カラダの関係を持つと冷める男心
たまに聞くこのフレーズ。
この理由の解析は色々あるけれど、正直僕にはしっくり来なかった。
ただ、そんな僕だけれど、その理由の一端に触れたような感覚があった出来事があったので、それを話していこうと思う。
セッ○スという「幻想」
僕はセッ○スにとてつもない夢、理想を見ていた。
僕は30歳まで童貞だった。それまで女性との関係は一切無い。
だけど、女性に全然興味が無いわけじゃなく、むしろ人一倍強かった。理想だけは高かったんだ。その理想が叶うのは、現実じゃなくて幻想の中…そう、「作り物」の中だけだった。
男性向けのHなゲームは数百本はやった。女性向けの恋愛小説も、官能が入り混じったものも読んだ。
見つめるだけで幸せに溢れ、指先が触れるだけで快感が迸る。繋がろうものなら天にも昇る快楽と多幸感に包まれる。これが、僕のセッ○スの理想像だった。
そんな理想を抱く僕の初めてのセックスの感想は…「こんなものか」。
現実を知った僕は、セックスへの興味も好奇心も消えていた。
高すぎた理想は、「現実」への失望を生んだ。
それでも、たまに実はどこかに僕の理想が叶うセッ○スがあるんじゃないか…そんな願望が生まれることもある。
そのたびに僕は失望していく。冷めていく。あれほどの熱量が、いとも簡単に鎮火していくんだ。
冷めた男の高すぎる理想
冷めた男たちの中には、もしかしたら僕のようにセッ○スに高すぎる理想を持っていたんじゃないかって思う。
セッ○スを扱う媒体で、不幸な男を描くものはあまり見たことがない。セッ○スに溺れる男、セッ○スで喜ぶ男、セッ○スで幸せになる男、セッ○スだけでブサイクでも女性に求められる…そんな幻想ばかりを見ていれば、理想が高くなるのも無理はない。
理想ではなかったセッ○スに、男は冷めていく。
男は、何歳になっても子供だ。夢見る子供のような幻想を持っている。それが、時には自分を苦しめる刃になることもある。
女性への釈明記事じゃない
最後に断っておくけれど、この記事は女性への釈明記事じゃない。
男心を理解してほしい、なんてつもりはさらさら無い。
ただ、同じ男に、好きな女性なのに冷めてしまったことに苦しむ男がいるなら、その自分を知る手がかりになってくれればと思う。