズメよ。伊勢の地にて
支度が整い次第、其方は
サルタヒコの名を
永く継いでいくが良い。
其方はこれより
猿女サルメきみじゃ。
良い考えであろうとも!
では、早速そのように。」

ウズメは畏まって了解しました。

この続きは、次回
古事記⑥ニニギ降臨外伝②実際は?に
お話をさせていただこうと思います。

では、ここまでのエピソード
の考察を進めさせて頂きます。

まず、ニニギ一行の前に
突如現れたサルタヒコ

この神は元々 伊勢の阿謝加あざか
土着神で、天狗のモデルとも
呼ばれる神です。

方角、交通安全や
旅の安全を守る神として現在も
霊験を発揮させています。

おそらくは伊勢の土着の神を
登場させた理由は単純に伊勢という
高千穂から遠く離れた地に
ヤタノカガミをアマテラスの
写し身うつしみとして
奉納する義務があったから
でしょうね。

サルタヒコは国津神です。
例えるなら敗戦国の将という
感じでいいと思います。

ニニギ一行を道案内し
無事、高千穂に到着しました。
しかし、すぐに伊勢にサルタヒコを
派遣するという話に発展します。

まあサルタヒコは
伊勢の出身ですから
無理もない話ですが

しかし、アメノウズメが
とんでもない巻き込まれ方を
しています。

伊勢に向かう役目は
最初から決まっていましたし
そこまでの道案内が
居れば居たで道に迷うと
いう心配がなくなるのも
助かる話ではあるのでしょうが

アメノウズメは天津神です。
こちらも例えるならば、
戦勝国の将という
感じになります。

どちらも独り神という状況
だったために

ウズメの意思を無視して
サルタヒコに嫁?に出されて
しまいました。
(現在も夫婦として扱われてますね。
猿女神社も伊勢にあります。)

アメノウズメは
芸能、芸事の女神で
巫女の発祥とも言われています。
とても、著名な神の一柱で
天岩戸神話では
衣をはだけて踊りに踊り
アマテラスの興味を引いた。
という逸話も持つ
超メジャー級女神です。

それが、なんの因果か
アマテラス様の命で
アマテラス様の孫に着いて
派遣されました。が・・・
その孫の一存で
結婚決まっちゃったよ!
っていう話なんです。

しかもウズメ側からの
反論は一切受け付けられません。
という
とんでもないパワハラ設定です。

アメノウズメの心中も
決して穏やかでは
なかったと思います。

その結果
アメノウズメの子孫は
巫女を多く輩出し
戦国時代に実在したとされる
出雲阿国いずものおくに
アメノウズメの子孫であったという
説もあります。

歌舞伎や演劇のルーツとも
言われています。
猿女の君としてですが。。。

おそらく彼女に
なんの決定権も
なかったのでしょうね。

古事記編纂当初の男女における
価値観が よく現れている
エピソードではあります。

立場があまりにも違いすぎる
格差婚を生み出した話なんです。

むしろ立場だけを捉えてみれば
戦勝国と敗戦国の違いもありますし
アマテラス系が本流だとしたら
スサノオ系は傍流という価値観
もあるはずです。

なんでしょうね、、、。
令和の世でも
全くありえない!!という
話とは言えないんでしょうけども
違和感が漂うという感覚です。

当時にしてみれば
王侯貴族の娘が農家に嫁ぐ 
というような違和感です。

女性側がそう望めば
あり得るんですけど・・・
皇族の女性が一般男性と
結ばれるという話も記憶に
新しいですしね。

つまり、このエピソードを
差し込んだ意図が
はっきりしないんです。

古事記に描かれたから
猿女の君は生じたのか
または、描かれる前に
猿女の君は存在したのか。

ということに尽きると思います。

しかし、アメノウズメも
決して負けてないよ!
という話を
次回にさせていただこうと
思ってます。

ここまで読んでいただけて
とても嬉しく思います。

次回もぜひ お楽しみください!。

 

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