「ユニバ」絶叫系で絶叫できない
関西旅行では外せない観光スポットユニバーサル・スタジオ・ジャパン通称「ユニバ」。そこでは多種多様な人たちが列を作り、高速移動する機械に乗せられるの待っていた。
気温は34℃を超え、映画「ジュラシックパーク」に登場するプテラノドンに捕まるシーンを再現したアトラクション「フライングダイナソー」に乗ることになった我々一同。
汗を吹き出しながらただ一刻一刻と列が前へと進むのを待っていた。
私は幼き頃から悩みがある。絶叫系で絶叫ができないのだ。恐らく多くの来園者はジェットコースターの凄まじいスピードと、急な方向転換や重力に逆らう動きに驚くのだが、私はそれを楽しめない。
なぜなら安全性が考慮されすぎているからである。フライングダイナソーでは肩周りに大きなシートベルトがガッシリとハマり、まるで席に縛り付けられる感覚になる。この振り落とされない絶対的安心感、まるで熱い抱擁を受けているこの安心感に私はいつも悔やんでしまう。
乗る前のドキドキハラハラ、乗った後の気持ちの高鳴り。友人たちの楽しむ姿を見ても共感できずにいた。
年齢性別を問わず、大量の人たちが60分ほど整列し大型車両に乗せられ、シートベルトを体に絡めあと、時速100km程度で集団走行する。決まった道どりと決まった叫び声が毎回場内にこだまする。
終わったっころには三半規管が揺さぶられ眩暈と吐き気がし、身体へのダメージが伴う。工場のベルトコンベアに乗せられた商品になった気分だった。