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日本の男尊女卑についての考察㉕(古事記⑤出雲神話②オホアナムヂ君奮闘記③)
いつも読んでいただけまして
誠にありがとうございます。
今回は、オホアナムヂが
根の堅洲国へ逃亡した後の話から
始めたいと思います。
オホアナムヂは木国から
木の虚(うろ)を通り
根の堅洲国に辿り着きました。
ゆっくりとその国を歩いていると
とても美しい女性が現れました。
この女性の名は
スセリヒメ(須勢理比売)
オホアナムヂは彼女に心を奪われ
彼女もまた、オホアナムヂに
心を奪われてしまいました。
オホアナムヂは彼女に
今までの経緯を説明すると
「我が屋敷にて
この国の長、そして
我が父、スサノオに
会いにいらしてください。」
と、スセリヒメは
オホアナムヂに促しました。
根の堅洲国(ネノカタスクニ)とは
黄泉の国の最も近くにある国で
現在の島根県の何処かにあると
伝わる地下国家です。
その国の統治者は
荒ぶる神スサノオです。
スサノオの御前に平伏す
オホアナムヂ
スサノオはその若者
オホアナムヂを睨み
威圧するが如くに
話し出しました。
「そこな、若者
娘スセリヒメより
若者に及ぶ話は
詳らかに伺った。
して、若者の願いとは?」
オホアナムヂは
落ち着いて
「我が兄達が
私の命を狙っております。
どうぞ、この国にて
匿ってはいただけないでしょうか?」
と伝えました。
スサノオは、不敵な笑みを浮かべ
威圧するかのように答えました。
「心得た。若者よ。
この国に身を置く限りは
その兄達が追ってくることは
あるまい。
さぞや、疲れたであろう。
寝屋に案内させるゆえ
娘に、ついていくが良い。」
オホアナムヂは、静々と
スサノオの前から下がり
スセリヒメに着いて行きました。
少し歩き出すと
スセリヒメはオホアナムヂを
止め、話し始めました。
「我が父スサノオは
貴方様を試すおつもりです。
今から向かう寝屋は
大蛇、毒蛇が数百、数千
と蟠(とぐろ)を巻いて
待ち構えています。」
その話を聞いて
驚くオホアナムヂ
スセリヒメは話を続けました。
「ご安心ください。
オホアナムヂ様。
この頭巾を貴方に託します。
この頭巾は蛇を退ける呪術を
施したものです。
蛇が近づいて来たら
この頭巾を三度振ってください。」
と古ぼけた頭巾を
オホアナムヂは手渡されました。
寝屋に到着すると
オホアナムヂ一人残され、
奥に歩いて進むと
蛇達の鳴き声がそこらかしこから
聞こえてきます。
その声が徐々に近づいてくると
オホアナムヂは言われた通り
古ぼけた頭巾を大きく三度
振りかぶりました。
すると、蛇達の鳴き声は
遠ざかり、とうとう聞こえなくなりました。
その寝屋でオホアナムヂは
眠りにつきました。
(第一の試練)
翌朝、オホアナムヂは
再び、スサノオに謁見し
ひれ伏しました。
スサノオは相変わらず
オホアナムヂを睨みつけ
言葉を発しました。
「昨日は、よく寝むれたようだな。
若者よ、悪いが今日は別の寝屋を
用意させるので、我が娘の案内に
着いていくが良い。」
とだけ告げ、宮を後にしました。
昨日同様、スセリヒメの案内に
着いていくと途中で、
再びスセリヒメはオホアナムヂを
止め、話し出しました。
「今宵も、父スサノオは
貴方様を試すようです。
今日の寝屋には
幾数万の蜂が飛び交い
幾数万のムカデが
そこら中に這いずり
回っております。」
オホアナムヂは固唾を
飲み込みました。
スセリヒメは話を続けます。
「どうぞご安心ください。
オホアナムヂ様。
今回はこちらの頭巾を
託します。
こちらの頭巾も
すでに、蜂やムカデを
遠ざける呪術を施してあります。
寝屋に入る前に
こちらの頭巾を被ってくださいませ。」
と黄金色に輝く頭巾を
オホアナムヂに手渡しました。
寝屋に到着し
早速手渡された黄金色の
頭巾を被り中に進んでいくと
中にいるはずの蜂や
ムカデが自分を避けているようです。
寝屋から蜂やムカデの気配が
鎮まっていきました。
そして、オホアナムヂは
眠りにつくことができました。
(第二の試練)
二度の試練を乗り越えた
オホアナムヂですが、
スサノオの試練は
まだまだ止みません。
次回にこのお話の続きを
させていただきたいと思います。
ここまで読んでいただけて
誠に嬉しく思います。
次回もどうぞお楽しみください。
ありがとうございました。