セクシー掌編「夏服」

街角ですれ違った女性に思わず振り向いた。広く襟の開いた夏服。そこから覗く肌色の丘。揉むたび手のひらを押し返したあの胸を見間違うわけがない。追おうとして足を止めた。角の先で消えたはずだから。──きっとまた、あの夏服が着たくなったんだね。彼女がいるはずの青空を、僕は仰いだ。


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